2014年01月

2014年01月16日 01:49

 資本政策を巡るあれこれの続きです。

 前回、対象会社(勤務先)が元親会社が保有していた普通株式の残り全部を自己株式取得、議決権をもつ株主が投資ファンド1名となったところまで書きました。種類株式については少し脇に置いておきます。

 そろそろ資本政策について本腰をいれなければと、投資ファンドの担当者(といっても勤務先の非常勤取締役でしたが)と顔をあわす度に投資ファンド側の検討案があるなら提示してもらいたいとせっつくようになりました。
 せめてどのような株主構成で上場に臨むのか開示されなければ事務局の仕事も前に進みません。

 例えば主要取引先に募集株式を引き受けてもらうにしても「上場前規制」という制度があります。上場前の非公開株式を引き受けるのですから、ほとんどの企業で取締役会、執行役会といった決議機関の承認を経てということになるでしょう。相応の準備と期間が必要になります。またこちらの期待どおりの結果になるとは限りません。申請直前期中に株式移動を完了させるために残された時間は、前述の相手先の決裁手続を考えれば実質半年あるかないかという時期になっていました。

 投資ファンドにしても「ロックアップ」制度があります。我々が無事上場を果たしたとしても、すぐに保有株式の全てを手放せるわけではありません。ロックアップが解けても、そのときに思うような株価をつけているとは限りません。当時、我々が所属している業界(セクター)の評価は低いままでしたから、勤務先の株式を手放すまで、何年もかかるかもしれない状況でした。このことをいうとファンドのスタッフは渋い表情をしたのですが、資本政策について彼らの権限でできることは、非常に限られたものだったのかもしれません。

 もちろん出口戦略は「株式上場」に限られているわけではないことは承知していました。第三者への丸ごとバイアウトもありえるのですから、上場準備が捨て駒になることも少しは覚悟していたのですが。。。

 資本政策の方針提示については延ばし延ばしにされたあと、結局株主構成は何ら変えずに上場申請に臨むという結論が伝えられたのは申請直前期も半ばを過ぎた頃でした。(まあ、その時点で第三者への譲渡なり、引き受けの依頼が間に合わないタイミングでしたが)

 今回は短い内容になってしまいました。 つづく
 
 


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