企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常


子会社はつらいよ? 下から目線でなんちゃら 3

 会社法まわりのエントリーになっているのか、疑問だけども続きです。
 
親会社から社長が次の事情で遣わされてくる場合

 ①お役御免直前の最後の花道 
 ③非主流派の配流先 

 どちらも子会社生え抜きの従業員にとっては、斜に構えざるをえないのは致し方ないところ。
人間だもの。

  ①の場合は、本当にその人物の人間性が出るというか。
親会社での過去の栄光(あれば、だけども)を振りかざすか、振りかざさないけれど自分の人脈でなんだかなあ、という仕事を引っ張ってくるか(悪気はないのだろうけれど)、子会社の事業に通じていなければ会議のたびに見当違いの指示が下りてくるとか、まあそんなエピソードには事欠かないのではないでしょうかね。生え抜き従業員との溝は埋まらず、そして2、3年後子会社を去っていく。
生え抜きの多くはこう思います。
「なんで俺らの側からトップが出ないんだ。俺らの仕事をよくわかっている人でないと、やる気が出ない」

 ②の場合は、古巣への愛憎半ばする言動や行動で、場合によっては社長本人だけでなく子会社の運命もを左右する可能性があります。
 「よくいってくれた!」というときもあれば、子会社の人間からみても「え、それはさすがにまずい」ということもなくはありません。子会社の誰かが火消しに追われることになります。

 実際のところ、会社法の世界とはかけ離れた次元の話が繰り広げられるわけで。

 では、子会社従業員待望の生え抜きがトップに就けば万事うまく収まるのかというと、そうとは限らないというのが経験上正直な感想。親会社への屈折した感情が災いした部分があったと思います(謎

 しかし、親会社からみて天下りだろうと生え抜きだろうと社長ひとりが原因で子会社経営ひいては子会社管理体制が揺らいではたまったものではありません。
 
 そこで子会社の「取締役会」の構成をどうするかということになります。(続く)

 補足が必要ですね、たぶん。




 

「しんがり」を駆って出られるか

 時期としては今更感漂うネタですが、「しんがり 山一證券最後の12人」をようやく読了しました。
2ヶ月くらい前に購入はしていたのですが(昨秋出版の書籍だというのに)、どうも読む気力が沸かなくて積んでおいたのでした。
「企業の終焉」というものを考えてみる、いやそれが勤務先がそうなるとは考えたくないことですが、「メメント・モリ」という言葉もありますので、まあ読んでおこうと。

 関心があったのは、「殿軍」をどういうメンバーが務めたのかということでした。
冒頭、登場人物(殿軍)の12名の名前とセクションが紹介されているのですが、非エリート、場末と呼ばれる業務監査部門が中心メンバー。破綻の原因が原因ですし、その真相解明に監査部門が中心となるのは当然としても、法務部門の人間はひとりもいませんでした。経営責任を明らかにしようとする監査部門に対して、取締役、取締役会側の立場に身を置く、ということだったのでしょうか。といって対抗勢力として登場することもありませんでした。あれほどの事件において法務担当はどのような役割を果たしていたのでしょう?? 僕としてはそこが知りたかったのですが。

 事件、不祥事が原因でなくても、企業がその終焉を迎えることはあるわけで。
消滅していく企業の法務や財務の人間はどのような心持ちで身を置くのか、また社外からどのような眼で見られるのでしょうね。
 「ぐずぐずしていないで、さっさと転職活動を!」というのは、若い社員には当てはまりますが、管理部門のそれも管理職がそれで済むものでしょうか。済まされないだろうなというのが僕の感覚。
 「勤務先が傾きつつあるとき、あなたは何をしていたのですか?」「なぜ前の勤務先は潰れたのですか」と問われ、若い営業担当が「さあ、僕もよくわからないんですよ」と答えてもそれで済むかもしれませんが、法務部門を預かり取締役会の事務局まで担当していた人間が「よくわかりません」と答えるわけにはいかないでしょう。それにはやはり終焉の場に立ち会っていなければ答えられません。
また、さっさと逃げた法務責任者が果たして他所で信頼を得られるでしょうか。

 本来本軍を安全な場所まで逃がすための「殿軍」、企業の終焉のときは何を守るのか、割にあわない仕事であることに間違いありません。それでも駆ってでて務めざるをえないだろうなあと思ったのでした。

 そんな日が来ないことを祈ってはいますが。

欠けたピース、欠けていくピース

 リスク管理、というほどのことでもないのですが、ここ2週間ほど過去の案件やその際の対応を調べることが続いたので。広い意味でのリスク管理かな。

 当然僕が知っているものとして役員や他の部門長から問い合わせが入るのですが、僕が法務に異動してくる前の案件については短時間で回答できません。書庫にもぐって過去の取締役会、経営会議その他の書類をがさがさと探してこなければなりません。(そのくらい前のことということで)
 決議機関に付議した案件が議事録、資料が保管されてはいます。 しかし議事録は会議の経過すべてを記録しているとは限りません。決定したことのみ簡潔に記録してあることのほうが多いので、資料と対比しながら読んではみるものの知りたい情報にたどり着かず、結局当時の関係者に確認し回ることになります。しかし年月が経過していれば、当然既に定年退職を迎えた人がいます。ましてここ数年のいろいろと苦しい期間中に人が散ってしまった経緯がありますので、「関係者が残っていない!」ということもあるのです。(大概のことは後任者に遺されてはいるのですが)

 議事録や保管書類はその案件のある瞬間を切り取ったものに過ぎません。それで充分、ということの案件が多いとは思いますが、すべてがそうとは限りません。議事録に残すまでの経緯のほうに意味があることがありますし、その案件に費やした「時間」や「現場感」を共有した者でないと理解できない部分があります。本当はそうしたものも後任者になんとか残していかなかればならないのですが、最小人数体制だとそれもなかなか叶いません。過去の案件について僕が困ったのと同じようなことが、いつか僕の後任者も味わうことになるかもしれません。過去の案件をよく知ることもリスク防止になるはずなので、これではまずいのですがね。悩ましいところです。

 まあ、歳とともに自分の記憶もあてにならなくなるので、ブログという外部記録媒体の利用を始めたというのもあるのですが。
 
 
プロフィール

msut

QRコード
QRコード
アクセスカウンター

    • ライブドアブログ