続きです。

 今回は金融機関との関わりから。
 過去記事と重複する点は予めご容赦ください。

 投資ファンド傘下企業と上場企業子会社になった後での大きな違いは、金融機関との関係でしょう。

 元々との企業グループにいたときは、グループ内金融による資金調達でしたから資金に関して金融機関と係わることはありませんでした。
 投資ファンド傘下の時期は、LBOのスキームのなかでの「借入人」の立場でした。投資ファンドが設立したSPCの借入を承継したもので、何のことはない売買された自社株式の対価を弁済していただけ。将来投資のための資金調達が行えない状況にありました。都合2回のブリッジローン、1回のシンジケートローン契約があったわけですが、借入のほか借換え手数料や抵当権設定の登記費用、契約書のリーガルチェックに要した弁護士費用などすべてこちらが負担していました。また借換えにあたっても、なんだかんだいって1ヶ月以上事務手続きに時間をとられました。
 再び上場企業の子会社となった際、グループ内金融の仕組みは使わないものの親会社の保証のみで何の隘路もなく借換え手続きが済みましたし、何より劇的に変わったものは借入金の「金利」でした。
【こんなに利率が下がるのかと】
 他の事例を知らないので何ともいえませんが、上場企業の子会社のほうが「安心できる貸付先」ということなのでしょうか。そしてLBOスキームではほとんどできなかった本来の意味での「資金調達」も可能になったのです。(もちろん限度はありますが)
二度目の売却で資金調達の不安が除かれたのは大きいですね。
 
一方当然のことではありますが企業としての「独立性」は失います。「カネ」の部分は親会社の与信ありきになるわけですから。「カネ」を中心に段階を踏むにせよ、親会社の諸々のシステムに組み込まれていきます。

買収されるということはそういうことなのです。

つづく