企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2014年07月


子会社はつらいよ? 下から目線でなんちゃら1

 会社法改正ということで法務系月刊誌がここのところガバナンスやグループ会社管理といったタイトルの特集記事を掲載しています。それはそれで順番に読んではいるのですが、考えてみたら自分の置かれている立場は、上場企業の子会社の法務及び周辺業務担当者。
「どうやってグループ会社を管理するか」というよりも「今度はどんな管理をされるのか、何か変わるのか」という立場にあるのでした。

 前回の会社法改正時、勤務先は今と違う上場企業の子会社であり、僕は法務担当ではありませんでしたが、会社に残っている資料を読む限り親会社が説明会を行ったうえ、微に入り細に入り機関変更の手続き手順や臨時株主総会の議案フォーマット、登記用取締役会議事録フォーマットなどを配信していたようでした。それから8年、今や親会社も変わり子会社の管理方法(というか思想だね)も激変した状況ですので、今回の会社法改正については親会社からいつどのような指示が下りてくるのか、というのが当面の関心事です。
 まあ、上を向いて待っているしかないのか、前もって質問でも投げかけておいたほうがいいのか、ちょっと考え中といったところです。親会社の立場にしてみれば数多ある子会社から五月雨式に質問されても困るはずですし、買収されてまだ日の浅い勤務先が口火を切ることもないかとも思っているのですが。

 法務や会計系の雑誌が上場企業や親会社、小なりとも一国一城の主である中小事業者向けの記事を中心に編集されるのはやむを得ないところ。(上場企業や大規模企業の)子会社は、グループ内でなんとかなるはず、と思われているのかもしれません。しかし「純血」の親会社であってもしっかりガバナンスを効かすことができるかというとそうはいいきれないと思いますし、M&Aを活発に繰り返している買収側の企業がガバナンスを効かすことができているのか、ちょっと疑問に思う瞬間もあります。

 そんなわけで、例によって不定期ですが下から目線で何回か「子会社ガバナンス」について書いてみます。

 (不定期に続く)


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嗅覚 

 連休明けはどういうわけか、クレームやらちょっとこじれた案件が発生します。
 
 販売、客相や品質保証部門から「こんなことがあるんですが」と上がってくる時点で、ぶすぶすと煙があがっていて、またそのことに現場が気づいている場合とそうでない場合とがあって、後者の場合は「気づかせる」ところからスタートするので時間がかかります。
 
 トラブルの匂いをかぎつける嗅覚には個人差があって、まあ僕もそんなに鋭いほうではないかもしれません。が、長く仕事をしているので「いつか見た風景、いつか辿った道」が思い浮かぶのだと思っています。「成功」ばかり体験しているわけではありませんからね。

 しかしこの種の嗅覚がベテランにならなければ得られない、というのでも困ります。ちょっとしたトラブルのはずが拡大、炎上し企業の命運を左右するような事件に発展する可能性のある時代です。
「あのとき、なぜ気づかなかったのだろう」と後悔しても後の祭り。最近でも、そういう事例はありますよね。ベ

 クレーム、トラブルの事案をデータベース化して検索できるようにし、対応例を準備しておくというのもひとつの方法です。ただこれもやがてマニュアル化してしまうおそれがあります。

 若くてもこの種の「嗅覚」の鋭い人はいます。なので業務経験の長さに比例して身に付くというものでもないのでしょう。
 
 「嗅覚」が「共有」できるようになればだいぶトラブルは抑えられるかなあ、と思うのですが。

 とりあえず、今朝はこんなところで。
 

ベネッセ会見に思う

 ここ数日の話題から。

 ベネッセが2回目の会見。
 金銭補償ゼロから200億円の枠取りを決定した、その変化点は何だろうかと。

 業界と事故の種類は違えど、かつてリコール会見に関わった身からみて1回めの会見時点で危ない橋を渡ってしまったなと思っていたのですが、やはりこのような道を辿ってしまったかと思うわけです。
 事故、不祥事に関わる公表は、必要があれば続報するもののメインのものは1回で決めなければ、ずるずるとレピュテーションを下げ続けることになりかねません。だから、対象規模、原因、対策、対策の周知方法などの確定のためにある程度時間をかけます。スピードは要求されますが、拙速では意味をなさないのです。ベネッセもそのあたりのことは充分承知されていたと思うのですが。

 とにかく金銭補償対応すると公表したものの、補償対象をどのように決定したのでしょうか。カネボウの事故の事例でも疑問を感じたのですが、 あの事例は現に健康被害が発生していましたので治療費など算定のベースになるものはあったのでしょうけれど、今回はどうなのでしょうね。
「将来にわたって子供の個人情報が使われ続けれる」「得体の知れない業者が自分の情報を持ち続けている」から「気味が悪い」「これから何かあったらどうしてくれるんだ」となって「誠意をみせてほしい」という保護者あるいは本人の要請に応えていくことになると思います。対象者一律補償とするのか、それとも個別対応を想定するものがあるのか不明ですが、急ごしらえの交渉窓口の応対次第ではさらにこじれる恐れもあります。
 
 厳しいですね。
 
 企業のリスク管理という点で引き続き動向をみていきたい事例です。

 しかしこういう消費者問題で難しいのは、企業の責任を問い続ける事自体はその通りなのですが、その企業を根こそぎ倒してはならない点。まさか今回の200億円でベネッセがひっくり変えることはないとは思いますが、当事者企業が倒産してしまっては結局消費者は救済されないままになってしまいます。企業憎しでは解決しないと思うのです。

 では今回はこんなところで。
 







 

このブログについて

 この度、他の場所からこちらに引っ越してまいりました。 

 前の場所は、企業法務担当になってわずか数年の間の起こった勤務先のあれこれと、自分の人生の迷走ぶりを書き残しておくことを目的にしていました。

 2年かけて不定期ながら書き続けていたテーマを今年6月をとりあえず終了させ、正直少し気が抜けていました。
 しかしよくよく読み返してみると気が抜けるほどの渾身の出来映えでもない、「迷走」状態が解消したかといえばそんなこともない。一方、勤め人としての残り時間はまだ残っているとはいえ、30代の人と比べれば圧倒的に少ない。ぼやっとしている間にも砂時計の砂は遠慮なくどんどん落ちているわけです。

 いかんな、このままでは。

 ということで、一度生じた惰気を吹き飛ばすためにも少し環境を変えてみようと、こちらの環境を選びリスタートすることにしました。

 ブログで取り上げる内容は、企業法務に関する事柄にしたいと思うのですが、数多いらっしゃる法務ブロガーに到底太刀打ちできるわけがありません。最新の情報、冷徹な分析、斬新な切り口といったものは先達の法務ブロガーの方にお任せし、相変わらず様々な事情に翻弄される企業法務の日常が主な内容になると思います。
 
 肩の力を抜いて、お付き合いいただければと思います。
 
 

 

 
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