企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常


わかっていることとやれること

 某化学メーカーの一件は自社のリスク管理、危機管理広報と企業法務の機能のあり方を省みる機会では?というのが今日のお題。

 BtoB企業ながら消費用生活製品を扱っていると、日々製品不良やクレーム、時にクレーマー風の素人への対応は仕事の一部です。プレスリリースに至らなくても、取引先への報告書やら謝罪文書の精査に関わっていて思うのは、その文書を読む側の「次のアクション」を想定できていない人が少なからずいるのだなということ。
 謝罪をはじめ自社の立場を説明しなければならない文書を短時間でまとめるのは容易なことではありません。しかし文書を出す以上は可能な限り「一発で鎮める」ことが最大の目標になります。ときには第2、第3のリリースを出す場合がありますが、そのようなケースでも一発目で「読む側」を自社の立場の理解者に引き込む必要があります。

 件の企業のホームページのニュースリリース一覧を見ると、新製品や技術開発のニュースがほとんどを占めます。業歴が長くこれといった問題を発生させてこなかったBtoB企業はどこも似たような状況だと思いますし、仮にあったとしてもBtoB取引ですから当事者間の協議で解決でき世間一般に公表するに至らないのでしょう。
とはいえこういう時代ですから、法務部門も広報部門も危機管理広報についてまるで知見がないということは考えられませんし、ビジネス法務7月号の「最新SNSリスクの予防と対応」だって目を通しているはずです。
 しかし「わかっていること」といざという時に「やれること」は別物です。こうやってずらずらと書いてはいますが、自分だったらうまく対処できるかはなんとも。

 今回の炎上パターンも危機管理広報の新しい事案としてまとめられるのでしょうけれども、「わかっていること」にとどまらないようにはどうすればよいのか、よく検証しなければならないですね。

 ではでは。

本社の仕事 2019

 以前のブログで同じタイトルのエントリーをあげたのが7年前。経営コンサルタントが本社不要論のような記事を書いていたのに触発されてのことでした。
 当時は本社業務のアウトソーシングの是非・可否が論議になっていたと思うのですがあれから7年。
 AI、なんとかテック系、法務に限らずテック系の話題には事欠きません。本社の仕事、本部の仕事は過渡期の真っ只中にある?

 おそらく法務部門よりも早い時期にアウトソーシングや業務システムを導入したであろう人事部門や経理部門、購買部門を見回してみる。彼ら彼女らは定時退勤しているのか、あるいは部門人員を削減することに成功しているか。「目先の業務」から解放され「中長期的な」業務に取り組むようになっているでしょうか。

 いわゆる本社・本部部門の業務に就いて10年以上が経過したものの、販売子会社出向時代にメンバーからいわれた「3年後、5年後の夢をみせてくださいよ」という言葉に未だ応えることができていません。一方でリスク管理や監査業務をしていると中長期的な課題よりも「今、目前にある問題」を解消しなければならないものが多いのも事実です。
 経営環境が厳しくなると「本社部門を小さく」という現場からの声が大きくなります。本社・本部は現場が業務に専念できるように!と経営者からも檄が飛びます。「小さな本社」でかつタイムリーに現場対応ができるようにするにはどうすればよいのか。テック系の導入はこの課題の解決策に最終的には結びついていくとは思っていても自分自身未消化のままです。
 
 雑破にいってしまえば、「本社の仕事」のデザインのやり直しの時期だとわかっているのですがね。
リーガルテックからの一点突破ができるか、法務一筋では生きていない自分からすると、まだいくつかコマが必要かなとモヤモヤとしているのが正直なところです。
 

制裁 

 なんとも形容しがたい事件の報道。今日の事件に限らず弱い存在が犠牲になる事件が多いですね。
被害者の心情を一切無視するかのようなマスメディア。そのマスメディアを叩く識者。どのような立場、見識を持ち合わせているのかわからないがインターネットで己の存在を示そうとする者、これまたそれを叩く無数のネットの声。
 これらの行為が誰かを煽り、追い詰め次の事件のタネを蒔いている可能性があるのではなかろうか?



 今日の報道で思い出したのは北欧ミステリー「制裁」。
何か具体的なことを少しでも書くと即ネタバレになってしまう作品。
ミステリーといいつつ、冴えた謎解きもなく読後の爽快感とは無縁。加害者が起こす犯罪やそのさいの心理描写は正直不快なもの。被害者の家族の心情は痛ましいの一言に尽きます。そして被害者の家族のとった行為の結果に便乗していく世間。便乗していく世間が最も醜悪だし恐ろしい。

 もうやめよう。 

 亡くなった方のためにただ祈る夜にしよう。
 
 


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