本来なら「正しい会社の売られ方」を書きすすめたいのですが、5月12日の「番外」で書いたとおり大きな動きがありまして、今後の内容や進行を少し再考することにしました。

 そこで、BLJ7月号で特集企画「クライシス・マネジメント」が組まれたことを受けて、多少悩みは残しつつも5年前に僕が経験したリコール対応について、何回かに分けて書き残そうと思います。
   
 5年も経過すると当時リコール対応に関わった人間も異動や定年退職やらで次々と職場を去り、当時を知る人間は僕を入れてほんの数名となりました。たぶん共同でリコールを実施した他の企業も同様でしょう。
 リコール実施後の製品対策の実施率は、ほぼ100%達成が見えてきています。リコール実施が功を奏した、という見方もできるかもしれません。
 
 しかしそんな見方はできない事情があります。なぜなら勤務先が2件の死亡事故を発生させた事実と、そのうちの1件を長い間埋もれさせてしまっていた失態があるからです。下手をすれば、ガス給湯器メーカーの二の舞になる可能性もあったのです。この危機を回避するために、どれだけの時間を費やしたか。
 5年経過するのを契機に薄れていく自分の記憶を整理するのと、もしこんな体験でも今後のリスクマネジメントに多少なりとも役立てば幸いと思います。


*注記
前述の2件の死亡事故のうち1件の埋もれていた事故については、2006年7月初旬に行った業界団体共同のリコール記者会見の場で公表して謝罪を行いました。このことはTV、新聞等により報道されています。

また今後本件について書く内容は個人的見解であり、勤務先企業の見解を述べるものではないことを予めお断りさせていただきます。