企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常


嗅覚 

 連休明けはどういうわけか、クレームやらちょっとこじれた案件が発生します。
 
 販売、客相や品質保証部門から「こんなことがあるんですが」と上がってくる時点で、ぶすぶすと煙があがっていて、またそのことに現場が気づいている場合とそうでない場合とがあって、後者の場合は「気づかせる」ところからスタートするので時間がかかります。
 
 トラブルの匂いをかぎつける嗅覚には個人差があって、まあ僕もそんなに鋭いほうではないかもしれません。が、長く仕事をしているので「いつか見た風景、いつか辿った道」が思い浮かぶのだと思っています。「成功」ばかり体験しているわけではありませんからね。

 しかしこの種の嗅覚がベテランにならなければ得られない、というのでも困ります。ちょっとしたトラブルのはずが拡大、炎上し企業の命運を左右するような事件に発展する可能性のある時代です。
「あのとき、なぜ気づかなかったのだろう」と後悔しても後の祭り。最近でも、そういう事例はありますよね。ベ

 クレーム、トラブルの事案をデータベース化して検索できるようにし、対応例を準備しておくというのもひとつの方法です。ただこれもやがてマニュアル化してしまうおそれがあります。

 若くてもこの種の「嗅覚」の鋭い人はいます。なので業務経験の長さに比例して身に付くというものでもないのでしょう。
 
 「嗅覚」が「共有」できるようになればだいぶトラブルは抑えられるかなあ、と思うのですが。

 とりあえず、今朝はこんなところで。
 

ベネッセ会見に思う

 ここ数日の話題から。

 ベネッセが2回目の会見。
 金銭補償ゼロから200億円の枠取りを決定した、その変化点は何だろうかと。

 業界と事故の種類は違えど、かつてリコール会見に関わった身からみて1回めの会見時点で危ない橋を渡ってしまったなと思っていたのですが、やはりこのような道を辿ってしまったかと思うわけです。
 事故、不祥事に関わる公表は、必要があれば続報するもののメインのものは1回で決めなければ、ずるずるとレピュテーションを下げ続けることになりかねません。だから、対象規模、原因、対策、対策の周知方法などの確定のためにある程度時間をかけます。スピードは要求されますが、拙速では意味をなさないのです。ベネッセもそのあたりのことは充分承知されていたと思うのですが。

 とにかく金銭補償対応すると公表したものの、補償対象をどのように決定したのでしょうか。カネボウの事故の事例でも疑問を感じたのですが、 あの事例は現に健康被害が発生していましたので治療費など算定のベースになるものはあったのでしょうけれど、今回はどうなのでしょうね。
「将来にわたって子供の個人情報が使われ続けれる」「得体の知れない業者が自分の情報を持ち続けている」から「気味が悪い」「これから何かあったらどうしてくれるんだ」となって「誠意をみせてほしい」という保護者あるいは本人の要請に応えていくことになると思います。対象者一律補償とするのか、それとも個別対応を想定するものがあるのか不明ですが、急ごしらえの交渉窓口の応対次第ではさらにこじれる恐れもあります。
 
 厳しいですね。
 
 企業のリスク管理という点で引き続き動向をみていきたい事例です。

 しかしこういう消費者問題で難しいのは、企業の責任を問い続ける事自体はその通りなのですが、その企業を根こそぎ倒してはならない点。まさか今回の200億円でベネッセがひっくり変えることはないとは思いますが、当事者企業が倒産してしまっては結局消費者は救済されないままになってしまいます。企業憎しでは解決しないと思うのです。

 では今回はこんなところで。
 







 

このブログについて

 この度、他の場所からこちらに引っ越してまいりました。 

 前の場所は、企業法務担当になってわずか数年の間の起こった勤務先のあれこれと、自分の人生の迷走ぶりを書き残しておくことを目的にしていました。

 2年かけて不定期ながら書き続けていたテーマを今年6月をとりあえず終了させ、正直少し気が抜けていました。
 しかしよくよく読み返してみると気が抜けるほどの渾身の出来映えでもない、「迷走」状態が解消したかといえばそんなこともない。一方、勤め人としての残り時間はまだ残っているとはいえ、30代の人と比べれば圧倒的に少ない。ぼやっとしている間にも砂時計の砂は遠慮なくどんどん落ちているわけです。

 いかんな、このままでは。

 ということで、一度生じた惰気を吹き飛ばすためにも少し環境を変えてみようと、こちらの環境を選びリスタートすることにしました。

 ブログで取り上げる内容は、企業法務に関する事柄にしたいと思うのですが、数多いらっしゃる法務ブロガーに到底太刀打ちできるわけがありません。最新の情報、冷徹な分析、斬新な切り口といったものは先達の法務ブロガーの方にお任せし、相変わらず様々な事情に翻弄される企業法務の日常が主な内容になると思います。
 
 肩の力を抜いて、お付き合いいただければと思います。
 
 

 

 
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