それにしても..の続きですがやっぱり抑え目に書きます。

 平時においても、ブランド投資というものは効果が読みにくいものです。100億円かけたとしてもブランド認知率が上がったり、企業好感度が上昇するとは限りません。3年間ブランド投資を続ければよいというものでも、コンサルやデザイン会社に委託して格好のいいロゴマークを作ればよいというものでもありません。商品や役務は当然として例えば受付や電話の応対といった日常業務の隅々までの品質向上のための投資も必要と思っています。
企業ブランドイメージの高い企業は、「効果の読みにくい投資」を継続的に(半ば恒久的に)行っているし、またそれだけの体力があるということです。

 勤務先の場合、経営的に残念な状況だから売却されるにもかかわらず、効果の読みにくいブランド投資を否応なしに行わざるをえないところが財務的に響きました。売却された年度に続き、ブランド変更に関わる費用が発生した年度の決算も非常に厳しいものになりました。(すべてがブランド変更費用ではありませんが)
今更の話になってしまいますが投資ファンドではなく事業会社への売却であれば、買主側のブランドに組み込まれるのですから、旧ブランドの撤収費用は負担するにしても、新ブランドへの投資全額を負担することはなかったかもしれません。事業会社が買主にならなかった事情があるかもしれませんが、勤務先には厳しい選択でした。

 僕のいる業界は消費者(ユーザー)だけでなく中間ユーザーである流通会社や建設会社も採用するメーカーのブランドを重視するところがあります。顧客離れ⇒さらなる苦境というリスクもあったわけです。
同業者からも心配された(!)ほどの短期間でのブランド変更(加えて企業グループからの離脱)、果たして売主そして買主がどの程度対象会社の事業リスクを想定していたのか...リスクはこれだけではないのですが、可能であれば話を訊きたい点です。

 実際は危惧されていたような顧客離れはそれほど起こりませんでした。顧客や取引先との接点を持っている営業マン達が奮闘してくれたのと、何よりも彼らが日頃から顧客の信頼を得ていたのだと思います。
 格好いいブランドマークも必要かもしれませんが、企業は人なり、最後は社員の力がブランドだよ、ときれいにまとめて(?)「9」を終わらせます。