企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常


欠けたピース、欠けていくピース

 リスク管理、というほどのことでもないのですが、ここ2週間ほど過去の案件やその際の対応を調べることが続いたので。広い意味でのリスク管理かな。

 当然僕が知っているものとして役員や他の部門長から問い合わせが入るのですが、僕が法務に異動してくる前の案件については短時間で回答できません。書庫にもぐって過去の取締役会、経営会議その他の書類をがさがさと探してこなければなりません。(そのくらい前のことということで)
 決議機関に付議した案件が議事録、資料が保管されてはいます。 しかし議事録は会議の経過すべてを記録しているとは限りません。決定したことのみ簡潔に記録してあることのほうが多いので、資料と対比しながら読んではみるものの知りたい情報にたどり着かず、結局当時の関係者に確認し回ることになります。しかし年月が経過していれば、当然既に定年退職を迎えた人がいます。ましてここ数年のいろいろと苦しい期間中に人が散ってしまった経緯がありますので、「関係者が残っていない!」ということもあるのです。(大概のことは後任者に遺されてはいるのですが)

 議事録や保管書類はその案件のある瞬間を切り取ったものに過ぎません。それで充分、ということの案件が多いとは思いますが、すべてがそうとは限りません。議事録に残すまでの経緯のほうに意味があることがありますし、その案件に費やした「時間」や「現場感」を共有した者でないと理解できない部分があります。本当はそうしたものも後任者になんとか残していかなかればならないのですが、最小人数体制だとそれもなかなか叶いません。過去の案件について僕が困ったのと同じようなことが、いつか僕の後任者も味わうことになるかもしれません。過去の案件をよく知ることもリスク防止になるはずなので、これではまずいのですがね。悩ましいところです。

 まあ、歳とともに自分の記憶もあてにならなくなるので、ブログという外部記録媒体の利用を始めたというのもあるのですが。
 
 

子会社はつらいよ? 下から目線でなんちゃら 2

 僕の法務経験は7年半ほどですが、100%子会社、持株会社、再び100%子会社と転職をしたわけではありませんが、ここ数年短い期間で立ち位置が変わりました。(最初は上場企業に就職したはずなのですがねえ、気がついたら会社分割されていた)それはともかく管理される側、管理する側どちらにもいたわけで。

 分割、売却買収の方法を問わず子会社側の関心の上位にくるのは(自分の雇用の継続可否を除くと、ですが)まず「トップ(社長)は誰がやるのか」です。
 もともとの自分たちの組織から社長が出るのか、はたまた親会社から天下ってくるのか、これによって親会社の「支配度」が違う、と考えるからです。
 では親会社はどう考えているのでしょうね。

(1)子会社の社長は親会社にとって一部門の長に過ぎないのだから、当然親会社から送り込む
(2)子会社の社員のモチベーションも大事だから、可能な限り生え抜きの人間を社長にする

 こんなところか、まだあるかな。僕が経験しているのはこのふたつのパターンです。

 (1)はグループ会社管理の点でみればわかりやすいというか、親会社の経営方針、施策を子会社に確実に反映させるためには、確実な方法かもしれません。が、現実はどうでしょうかね。
子会社社長が「一部門の長」なら、親会社の「ポスト」に過ぎません。どういう人物を送り込むかということになると、その子会社のグループ内の位置づけにもよっても異なってくるでしょう。
多分に独断が入っていますが、見聞きあるは経験したパターンは以下。 

①そろそろお役御免になる平取締役、あるいは役員一歩手前の重鎮の最後の花道
②いずれ親会社の経営陣に据える人材の修行コース
③非主流派の取締役の配流先

子会社社長の人選は(親会社の)社内政治的な要因で決定するほうが多いのではないですかね。
そこにどれだけ会社法でいうところの「取締役の責任」「ガバナンス」といった視点が入っているのか
(子会社含む)役員人事について、法務がどれだけ関われるかにもよるのですが、実際のところどうなのでしょうね。

 さて上記の②ならともかく、グループ会社管理上問題となるのは①や③の場合ですね。
 それについては、また次回。


  

子会社はつらいよ? 下から目線でなんちゃら1

 会社法改正ということで法務系月刊誌がここのところガバナンスやグループ会社管理といったタイトルの特集記事を掲載しています。それはそれで順番に読んではいるのですが、考えてみたら自分の置かれている立場は、上場企業の子会社の法務及び周辺業務担当者。
「どうやってグループ会社を管理するか」というよりも「今度はどんな管理をされるのか、何か変わるのか」という立場にあるのでした。

 前回の会社法改正時、勤務先は今と違う上場企業の子会社であり、僕は法務担当ではありませんでしたが、会社に残っている資料を読む限り親会社が説明会を行ったうえ、微に入り細に入り機関変更の手続き手順や臨時株主総会の議案フォーマット、登記用取締役会議事録フォーマットなどを配信していたようでした。それから8年、今や親会社も変わり子会社の管理方法(というか思想だね)も激変した状況ですので、今回の会社法改正については親会社からいつどのような指示が下りてくるのか、というのが当面の関心事です。
 まあ、上を向いて待っているしかないのか、前もって質問でも投げかけておいたほうがいいのか、ちょっと考え中といったところです。親会社の立場にしてみれば数多ある子会社から五月雨式に質問されても困るはずですし、買収されてまだ日の浅い勤務先が口火を切ることもないかとも思っているのですが。

 法務や会計系の雑誌が上場企業や親会社、小なりとも一国一城の主である中小事業者向けの記事を中心に編集されるのはやむを得ないところ。(上場企業や大規模企業の)子会社は、グループ内でなんとかなるはず、と思われているのかもしれません。しかし「純血」の親会社であってもしっかりガバナンスを効かすことができるかというとそうはいいきれないと思いますし、M&Aを活発に繰り返している買収側の企業がガバナンスを効かすことができているのか、ちょっと疑問に思う瞬間もあります。

 そんなわけで、例によって不定期ですが下から目線で何回か「子会社ガバナンス」について書いてみます。

 (不定期に続く)


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