2012年07月06日 22:36

リコール 一番長かった6月 9

 つづきです

【リコールCM】
 
 2006~07年頃というのは湯沸し器メーカーや電器メーカーをはじめいろいろな企業が「お客様への重要なお知らせ」といったTVCMが放映されていた時期です。覚えていませんか?

 人身事故を発生させていること、改修率が低いことを考えれば、経産省の命令には従わざるをえず、また国会での大臣が「リコールCMを実施させる」と答弁している以上、実施しないことには行政側もメディア等に対する示しがつかないという状況だったと思います。
 協議会が正式に発足し、勤務先の二件目の事故例が発見されたときは6月下旬に入っていました。経産省にリコールCMを実施すると回答するには、実施時期とCMの放映量をある程度押さえておく必要がありました。
 年間または半年単位のTVCMのタイム枠(特定のチャンネル、提供時間枠)をもっているような企業であれば、その枠の中で通常のCMから、リコールCMに素材を切り替えてしまえばそれで済むのですが、あいにく勤務先はタイム枠をもっていません。
 単発枠(スポット枠)を押さえるのが課題でした。

 巡り合わせというのかなんというのか、僕は法務に異動する前は販促部門にいたので、その時のつてで広告代理店に連絡をとり、7月のスポット枠を押さえることを依頼しました。といっても、一方で資金にも限界があるので、投下量として700~800GRP(1日のうち朝から夕方8時までの間、1時間に1回はどこかのチャンネルで流れる程度)の確保です。
 頭の痛いことに法令や行政の命によるCMであっても、TV局は無料で放映してくれるわけではありません。さらに(これは新聞広告でも同じなのですが)リコールの際は料金が上乗せされてしまうのです。(そもそも予定していた広告主にどいてもらうから、という理由のようですが?)
 どうにも合点がいかない点です。最近は広告料のダンピング提案も珍しくありませんが、リコールの場合はどうなのでしょう。

 それはともかく、リコールという目的もあってか代理店の営業マンが頑張ってくれたのか7月中旬から2週間のスポット枠を押さえることができました。経産省に時期と放映量の目安を報告を行いましたが、また放映量が少ないの何のといわれるかと思いましたが、CMを実施するということで何かほっとされたような印象を受けました。
 やはり大臣答弁の内容を実行させることができたという安堵感だったのかもしれません。
行政も現場は現場なりの苦労があるのだと思いました。

次回もリコールCMのつづきです。


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