今回から上場前資本政策に関するあれこれについて。
結果として資本政策計画を立案するまで至らなかったのですが、その理由を落ち着いて考えてみようかと。
具体的な数字はぼかしていますので、予めご容赦ください。


1.  上場申請前々期まで株主構成(数字は議決権ベース)
①株式譲渡時(株式譲渡契約上の第1クロージング) 株主2名(投資ファンド約85% 元親会社約15%)
②株式譲渡契約上の第2クロージング時       普通株主1名(投資ファンド約90% 元親会社約10%)
                         種類株主1名(議決権なし、取得請求権付)
③上場申請前々期 期初              ②と同じ

 ①から②にかけて投資ファンドの議決権比率が微増していますが、投資ファンドが元親会社から株式を取得したのではなく、勤務先が自己株式として取得したため。株式譲渡契約上、第2クロージング時、元親会社保有の株式は投資ファンドか元親会社と投資ファンドが認める第三者が取得、という一文があったのですが、なんのことはない、その第三者が対象会社である勤務先になってしまったということ。①の株式譲渡時のLBOで抱えた自己株式の額がさらに膨らみました。(この時点で1株も消却していません)
 また本来なら②の時点で元親会社保有の株式をすべて取得するはずが、経営再建に手間取っていたため一部取得にして期限を延期してもらっています。種類株式は自己株式取得の資金調達を目的として発行、引き受け先は投資ファンドを組成するファンドのひとつでした。
このとき、なぜ勤務先が自己株式取得することになったのか。この時点で株主を増やすことはできなかったのでしょうか。
 
 憶測ですが、①の株式譲渡時には投資ファンドは短期間で勤務先の経営再建を果たし転売を考えていたのではないかと。株主が一人だけなら成功した分を一人占めできますからね。しかし不運なことに株式譲渡の年には拙速な法改正が招いた市場低迷、翌年秋にはリーマンショックと、①から②までの期間に勤務先のみならず我々が所属する業界全体は長い低迷期に入ってしまいました。
勤務先の株式の価額はリーマンショック前の水準で算出したもの。勤務先の決算の「自己株式」の項目は会社の値札そのもの。状況からいって勤務先の株式を引き受けようという第三者が現れなかったのかもしれません。

次回につづく