2015年06月27日 13:03

 松本隆氏の作詞活動45周年トリビュート「風街であひませう」を手に入れました。
「限定」ということばに弱い自分は「完全生産限定盤」のほうをついポチっとしたのでした。
カバー曲集である「うたう」と歌詞の朗読集である「よむ」のCD2枚構成です。

 45年と数字だけみると「長いな」の一言で済んでしまいそうですが、アグネス・チャンの「ポケットいっぱいの秘密」や太田裕美の「木綿のハンカチーフ」がテレビやラジオから流れているのを耳にしていた小学生がいまや50代に突入しているといえば、その歳月の長さというか重みがわかると思います。
ガキの時代から大人になるまで、歌手の好みは別にして松本氏の歌詞がずっと身の回りにあったのだといまさらながら思った次第。

 自分にとってのツボを少々。
「うたう」はやはり最後の細野晴臣御大のうたう「驟雨の街」。「埋もれていた」はっぴいえんど時代の曲。今回詞に手を入れなおしたそうですが、ギター:鈴木茂、ドラムス:松本隆!と大瀧詠一の不在が悲しいメンバーで吹き込まれています。はっぴいえんど以外のなにものでもありません。YUKIがカバーした「卒業」もシンガー本人のこの曲に対する思い入れ(ライナーノーツにあります)がストレートに伝わっていると思います。

「よむ」は斉藤工、井浦新、宮崎あおい、有村架純、広瀬すずといった旬の俳優が詞の朗読しています。楽曲を取っ払った歌詞の朗読というのは一筋縄ではいかないと思います。ことばそのものと読み手の力の両方が問われますからね。実際の楽曲が流れた時代に生まれていなかった俳優にとっては、挑戦そのものだったのではないでしょうか。リアル組の太田裕美、薬師丸ひろ子、小泉今日子、斉藤由貴が登場してくる後半が山場ですね。太田、小泉の2人は自分の持ち歌以外を歌詞を選んでいますが、薬師丸、斉藤は持ち歌を朗読しています。斉藤由貴自らが朗読する「卒業」を聴く日が来るとは思いませんでした。
最後を飾るのは作詞家本人による「風をあつめて」。ややぶっきらぼう気味で『ゆでめん』での朗読と重なります。

 80年代すら30年前、歌詞がいっこうに古びないと感じるのは、人の心の「不変」の部分に触れているからなのかもしれませんね。

 それはそうとジャケットの女性のイラスト、味があります。勝手に「ゆびきり」や「水彩画の町」をイメージして眺めています。




  

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2015年06月23日 06:55

 偶然といいましょうか、自分のなかで勝手にシンクロさせていることをつらつらと。
 
【6月21日発売】
 ①季刊住む2015年夏号 特集「時代を住み継ぐ家」
 ②Business Law Journal 2015年8月号
  「法のデザイン 第8回不動産(建物、土地)のリーガルデザイン」
【6月22日】 
 ③野村総合研究所ニュースリリース 「住宅の除却・減築が進まない限り2033年には空家2000万戸超」
 ④読売新聞朝刊の米軍ハウスに関する記事

 「建築ストック」に関する記事・研究ですが、二日の間にばたばたと自分の目に入ってきました。

 ①の特集は昭和の木造住宅や洋館、長屋を住み継いでいく方々の改修工事と住まい方や暮らし方に焦点を当てた記事。改修工事といっても「手仕事系」中心。プロの建築業者を入れるが、住まい手も参画しての改修事例が取り上げられています。
 ③は現在でさえ空家が800万戸以上あるのに、無策だとあと20年もしないうちに空家が2倍以上に膨らむという話。④は以前のエントリでも触れた、FLAT HOUSE STYLEに関連した試みの記事。

 いずれも不動産ストックの利活用に関連したものです。

 住宅行政が「フローからストック」へと旗を振りはじめて、もう何年も経ちますが依然景気指標にあがってくるのは「新設住宅着工戸数」。ストックがあるというのに、着工戸数の増減に一喜一憂する図式は変わりません。そして活路を求めるようにリフォーム・リノベーションと住宅系メディが取り上げてはいるものの、個人的にはいまひとつしっくりこないものを感じています。

 ②の水野弁護士の記事は、隅っことはいえ長らく住宅・建設業界にいるものにとっては多少疑問に思う点もないわけではありませんが、新しい不動産マーケット創造を支える制度なり基準が不十分という指摘はうなずけるものがあります。



 

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2015年06月21日 23:40

 なんでまたモノ好きな、と思われるかもしれませんが、大河ドラマ「花燃ゆ」について。
すでに主人公の知名度が低い、脚本が疑問、視聴率が悪いなど散々なことをいわれていますね。
気がつけばもう折り返しの6月、無事明治維新を迎えられるのか、余計な心配をしたくなります。

 自分の記憶にある大河ドラマ最初の幕末ものは1977年の「花神」。前年の平将門や藤原純友が暴れまくる「風と雲と虹と」と比べると地味だったなと今でも思います。主人公が村医者でしたからね(いや大村益次郎か)

 幕末ものは、薩長、土佐、会津、幕府とどの視点から描くかでまったく違うドラマになります。
 今回は兄:吉田松陰、夫:久坂玄瑞とある意味犯罪人の家族となってしまった主人公がその逆境をはね返してどのように明治を迎えるのかというドラマになるのかと思っていたところ、「寅にい、何やっているの!」と「男はつらいよ」みたいなのほほんとした空気が漂っていて肩透かしを食らいました。また大沢たかおをみてつい南方仁先生と呼んでしまうのは自分だけではないと思います。志士たちも当世のイケメン男優を起用したせいか、皆お行儀よくてギラギラとしたものが感じられないところも心配ですね。
 しかし一方でギラギラとした幕末ものはもう何回も観ているので、脱力系もときにはありかなとも思うのです。特にお父さん犬、もとい毛利公が難しそうな顔をしながら「そうせい」としか命じない場面、もっと味わいがあってもよいのではないでしょうかねえ。

 とはいえ次回あたりはいよいよ蛤御門の変、脱力系とはいえ少しは燃えてみせろと思うのでした。




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