2023年04月01日 17:28
2023年の初エントリが、定点観測エントリーになってしまった。
本日は某勤務先の入社式に出席してきた。そして本日は自分がサラリーマンになった日から36年が経過した日でもある。「来賓」などという立場(末席だが)で入社式に出席することなんて、あの日の自分は1ミリグラムも思っていなかったと思う。
定年延長制度の対象(当然役職定年はあり)になった。そうはいっても、自分の年齢だと最終コーナーからの直線が少し延びたか、または最終コーナーの出口から入口まで引き戻された程度に過ぎない。
少しだけ位置が後ろにずれたラストライン。この時間をどう使うか、といってももう答え合わせのない問題集に取り組むような時間という気がしてならない。
過去の経験や実績が色褪せ、価値が低下するスピードが30年前と比べものにならないくらい速くなっている今、シニアがどう生きるか。ラストラインの日までしがみつくなら昔話よりも今の物語のスピードでありたいとは思うものの、ではしがみつくのに必要なのは体力なのか脳力なのか、その両方なのか??? そんなことを悩んでいる間にも残り時間はますます短くなっていく。
企業法務という仕事を周辺をうろつき、その深淵に近づくこともできないまま監査の仕事に移りはや3年。匿名にしろ「企業法務マン」と名乗るのも気が引けてきた。実際、今の仕事では「企業法務部門」でさえも監査対象である。SNSでは法務ネタに乗るときもあるが、当事者性は低くなっているのは否めない。実際、本blogのエントリが減っていったのも書きにくくなったからである。
そこで「企業法務マン」をタイトルにしたblogは今回で終了することにした。
FC2blogで始めたのが2012年1月、こちらに移ったのが2014年7月。10年ほどの間ではあるが、訪問、雑文にお付き合いいただいた方たちには何度お礼を申し上げても足らないと思う。
本当にありがとうございました。
とはいえ「今」にしがみつく以上、少しは文章を書くことも続けていこうと思うので、場所を変えもうしばらく企業勤めのblogを続けるので、気が向いたらお立ち寄りいただければ幸いである。
移転先予定:「かどや 管理部門の憂さの捨て処」(はてなブログ)
本日は某勤務先の入社式に出席してきた。そして本日は自分がサラリーマンになった日から36年が経過した日でもある。「来賓」などという立場(末席だが)で入社式に出席することなんて、あの日の自分は1ミリグラムも思っていなかったと思う。
定年延長制度の対象(当然役職定年はあり)になった。そうはいっても、自分の年齢だと最終コーナーからの直線が少し延びたか、または最終コーナーの出口から入口まで引き戻された程度に過ぎない。
少しだけ位置が後ろにずれたラストライン。この時間をどう使うか、といってももう答え合わせのない問題集に取り組むような時間という気がしてならない。
過去の経験や実績が色褪せ、価値が低下するスピードが30年前と比べものにならないくらい速くなっている今、シニアがどう生きるか。ラストラインの日までしがみつくなら昔話よりも今の物語のスピードでありたいとは思うものの、ではしがみつくのに必要なのは体力なのか脳力なのか、その両方なのか??? そんなことを悩んでいる間にも残り時間はますます短くなっていく。
企業法務という仕事を周辺をうろつき、その深淵に近づくこともできないまま監査の仕事に移りはや3年。匿名にしろ「企業法務マン」と名乗るのも気が引けてきた。実際、今の仕事では「企業法務部門」でさえも監査対象である。SNSでは法務ネタに乗るときもあるが、当事者性は低くなっているのは否めない。実際、本blogのエントリが減っていったのも書きにくくなったからである。
そこで「企業法務マン」をタイトルにしたblogは今回で終了することにした。
FC2blogで始めたのが2012年1月、こちらに移ったのが2014年7月。10年ほどの間ではあるが、訪問、雑文にお付き合いいただいた方たちには何度お礼を申し上げても足らないと思う。
本当にありがとうございました。
とはいえ「今」にしがみつく以上、少しは文章を書くことも続けていこうと思うので、場所を変えもうしばらく企業勤めのblogを続けるので、気が向いたらお立ち寄りいただければ幸いである。
移転先予定:「かどや 管理部門の憂さの捨て処」(はてなブログ)
2022年12月25日 22:12
このエントリーは、#裏legalAC 2022 参加エントリーです。
