企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常


デジタルとおじさん

 IoTだのAIという時代にanalog/digitalという分け方かと思うのですが、育ってきた環境がanalogなので仕方がないのですよ。

 マンサバさんが現行iPad Proの入手を薦めていますが、実は自分も春先に購入していました。あまり使いこなしているとはいえませんが。購入の動機は、老眼が進んでiPhone plusの画面でも文字を追うのがしんどくなったからいうのもありますが、便利そうなので使ってみようというのが大きいですね。手書き認識も良くなっているというので、(最初はいらないやと思ったのですが)Apple pencilを買って使ってみたところ、手書き文化で育ったおじさんには思った以上にしっくりきたのです。
そこで「待てよ、この感覚は昔経験した」と20数年前の90年代中頃に使っていたSHARPのZaurusを思い出したのでした。
 当時の所属部門の課長、それまで手書きで思いを伝えろ!みたいな人間だったのが、突然機械化に目覚め「お前ら夏の賞与でZAURUSを買え!」と強権発動し、家電量販店でまとめ買いするからとゴリゴリ値引きして購入、問答無用で課員全員に現金引き換えで配布されたのでした。連絡先や簡単な通達、活動テーマなど赤外線通信等でやりとりしたような記憶があります。当時としては、進んだ取り組みではなかったでしょうか。Zaurusにはタッチペンでの文字認識という機能があったのですが(Apple社との共同開発だったはず)、なんのことはない、四半世紀近くの年月を経て戻ってきたというところですが、利便性は比較のしようがないほど向上しています。技術の進化はそれを受け容れようとすればちゃんと恩恵をもたらすということでしょうか。

 会社の業務だけでなく日常生活のあちこちに先端情報技術が採用されている時代。ビフォーインターネット世代だからわからない、使えません、では日常生活にも支障をきたすだろうと思います。生死に関わるような支障は今のところないでしょうけれども、時間や手数料など必要のなかったコストをむざむざ負担してしまうということは既に起こっていますよね。
 業務ではもう関わることはないかもしれないけれども、この先何十年も生活していく、おじさん世代こそ生活防衛のために最新の情報技術はおさえておく必要があると思います。

 まあそんなわけでデジタルとちゃんと向き合おうと思う晩夏の午後でした。

働き方?働かせ方? Business Law Journal 2018年9月号から

 夏季休業に入っている方がほとんどだと思います。休業期間の取らせ方、期間の長短って業界・業種・各企業の考え方が割とでるところですよね。「えっ、それしか休めないの?」と人使いが荒いと知られる同業者にも引かれたアカウントがこちらです。

 BLJ2018年9月号の特集「2018年通常国会改正法の影響度」。
 著作権法、不競法、消費者契約法などよくよく押さえておかなければならないのですが、勤務先の状況からみて急がなければならないのは労基法・労衛法の改正。
 衣食住に関わる業務は、顧客・ユーザーが「休日・休業」の時が掻き入れどき、交渉事のチャンスという点となります。衣食など店舗販売系の事業であればともかく、「住」の事業は顧客・取引先の事情に左右されることも多く、仮に自社が「シフト勤務制」をひいていても取引の下流がしわ寄せを吸収する構造ではなかなかままならないということもあります。
 とはいえ改正法の中身は業界固有の事情を言い訳にできるものではありません。労務問題はことが起きたときに業績に与えるインパクトやレピュテーションリスクが小さくありませんので、今回の改正には経営側は本気で取り組む必要があるでしょうね。
 人事労務が主体の取組になるでしょうけれども、法務がこの問題にどこまでどのように関わるかということになりますが「法令遵守」を唱えているだけでは意味がないのはいうまでもありませんよね。
 もはや当然のようになっていて経営陣含めて誰も気にしていない、そして本人たちも(これだけかかっているという)声をあげようのない業務コストがあるとします。リスクの塊ですよね。そういうところに光を当てていくことができればと思うのですが。


 
  

拾い読み ビジネス法務2018年9月号

 これまでの常識が通用しない夏ですね、としかいいようがない毎日。

 拾い読み、ビジ法です。
 特集1は「新規ビジネスを成功に導く法的リスク突破力」
 「ブレーキを踏む奴ら」とだけ思われないように企業法務担当者はどう生きて行けばよいのかということでしょうか。新規事業の芽がなかなか育たなくなったところにいると逆に眩しい話題なのですが。

 自社がどのような市場でどのポジションで生きているか、そして経営状況によっても「新規ビジネス」への取り組みレベルは異なると思います。ヒト・モノ・カネに余裕があり多少のリスクを負担できる企業とそうでない企業とでは、スピードだけでなく「リスク評価」の品質も当然違いますし、社歴の長い企業と新興企業とでも当然違います。今リスクを取らなくてもよい企業とリスクを取っていかないといけない企業との違いもあります。
法務担当者というのは所属する企業によって求められるものが左右されますよね。

 長年「規制市場」にいると、厳しい業法は守らなければならない反面、それさえ守っていれば安泰というところもあるので、そうそうまっさらな新規ビジネスというものが生まれにくいところがあります。
「新規事業」といってもよくよくみれば「新たな規制の枠内」でビジネスを行う内容にすぎないケースがあります。もっともそれでも投資が必要ということもあり決して楽チンということではありませんが、まあ、法務の出番はあまりありません。ただ恐ろしいのは、自社に諸々の事情で余裕がなく新たな規制への対応に出遅れることですね。こういうケースが現場で埋もれていないか、ジャブを打つのが法務の仕事になることもあるかもしれません。法的リスクの突破、とは違いますけれどもね。
 これには事業に関わる法省令や制度、ガイドラインの制改廃には目を配っておかないとなりませんが、そうすることで法務担当者も事業に理解がある、理解しようとしているという姿勢が事業部門に伝わり、本当の「新規事業」のときに法務をハブにして、という事態は減ってくるかもしれません。「新規ビジネスの相談は必ず法務を通してくださいね」という社内フローを作ることは必要ですが、ちゃんとそれが運用されるには、法務からの日々のアプローチも大事ということ。自分は営業部門にいたせいもあり「顔を出さない奴に注文なんか出さないよ」というのが身に沁みているのですが、本当これはありますよ。
 あとは日々精進の部分なのですが、法務が鬱陶しがられる「説明が長い」「結局何なんだ、GOなのかNO GOなのかわからん」というところをなくしていくことですね。A4ペラ1枚、長くても10分までの間で一通りのことは説明できるようにしておくことでしょうか。「うわー、走り出しちゃっている」という案件ではなかなか聴く耳を持ってもらえないものです。「10分以内で済みますから」と切り出せるようにしておきたいですね。(そのあと向こうの都合で時間が延長される分にはOKなのですから)


 というようなことをメルカリのインハウスの記事を読みながら(自分のことは棚にあげて)思ったのでした。




 
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