2020年05月16日 17:29

 緊急事態宣言解除前だが徐々に人の動きが戻ってきた。

 後進を育てる観点から会社法務A2Z5月号の特集記事「今こそ確認しておきたい『法務の基本スキル』」に目を通した。自分は法務異動時にまともな研修教育を受けていない。何が基本で応用なのか皆目見当もつかないうちに炎上事案が続き、その勢いを借りて生きてきたようなもの、無手勝流もいいところである。こんな法務担当者が代々続くようではいけないと強く思っているのだが、現実はそうはいかない。あと何人か法務担当者の代替わりがないと難しいかもしれない。

 多くの企業が在宅勤務体制を敷いたこの春に法務に配属・異動された方は、日々どのように企業法務の仕事を体得しているのだろうか。記事を読みながらまずそのことを思った。特集記事で取り上げられている内容は自分のような者は異論を挟みようがない「基本のかたち」である。法務担当者自らがこれらを毎日コツコツと実務を通じて繰り返し身につけていくことが大前提である。そのうえで上司・先輩部員の指導が上積みされてやがて担当者として独り立ちしていくのだろうが、春先からの環境下で上司・先輩部員から指導を受ける機会が得られているか、そして上司・先輩部員は適切な指導を行えているのだろうか。

 今回のコロナ禍到来前から在宅勤務体制やそれを支える仕組みやツールを整えていた企業は別として、3月末からの今月までの短期間では「収益部門の業務」優先で突貫で整えるまでで精一杯という企業もあったと思う。それはやむをえないだろう。しかし今の「非日常」を「日常」に置き換えていくなら、後回しにしてきた業務もそれに置き換えていかなかればならないだろう。そのなかで日々の後進育成という職務をまた後回しにしてはならないだろう。
 現在管理職から経営陣の立場にある40代や50代の人間は新人時代は先輩社員や上司にくっついて仕事を覚えてきた人間が多いだろう。ときに鬱陶しいと感じながら先輩社員の武勇伝なり失敗談を聞かされ、あるいは自分がミスをしたときの詫びの入れ方、取り返し方を自分の代わりに頭を下げる上司の背中を見ながら学んだというパターンだ。これらの良し悪しは当然あるが、上司・部下、先輩・後輩が常にそばにいるから可能だったということだ。しかしその前提がなくなったら?

「在宅勤務が当然の職場」に応じた後進育成のためのスキル(といってよいのか?)が管理職や後進育成担当者に自然に身に付くわけではない。それは企業法務部門においても例外ではないだろう。この時期法務系の雑誌は担当者向けの「自己研鑽系」記事が掲載されることはあるが、法務部門管理職に向けた記事は少ない気がする。(知らないだけかもしれない。)
 職場(職務)環境がガラリと変わる今、必要なのは後進育成スキルアップ(チェンジ)ではないか。

 と、本誌記事とはあまり関係ないエントリーになってしまった。








 

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2020年05月06日 16:45

 土日を除き公休日として休めたのが2日程度だが、先週土曜は自宅からWeb会議参加していたので休めたうちには入らないので、GWといってもピンと来ない。マスクを着け生活必需品を買いにふらりと近所に出かけても緊張と弛緩とが織りなす奇妙な空気を感じる。
 明日以降は緊急事態体制を継続する地域とそうでない地域とに分かれていく。全国に出先を持つ企業はまた悩むところであるが、地域ごとの情勢にあわせていくよりないだろう。(無論従業員の安全が第一ではあるが )
 しかし全社的に宣言前、自粛前の「元通りの姿」に戻すのかという話。

 ビジネス書といわれるものから少し距離を置いていたのだが、業務上「組織運営」についても関わるので、たまには新しめのものを読もうと思って購入したのが「ティール組織」(英治出版)。
 まだ途中なのだが、第Ⅱ部第2章「自主経営/組織構造」第3章「自主経営/プロセス」に差しかかり何となく既視感に包まれてきたのだが、232頁に4行ほどでさらりとオルフェウス室内管弦楽団に触れられていたところで、既視感の正体はこれかと思った。
 指揮者のいないオーケストラ、オルフェウス室内管弦楽団のマネジメントやそのプロセスについて触れたのは10年ひと昔とすればふた昔前の2002〜03年頃で、管理職候補向け研修カリキュラム作成と社内講師養成に参加していたとき。当時は「組織のフラット化」や「部門横断型プロジェクトマネジメント」に適したマネージャーの養成が目的だったが、旗振り役の人事部門長が受講者の課題図書として推してきたのが、オルフェウス室内管弦楽団のディレクターが著した「オルフェウスプロセス」(角川書店2002年刊、絶版かな?)であった。指揮者がヒエラルキーの頂点に立つオーケストラで、指揮者不在でなぜ破綻することなくむしろ素晴らしい演奏ができるのか。どのようなプロセスでそれを実現させてきたのかという内容。「ティール組織」を中断して10年ぶりぐらいに本棚から引っ張り出して再読した次第。