@Hinata Oshima さんからバトンを受け継ぎ、裏のアンカーを努めます。
経文諱武(@keibunnibu)さんから始まった裏法務系AC、そういえば経文諱武さんや裏表にエントリしたdtk先生と出会ったのも三軒茶屋だったかなと記憶を辿る。
はじめにタイトルのネタ元に触れると、Old and Wise とは1982年発売のTHE ALAN PERSONS PROJECTのアルバム「Eye In The Sky」のラストに収録された小曲のタイトルである。初めて聴いたのは発売時、10代の終わり頃。当時から見れば十分年老いた自分が今ここにいる。
今年の春先、BUSINESS LAWYERSのインタビューを受けたものが世に出たので、キャリア論的なものには触れないでおこうと思ったのだが、1年を振り返る時期でもあるのでこの曲の歌詞を少しなぞりながら思ったことを記録しておこうと思う。
20代、30代のときに目指したものになっているか、見たかった風景(いうまでもなく業務の世界という意味)を今見ているかといえばそうはなっていない、と思う。やや濁すのは当時何を目指していたのかもうはっきりとは思い出せないからだが、販売や事業企画といった直接部門にいた若造が見聞きして考える範囲だと思う。40代を迎えてから法務に異動し、そして50代半ばで内部監査責任者に異動した。もうどう考えても若い頃に所属したビジネス部門に戻ることはない。だから当時見たかった風景を何かのきっかけで思い出すこともないだろう。
長い目で見れば地続きかもしれないが、異動前の職務経験が今の(内部監査の)職務経験に加算されるわけではない。
年齢は重ねたけれども自分はそれに見合った知見経験をもっている人間になっているのだろうか。
仮に、20代遅くも30代前半までに企業法務の職についていたらどうだっただろうか。法務歴25年から30年になっているはずだ。しかし、1990年代以降の企業の経営環境やそれに伴う会計・法務・監査の世界の変遷はすさまじい。ただ年齢を重ねただけ、過去の経験しか財産がない人間だと企業内であっても立場も働く場も失い、荒涼とした風景を眺めるだけになるかもしれない。
年齢を重ねることが、そのまま賢さにつながるわけではない。
この裏表のlegalACでは自分の表裏エントリの2つを除く企業法務の48の風景を見させてもらっている。自分の知らない、関わっていない、そして面白い風景がある。まだまだ自分は何も知らないしわかってもいない、見たかった風景を思うよりも知らない風景を見ようと強く思う。たぶん、しんどい道かもしれないが。(初期からずっとこの企画に参加していながら、こう思うのは初めてである)
毎年、某方面からの圧力があるのかわからないけれど幹事を引き受けている@kanegoontaさんに対してまたエントリーを書いていただいた方々に最大限の御礼を申し上げてしめたいと思う。
@Hinata Oshima さんからバトンを受け継ぎ、裏のアンカーを努めます。
経文諱武(@keibunnibu)さんから始まった裏法務系AC、そういえば経文諱武さんや裏表にエントリしたdtk先生と出会ったのも三軒茶屋だったかなと記憶を辿る。
はじめにタイトルのネタ元に触れると、Old and Wise とは1982年発売のTHE ALAN PERSONS PROJECTのアルバム「Eye In The Sky」のラストに収録された小曲のタイトルである。初めて聴いたのは発売時、10代の終わり頃。当時から見れば十分年老いた自分が今ここにいる。
今年の春先、BUSINESS LAWYERSのインタビューを受けたものが世に出たので、キャリア論的なものには触れないでおこうと思ったのだが、1年を振り返る時期でもあるのでこの曲の歌詞を少しなぞりながら思ったことを記録しておこうと思う。
20代、30代のときに目指したものになっているか、見たかった風景(いうまでもなく業務の世界という意味)を今見ているかといえばそうはなっていない、と思う。やや濁すのは当時何を目指していたのかもうはっきりとは思い出せないからだが、販売や事業企画といった直接部門にいた若造が見聞きして考える範囲だと思う。40代を迎えてから法務に異動し、そして50代半ばで内部監査責任者に異動した。もうどう考えても若い頃に所属したビジネス部門に戻ることはない。だから当時見たかった風景を何かのきっかけで思い出すこともないだろう。
