2019年12月15日 17:53

 カレンダー企画の案もまとまらないのだが、エントリーの間隔が空くのもあれなので購入書籍の記録として。

 2012年の初版以来、書棚での存在感を示してきた「与信管理論」(リスクモンスター㈱編 商事法務)の第3版が刊行されていた。第2版が2015年なので4年ぶりの改版。  
 日常業務範囲から債権管理は含まれていないが、何かあればこちらにお鉢は回ってくるし債権管理部門から相談を受けるときもある。こちらの手元に置いておくよりも、その部門のデスクの上に鎮座していてほしい書籍だと思う。 
 改版の内容をざっと目次で確認すると、当然のことながら改正民法関連。 
  •  「第5章 契約と担保」:保証人に対する情報提供義務 の追加
  •  「第6章 時効管理」 :第2版まで「時効の中断」→「時効の完成猶予および更新」
 業界のすそ野が広いため中小以下の売掛先取引に人的保証(経営者保証)をつけているケースが多いのだが、稀に第三者が連帯保証人となっているケースがあるので要注意の項目。担保については取引保証金差入に切り替えていこうと債権管理部門とは話はしているが、この動きを早めたほうがよいだろう。
 取引(だけではないが)に関して、改正民法の「時効」は債権管理部門や実際に売掛をもつ販売担当者、買掛をもつ調達担当者には理解しておいてもらおうと改めて思う。

 改版では「第4章 定量・定性・商流分析」に「反社会的勢力との取引管理」の項を追加している。
 例の「定義できない」云々話は本当に厄介で腹立たしい。企業は無理・困難・面倒を承知で時間をかけてなんとか定着させてきたのである。あの話にはかかわらず、取引開始前の信用調査、契約書での反社条項は削除しないし、取引にあたって保証書、誓約書の取り交わしは継続する。

 上記以外では、「第1章 与信管理の基礎」に「専門サービスや最新情報技術の有効活用」の項が追加されていた。アウトソーシングの活用のほかにRPA、AIの活用についてわずかなスペースではあるが言及されている。次の版ではどうなるか。

 この本を通読するには財務会計、税務、法務に関する一定の知見が求められる。「これを読んで勉強しなさい」と取引部門に渡して終わり、という内容ではない。債権管理部門、法務が取引部門に対して債権管理の勉強会などを行う場合の「原液」になると思う。どこまで薄めるか、何を混ぜるかは企業や部門によって異なると思うし、薄めるにも混ぜるにも当然知見、経験が必要ではあるが、債権回収に多少なりとも関わる企業法務担当者であれば、一度は手に取ってみる書籍ではあると思う。
 ただし安くはない書籍なので債権回収部門と負担割合を決めて購入かな(極めてサラリーマン的締めで失礼)




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2019年12月07日 23:37

 カレンダー企画出番が迫るが、その前に1ヶ月以上更新していないのでリハビリが必要。で、埋草的エントリー。

  ここのところのSNSのタイムラインやブログ記事を読んでいて、ふと頭の中に蘇ってきたのがエントリータイトル。造注(ぞうちゅう)。当然造語。建設界隈でバブルが爆ける前に盛んに使われていた言葉である。建設業界はたとえ大手であっても基本的には「請負」の世界で発注者から「仕事を請ける(受注)」構造にあった。「請け負け」とも揶揄されるように、契約者対等の精神などどこの世界の話かというところだった。80年代半ば前後の空前の「不動産開発ブーム」のなかで、「仕事が来る、請けるのを待つだけでなく、(建設業者が)自ら事業を企画し、新たに注文を造っていこう」というムーブメントが起こった。多くのゼネコンに「設計」「購買」「建設」といった部門に加えて「都市開発事業部」や「事業開発本部」なる部門が生まれて「注文を造って」いった。当然多重請負の末端に近い納入・施工業者だった我々もその波に遅れまいと日夜駆けずり回ったものだ。しかしそれは長続きしなかったし、大きな代償を払う羽目にもなった。

 仕事を請ける一方だった側が自ら企画し、または仕事を発注する側と一体になって新たな仕事を生み出そうとした発想に誤りはないと思うし、「造注」ほどのものではないが90年代後半以降「御用聞き営業から提案営業へ」と販売部門がスタンスを変えようとしたのも根底の部分は同じだと思う。
そして、バックオフィスやその業務の受託側である士業の昨今の動きについても同じような印象を持っている。

 「最初の志は正しくても状況や運用によって、本来の目的から外れていくことがありますよね。」というのは事業者団体活動のある事情について公取委に相談したときに担当官からやんわりといわれた言葉だが、これは何事にも共通するのではないだろうか。

 バックオフィスが「生産性」や「貢献度」を意識することは大事だし、組織内のプレゼンスを高めようとするのは否定しない。ときにアピールしなければならないことも承知している。が、そもそもの志はどこにあるのか。その方法や手段にブレは生じていないか。邪な計算をしてはいないか。常に自覚し疑いを持つことも必要ではないかと思う。

 諸々の動きについてのぼんやりとした不安からのぼやき。
 
  

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2019年11月06日 07:30

 ほぼ半月ぶりのエントリーとなってしまった。といってネタのストックを貯めているわけではないので
今日は製造業関連の話題にさらりと触れてお茶を濁そうと思う。

 製造業の11月といえばまず「品質月間」(主催:日本科学技術連盟、日本規格協会、日本商工会議所)
勤務先も品質保証部門がポスターを購入して社内の製造拠点中心に啓発しているが、ここ最近は営業拠点にも掲示し、メッセージも社内イントラに掲載するようにしている。今年からどういうわけか品質保証部門が自分の管掌範囲になってしまったので、メッセージを慌てて作成して経営トップ名義で掲載した次第。
 主催団体が定めた今年の標語は「みんなでつくる つなぐ お客様の笑顔」と過去の標語と比べるとぐっとソフト寄りになった。
 勤務先の場合、取引形態はBtoB、しかし製品は消費者が直接手を触れ使用するものなので品質が企業の生命線といってもオーバーではない。品質に対して従業員の意識を高く保っておく必要がある。
 昨今の企業の品質問題は偽装や隠蔽することを是としてしまった企業経営が問題となったわけで、品質問題はモノづくりの現場だけが取り組めばよいということではなくなってしまった。消費者のもとに届くまでのすべての過程の「質」が問われることを考えれば、シンプルでソフトではあるが今年の標語は品質への取り組みの本質を示しているのではないだろうか。
 品質向上は技術開発や製造部門だけの課題ではありませんよ、販売部門においては商談や販促物の内容、施工部門も品質を問われますよね、今月は自分の仕事の品質について考える機会としてくださいと朝礼でも本社社員の前で話をしたのだが、ブーメランにならないようにしないといけないね。

 もうひとつは「製品安全総点検月間」(経済産業省)
 製品を安全に使用するための周知月間なのだが、11月は家庭で冷暖房機器の切り替えのはじめ半年ぶりに家電製品やガス・石油機器を引っ張り出して使用を始めるタイミングにあたる。機器の状態を確認したりコンセント回りの清掃を行い火災などの重大製品事故を発生させないように、ということである。またこの機に自宅に「リコール対象製品」がないかも確認してもらえると大変助かる企業が多いと思う。
ぜひお願いしたいところである。(業界団体の立場)



 

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