2014年10月05日 09:32

いまだに聴く「現在進行形」の音

 U2の新譜がiTunesで無料ダウンロードということで、iTunesをのぞいてみてついダウンロードしたのですが、「U2なんか聴かないのに、何だありゃあ」というクレームもあったそうで。趣味はいろいろですからね。 
 メンバーのほとんどが50代半ばとなり、今や何をやっても「ま、U2だからねえ」と大御所扱いの観があります。(聴いているほうも50代を迎えるのですがorz) 
 今回はその新譜ではなくて、この秋で発売からちょうど30年を迎えた彼らの「The Unforgettable Fire」について。

 30年前といえば埃をかぶった昔のこと、当時の記憶も霞んできていますが、このLPを買ってA面に針を落とした途端(アナログLPの醍醐味か)に「おおお!違う!変わった!」と思わず声を上げそうになったことを今でも憶えています。
 今でこそ大御所の4人組ですが、80年代前半はサードアルバム「WAR」がヒットしましたが、まだ「アイルランドのローカルヒーロー」的な存在。初期のアルバムの音は寒いダブリンのスタジオで録音したのだろうと勝手に思ってしまうようなものでした。(この音作りそのものは嫌いじゃありませんが)
 メンバーの他にこのアルバム制作に深く関わったのは、Brian EnoとDaniel Lanoisの2人。環境音楽ほか実験的な作品の多いEnoとそのレコーディングを支えていたLanoisが制作現場に居合わせることにより、新しい方向性を模索していたバンドが自由に歌い演奏している空気が伝わってきます。即興やアイデア一発で仕上げたような曲もあるため「完成度に疑問」と評価する人もいるのですが、自分はこの「勢いでできた感」「二度と同じことはできない感」がかなり好きなのです。何より完成度ではなく「現在進行形」の姿をそのままみせている(聴かせている)ところでしょうか。
 
 何かことあるたびに(異動のとき、新しい仕事を担当するときなど)引っ張りだして聴いているうちに気がつけば30年。さて今このアルバムを聴く自分は次に何をしたいのか、そこが問題。

焔
U2
ユニバーサルインターナショナル
2010-08-04


 


補足
①大学2年当時「アメリカ政治史」を履修していて、公民権運動やキング牧師のところに差しかかったと きとこのアルバムの発売時期が重なったのも記憶に残っている理由か。 

②Brian Enoをこのブログで取り上げるのは2回めですね。 

③Daniel Lanoisについてはこちらで取り上げてました、そういえば。 

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