 環境が変わりルールが変わる、だから組織もマネジメントも変えないとね、というのは繰り返し盛り上がる話題だ。その内容は多少装いや用語を変え、成功事例の企業のいくつか入れ替えがあるにせよ、本質のところは繰り返しということもままある。ただ同じことが繰り返されるということは、それらが説かれても「現実のもの」になっていないことの裏返しでもある。
 今回のコロナウイルス禍のあとでも同じことが繰り返されるか。

 突貫でテレワーク体制を引いた企業が多いことだろう。実際、アナログな所属業界も今回ばかりは舵を切った。メリット/デメリットは当然つきものである。前者の代表的なものはテレワークなどで得られる効果(例えばコスト低減)、後者は業務実態と従来型マネジメントとの齟齬ではないだろうか。ただ得られる効果を犠牲にしてまで、従来型マネジメントに戻すことにこだわる経営陣はいないと思う。
今回は「組織を進化させる」を現実のものにできるか、そんなことを考えながら再び「ティール組織」を読むことに戻っている。

 人事部門長が受講者の事前課題図書に推していた「オルフェウスプロセス」は、社内講師(30代半ばから40代初めの6名)で協議した結果、事前課題図書から外した。「自主的」な研修運営の結果と捉えてくれたかは訊かず終いである。






 


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2020年04月29日 23:58

 「非日常」が「日常」にすり替わり、なすすべもなく月末を迎える。

 ビジネス法務2020年6月号の走り読み。特集「企業法務の周辺学」。新人弁護士・法務部員向けの記事らしい。
 本題とは関係なく、まず「周辺」なのか、それとも「周縁」なのかというのが気になってしまって余計な調べ物をしてしまった。「周辺」「周縁」にしろ「中心」が対語となるのだから、企業法務の「中心学」とは何になるのかという、これまた余計なことをぐずぐずと考えてしまった。
  中心と周辺とに分ける以上(企業法務の仕事の)中心と周辺とを分ける「縁」がどこに引かれているか?その位置は企業によって異なるのはいうまでもないだろう。全ての企業法務に共通する「縁」はないが、「縁」に接している公約数的なものが「税務」「会計」だと割り切ったのだろうか
もちろん税務・会計に関する一定の理解は必要だが、たとえば労務など他に取り上げてもよい分野はあるように思った。
 他部門の業務に関することだけが「周辺学」ということではないだろう。冒頭のユニ・リーバの小林氏の稿のⅢとⅣで触れられているが「日本語力」や「一見法律や法務とは関連しそうにない知識や経験」を「縁の外」から「縁の中」に取り込むことが大切ではないかと思う。

 自分が思った「周辺学」について。
 新人の企業法務担当者が突き当たるのは、「法律なんて細かいことは気にしていられないよ」「もう了解しちゃったよ、この条件」「今すぐ法務の見解をちょうだい」といった猛者を相手にしなくてはならないこと、あるいはうまく回って当然、労多く報われることの少ない仕事に心折られることであろう。どうやって相手に自分の意思をうまく伝えるか、リーガルリスクを小さくするための望ましい行動(交渉)をしてもらうにはどうしたらよいか。自らのモチベーションをどうやって上げるか等、行動心理学やコミュニケーション学、セルフマネジメントの分野も「周辺学」と思う。人との接し方、交渉ごとは理論だけではうまく回らないないことが多いとは思う。それでも理論を知っていることで、少しは余裕なり自信をもつことにつながるかもしれないので。

 今回はこんなところで。当面早出のシフト出勤(在宅勤務って何のことやら)。
 
 
 


 





  

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