2014年08月04日 06:53

 僕の法務経験は7年半ほどですが、100%子会社、持株会社、再び100%子会社と転職をしたわけではありませんが、ここ数年短い期間で立ち位置が変わりました。(最初は上場企業に就職したはずなのですがねえ、気がついたら会社分割されていた)それはともかく管理される側、管理する側どちらにもいたわけで。

 分割、売却買収の方法を問わず子会社側の関心の上位にくるのは(自分の雇用の継続可否を除くと、ですが)まず「トップ(社長)は誰がやるのか」です。
 もともとの自分たちの組織から社長が出るのか、はたまた親会社から天下ってくるのか、これによって親会社の「支配度」が違う、と考えるからです。
 では親会社はどう考えているのでしょうね。

(1)子会社の社長は親会社にとって一部門の長に過ぎないのだから、当然親会社から送り込む
(2)子会社の社員のモチベーションも大事だから、可能な限り生え抜きの人間を社長にする

 こんなところか、まだあるかな。僕が経験しているのはこのふたつのパターンです。

 (1)はグループ会社管理の点でみればわかりやすいというか、親会社の経営方針、施策を子会社に確実に反映させるためには、確実な方法かもしれません。が、現実はどうでしょうかね。
子会社社長が「一部門の長」なら、親会社の「ポスト」に過ぎません。どういう人物を送り込むかということになると、その子会社のグループ内の位置づけにもよっても異なってくるでしょう。
多分に独断が入っていますが、見聞きあるは経験したパターンは以下。 

①そろそろお役御免になる平取締役、あるいは役員一歩手前の重鎮の最後の花道
②いずれ親会社の経営陣に据える人材の修行コース
③非主流派の取締役の配流先

子会社社長の人選は(親会社の)社内政治的な要因で決定するほうが多いのではないですかね。
そこにどれだけ会社法でいうところの「取締役の責任」「ガバナンス」といった視点が入っているのか
(子会社含む)役員人事について、法務がどれだけ関われるかにもよるのですが、実際のところどうなのでしょうね。

 さて上記の②ならともかく、グループ会社管理上問題となるのは①や③の場合ですね。
 それについては、また次回。


  

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2014年07月29日 07:25

 会社法改正ということで法務系月刊誌がここのところガバナンスやグループ会社管理といったタイトルの特集記事を掲載しています。それはそれで順番に読んではいるのですが、考えてみたら自分の置かれている立場は、上場企業の子会社の法務及び周辺業務担当者。
「どうやってグループ会社を管理するか」というよりも「今度はどんな管理をされるのか、何か変わるのか」という立場にあるのでした。

 前回の会社法改正時、勤務先は今と違う上場企業の子会社であり、僕は法務担当ではありませんでしたが、会社に残っている資料を読む限り親会社が説明会を行ったうえ、微に入り細に入り機関変更の手続き手順や臨時株主総会の議案フォーマット、登記用取締役会議事録フォーマットなどを配信していたようでした。それから8年、今や親会社も変わり子会社の管理方法(というか思想だね)も激変した状況ですので、今回の会社法改正については親会社からいつどのような指示が下りてくるのか、というのが当面の関心事です。
 まあ、上を向いて待っているしかないのか、前もって質問でも投げかけておいたほうがいいのか、ちょっと考え中といったところです。親会社の立場にしてみれば数多ある子会社から五月雨式に質問されても困るはずですし、買収されてまだ日の浅い勤務先が口火を切ることもないかとも思っているのですが。

 法務や会計系の雑誌が上場企業や親会社、小なりとも一国一城の主である中小事業者向けの記事を中心に編集されるのはやむを得ないところ。(上場企業や大規模企業の)子会社は、グループ内でなんとかなるはず、と思われているのかもしれません。しかし「純血」の親会社であってもしっかりガバナンスを効かすことができるかというとそうはいいきれないと思いますし、M&Aを活発に繰り返している買収側の企業がガバナンスを効かすことができているのか、ちょっと疑問に思う瞬間もあります。

 そんなわけで、例によって不定期ですが下から目線で何回か「子会社ガバナンス」について書いてみます。

 (不定期に続く)


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2014年07月24日 06:49

 連休明けはどういうわけか、クレームやらちょっとこじれた案件が発生します。
 
 販売、客相や品質保証部門から「こんなことがあるんですが」と上がってくる時点で、ぶすぶすと煙があがっていて、またそのことに現場が気づいている場合とそうでない場合とがあって、後者の場合は「気づかせる」ところからスタートするので時間がかかります。
 
 トラブルの匂いをかぎつける嗅覚には個人差があって、まあ僕もそんなに鋭いほうではないかもしれません。が、長く仕事をしているので「いつか見た風景、いつか辿った道」が思い浮かぶのだと思っています。「成功」ばかり体験しているわけではありませんからね。

 しかしこの種の嗅覚がベテランにならなければ得られない、というのでも困ります。ちょっとしたトラブルのはずが拡大、炎上し企業の命運を左右するような事件に発展する可能性のある時代です。
「あのとき、なぜ気づかなかったのだろう」と後悔しても後の祭り。最近でも、そういう事例はありますよね。ベ

 クレーム、トラブルの事案をデータベース化して検索できるようにし、対応例を準備しておくというのもひとつの方法です。ただこれもやがてマニュアル化してしまうおそれがあります。

 若くてもこの種の「嗅覚」の鋭い人はいます。なので業務経験の長さに比例して身に付くというものでもないのでしょう。
 
 「嗅覚」が「共有」できるようになればだいぶトラブルは抑えられるかなあ、と思うのですが。

 とりあえず、今朝はこんなところで。
 

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