長い目で見れば地続きかもしれないが、異動前の職務経験が今の(内部監査の)職務経験に加算されるわけではない。
年齢は重ねたけれども自分はそれに見合った知見経験をもっている人間になっているのだろうか。
仮に、20代遅くも30代前半までに企業法務の職についていたらどうだっただろうか。法務歴25年から30年になっているはずだ。しかし、1990年代以降の企業の経営環境やそれに伴う会計・法務・監査の世界の変遷はすさまじい。ただ年齢を重ねただけ、過去の経験しか財産がない人間だと企業内であっても立場も働く場も失い、荒涼とした風景を眺めるだけになるかもしれない。
年齢を重ねることが、そのまま賢さにつながるわけではない。
この裏表のlegalACでは自分の表裏エントリの2つを除く企業法務の48の風景を見させてもらっている。自分の知らない、関わっていない、そして面白い風景がある。まだまだ自分は何も知らないしわかってもいない、見たかった風景を思うよりも知らない風景を見ようと強く思う。たぶん、しんどい道かもしれないが。(初期からずっとこの企画に参加していながら、こう思うのは初めてである)
毎年、某方面からの圧力があるのかわからないけれど幹事を引き受けている@kanegoontaさんに対してまたエントリーを書いていただいた方々に最大限の御礼を申し上げてしめたいと思う。
2022年12月24日 17:40
今回は #legalAC 2022参加エントリー、@kataxさんからバトンを引き継ぎました。
(今回はといっても4月以来の更新、その間何をしていたのだろう)
2年前のこの企画のエントリー「監査と法務」の続編となっているのかそうでないのか自分でもよくわからないまま、とりあえず「監査と法務2」とした。少しの間、お付き合いいただければ。
景表法違反や独禁法違反、品質データ不正や情報漏洩などの企業不祥事が明るみにでるたび、「あの企業の法務は何をみていたのだろうね」とか「監査は機能していたの」といったコメントが飛び交い、または「そういえばその企業、今法務募集しているよ」といった情報も飛び交うことがある。
またはTwitterその他SNSで繰り返されるネタやら愚痴がないまぜになった「企業法務あるある」。
企業法務部門は法曹資格者や法科大学院、法学部卒、非法学部であっても知的水準が高く、努力家で責任感の強いメンバーで構成されているとはいえ、企業のなかの「いち部門」。他の管理部門や販売、製造といったビジネス部門と同様、何らかの不備や不都合、矛盾を抱えていてもおかしくはない。
いうまでもなく業務監査対象部門に「聖域」を設けるわけにはいかない。法務部門と業務を監査するなら何を監査項目として監査業務にあたるか、つらつらと考えてみた。
1. 基本事項(部門の運営)
コーポレート・ガバナンス云々という前に法務部門がまずちゃんと運営されているのかという確認。
①分掌業務、組織図、職務権限、担当別職務
②部門方針、年間業務計画とその実推
③部門内コミュニケーションの実態(ミーティングの内容や管理職と担当者間のフィードバック有無)
④労働時間管理
⑤経費管理
⑥研修・教育計画・実績 などなど
不備がなければそれにこしたことはないが、どの部門でも担当別職務と労働時間に問題を抱えている例があり、法務で起きていても不思議はない。また、独立した法務部門ではなく、「管理部」や「総務部」の課・係であったり、ひとり法務の場合は上にあげたすべての点についてよく調査する必要があると考える。
2. 業務 法務部門の業務範囲は企業や業態によって異なる。議論の沸騰する事項でもあるが内部監査が依拠するのは自社の諸規則、制度、機関決定事項や業務フローである。某霞ヶ関のガイドラインや事業者団体の描く法務の将来像ではない。内部監査が担うのは会社が法務部門の分掌として決定した業務を遂行するための体制を整備しているか、確実に分掌業務を遂行しているかの保証(監査依頼元への保証)である。
最近、自分は法務業務を次のように分類して考えているので、それにあわせて
(1)利益(成果)に直結はしないが誰かが責任をもって引き受けないといけない業務
会社を適法状態に保つための業務、しかし出来て当然、完全に遂行したところで誰が評価するのかという業務。身も蓋もない言い方で申し訳ないが、現実に法務担当者がぼやいていることである。
①登記
②許認可・諸届出手続
③公告
④諸規則・制度の制改廃
⑤文書管理
