企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常


火災事故についての雑感

 米国大統領選挙関連で、様々なニュースやその続報がすっ飛んだ感じがするので、メモ代わりに。

 某イベントでの展示物の火災で小さな子どもさんの命が失われた事件について。

 「最近の若い(建築学科出身の)社員は、建設現場の仕事につきたがらない。嫌う。設計ばかり志望する。」と大手ゼネコンのとある現場所長の嘆き。現在の話ではなく、20年ほど前の話。

 しがない下請業者の営業マンですら、建設現場の「安全」に対する徹底ぶりは身にしみています。
建築物というのは完成後の利用者の安全は当然ですが、施工中の従事者や第三者(現場付近の通行人など)の安全確保も必須、大前提にあります。
 展示物だから、デザインスタディだから、(結果として)安全までは配慮が行き届きませんでした、ということでは建築の最も大事な「安全」をおろそかにしていると思われても仕方がないのではと思った次第。今回の展示はガラスケースの中に飾るものではなく展示物の内部に人を招き入れるのですのでなおの事だと思います。
 冒頭の現場所長の嘆きを思い出したのは、当時「最近の若い者」と嘆かれた人たちが40代を迎え、若手指導に当たったり、場合によっては学校で教鞭をとっている可能性があるかもしれないと思ったからです。

 白熱灯が熱を持つことを知らないなんて、という声がネット上で溢れていました。
まあ、そんなものだろうなと思っています。メーカーがどんなに詳細に取扱説明書や保証書に書き込もうが、なかなかそれが実らないのが実態です。
若い人が知恵、知識を生活の中で身につける機会が減っているのかもしれません。点灯している白熱球を触ればわかることですが「安全設計」された製品は、ユーザーが電球に触れないように作られているかもしれませんしね。
子供の頃からの消費者教育という話も浮かんだのですが、今回はそこまで膨らませることはしません。

 すっかり報道されることがなくなりましたが、いろいろな確度から考えるべき事故だと思いました。

 雑感でした。

 

売れればよいのか (下から目線で再び) 

 また売られるわけではありません。まあ、少し前に話題になったTBOに関して思ったことの断片。

 上場企業に入社したばかりの頃は、自社の株価が上がっていくことはマーケットが評価してくれたのだろうと単純に思っていました。幸せなものです。
 20年後、勤務先の株式譲渡が決定したとき、売却予定価額の高さに唖然とさせられました。その何年か前に吸収合併された上場同業者の価額をはるかに上回っており、何がどうしてこんな価額になったのだろう、その価額で買おうという買主は何を考えているのだろうかと。

 事業会社による買収は対象会社や事業をいずれ一体化するのですが、(長期ホールドが目的でない)投資ファンドによるものは概ね5年以内に「出口」がやってきます。取得時の株価が出口戦略の足かせになる可能性もはらんでいるわけで。
 投資家からすれば高い目標を掲げ対象会社の経営に携わり短期間で企業価値を高めてもらえればそれに越したことはありません。対象会社も短期間で急成長できれば良いのですが、さて。

 IPO準備の際に主幹事証券の公開業務担当者からいわれたのは
「あまりに冒険的な事業計画だけでは投資家は評価しませんよ。年次計画を確実に達成し徐々に右肩あがりの事業計画を策定することです。」
 出口に向かって下駄をはかせた事業計画は、見る人間が見ればすぐに「実態と乖離」とばれてしまいます。

 対象会社側も、自分が所属する事業領域の成長性や自社の立ち位置、実力値はわかっているものです。
根拠に乏しい買値を付けられると、その大株主に対する信用というか信頼というものは生まれない、何を仕掛けてくるのだろうと警戒心を抱くだけになります。

 売れればよいのか、高ければよいのか。
「そうとは限らない」ときっぱり回答できればよいのですがね。


  

拾い読み Business Law Journal 2016年12月号

 月刊誌は早くも12月号、そんなに焦らさないでといいたくなります。

 BLJ、12月号です。
 特集「改正個人情報保護法全面施行への準備」は後回しにして、気になる連載から。

 今月号から連載の「エモーショナルコンプライアンスの理論と実践」(増田英次弁護士)
 エモーショナルとコンプラ、リーガルと一見馴染みそうにない組み合わせのタイトルですね。
 連載初回なので、まず本連載のコンセプトといったところでしょうか。
 以前、コンプラ坊主の憂鬱といったエントリーを書いた記憶があるのですが、とかくコンプライアンスは従事者自身が憂鬱になるケースが多いもの。時間外労働の実績をまとめ、交通事故発生報告を読み、休業災害報告を受け取る等、そもそも事務局サイドが定型業務に陥りがちで、委員会をひらいても現場に改めて落とし込めるかとなるとどうも実感として掴めない(などといったら身も蓋もないのですが)
 事務局も現場も「やらされ感」たっぷり、他人の都合に合わせさせられる、まあ他律的といえばいいコンプラをいかに自律的なものにするのか、ということを取り上げていくのでしょう。

 ざっと読んで、以前所属していた企業グループで講師を担当していた中間マネジメント層対象の研修のカリキュラムと重なる部分が多いと思いました。問題のあるメンバーに対してルールを守らせる、アメとムチを使い分けるというマネジメントから「人(の感情)」そのものに焦点を当て、「やらせる」のではなく「自らやるようにする」マネジメントを、ということで行動心理学(パフォーマンスシステムだったかな)と交流分析の要素を取り入れたものでした。本記事の第Ⅱ章、第Ⅲ章あたりはそのカリキュラムの根幹とほぼ同じかもしれません。

 部下、メンバーという個人に対するアピローチともう少し大きな組織に対するアプローチとでは異なる部分が当然あります。次回以降、どのような局面を取り上げていくのか注目したいと思います。
 とりあえず今回はここまで。
 みなさん、良い週末を。






 
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