ケースによって異なるだろうけれど、デューデリジェンス初日、キックオフはこんな感じでした。

■相手方は30人ぐらい
 買主予定の投資ファンド、 アレンジャーとなる証券会社、法律事務所、監査法人、コンサルティングファーム数社、親会社(目付け役でしょう)
■当社側
 取締役社長、経営管理部門取締役、経理部長、経理課長、社長室長(当時、法務は社長室所属)
 法務担当(自分)の6名
■証券会社から全体スケジュールと作業手順、実施場所(会議室を確保しました)
■監査用チェックリストの配布
■対象会社コンタクトパーソン(要するに我々6名)の紹介
■名刺交換

たしかこんな段取りでした。コンタクトパーソンとして6名出席しましたが、社長や役員がいちいち対応するわけではないので、実際は経理部の部課長と自分の3名が約3週間の期間中、毎日対応に追われることになりましたが。

法務部門が対応する法的監査のチェックリストの内容はといえば、大項目で10項目、中項目として①資料原本提出を要するもの②資料作成依頼するもの③担当役員、担当者または適切な人物へのインタビュー実施 に3分類され、①②③合わせて160項目ほど。
ただし①や②を提出すると、その内容に対する質問項目が新たに追加されるので、3週間でどれだけの資料説明やヒアリングが繰り返されたことやら。毎日監査担当が帰るまで先に帰るわけにもいかず、通常業務が免除されるわけでもありませんでしたから、カオスな1日になる日もありました。事業会社に吸収されるのと異なり、LBOスキームですから、このあと金融機関との金銭消費貸借契約締結が控えているということも監査内容の細かさ(執拗さ)に影響していたと思います。

しかし、当時デューデリにどんな腹積もりで臨むか、正直なところM&Aの経験がない我々は見当がついていなかったのでした。
売主である親会社は、1円でも高く売りたいわけだし、買主側は安く買いたい。我々としては、ファンド傘下になった数年後はバイアウトなりIPOという局面を迎えるわけですから、売値(買値)は抑えたい、しかしまだ子会社の身分で親会社は目を光らせている。
100%子会社だった当時、我々はいわば世間知らずの初心な坊ちゃんだったのです。今にして思えばデューデリを受ける側にも何らかの作戦がとれたのではないかと思うのです。(この項、まだ続く)