⑥各種会議、委員会事務局
⑦法改正対応
⑧「コンプライアンス」 などなど
出来て当然だが、簡単ではない、準備も必要という業務をどのような業務分担やフローをもって遂行しているか。上記には会社によっては法務部門の業務に含まれないものがあると思うが、⑧のコンプライアンスの文字が法務の業務分掌にあれば、当事者部門が確実に実務を行い完了するまでチェックするのが法務業務になるだろう。
監査側は「出来て当然」とするためにどのような体制や職務分掌、業務フローで運営しているかを調査し監査依頼元に報告することになるのだが、「出来て当然」業務といえど不備や隘路が生じていることもある。法務部門のみで解消できる事項であればその旨を、他部門の業務に原因があり法務部門のみでは解消できないことであればその旨を報告し、監査依頼元の次の指示を仰ぐことになる。
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(今回はといっても4月以来の更新、その間何をしていたのだろう)
2年前のこの企画のエントリー「監査と法務」の続編となっているのかそうでないのか自分でもよくわからないまま、とりあえず「監査と法務2」とした。少しの間、お付き合いいただければ。
景表法違反や独禁法違反、品質データ不正や情報漏洩などの企業不祥事が明るみにでるたび、「あの企業の法務は何をみていたのだろうね」とか「監査は機能していたの」といったコメントが飛び交い、または「そういえばその企業、今法務募集しているよ」といった情報も飛び交うことがある。
またはTwitterその他SNSで繰り返されるネタやら愚痴がないまぜになった「企業法務あるある」。
企業法務部門は法曹資格者や法科大学院、法学部卒、非法学部であっても知的水準が高く、努力家で責任感の強いメンバーで構成されているとはいえ、企業のなかの「いち部門」。他の管理部門や販売、製造といったビジネス部門と同様、何らかの不備や不都合、矛盾を抱えていてもおかしくはない。
いうまでもなく業務監査対象部門に「聖域」を設けるわけにはいかない。法務部門と業務を監査するなら何を監査項目として監査業務にあたるか、つらつらと考えてみた。
1. 基本事項(部門の運営)
コーポレート・ガバナンス云々という前に法務部門がまずちゃんと運営されているのかという確認。
①分掌業務、組織図、職務権限、担当別職務
②部門方針、年間業務計画とその実推
③部門内コミュニケーションの実態(ミーティングの内容や管理職と担当者間のフィードバック有無)
④労働時間管理
⑤経費管理
⑥研修・教育計画・実績 などなど
不備がなければそれにこしたことはないが、どの部門でも担当別職務と労働時間に問題を抱えている例があり、法務で起きていても不思議はない。また、独立した法務部門ではなく、「管理部」や「総務部」の課・係であったり、ひとり法務の場合は上にあげたすべての点についてよく調査する必要があると考える。
2. 業務
最近、自分は法務業務を次のように分類して考えているので、それにあわせて
(1)利益(成果)に直結はしないが誰かが責任をもって引き受けないといけない業務
会社を適法状態に保つための業務、しかし出来て当然、完全に遂行したところで誰が評価するのかという業務。身も蓋もない言い方で申し訳ないが、現実に法務担当者がぼやいていることである。
①登記
②許認可・諸届出手続
③公告
④諸規則・制度の制改廃
⑤文書管理
⑥各種会議、委員会事務局
⑦法改正対応
⑧「コンプライアンス」 などなど
出来て当然だが、簡単ではない、準備も必要という業務をどのような業務分担やフローをもって遂行しているか。上記には会社によっては法務部門の業務に含まれないものがあると思うが、⑧のコンプライアンスの文字が法務の業務分掌にあれば、当事者部門が確実に実務を行い完了するまでチェックするのが法務業務になるだろう。
監査側は「出来て当然」とするためにどのような体制や職務分掌、業務フローで運営しているかを調査し監査依頼元に報告することになるのだが、「出来て当然」業務といえど不備や隘路が生じていることもある。法務部門のみで解消できる事項であればその旨を、他部門の業務に原因があり法務部門のみでは解消できないことであればその旨を報告し、監査依頼元の次の指示を仰ぐことになる。
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