企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2015年11月


愚かなる買い物 

 我ながらアホだなあ、バカだなあという買い物があります。音楽CDのリマスターやBOXセット、海外SFの新訳、復刊に弱い。本当に弱い。金を貯められない人間のパターンです。
 音楽CDを例は、【ナイアガラ】シリーズやマイルス・デイヴィス。『ロンバケ』だとLP盤を含めて何枚あることやら。マイルスの「オン・ザ・コーナー」や「アガルタ」もLP盤からCDまでなんだかぞろぞろ在庫があります。貧弱なオーディオではリミックスの違いなどわからないのにね。

 そして海外SF。気をつけよう気をつけようと言い聞かせていたのにやってしまいましたよ。フィリップ・K・ディックの新訳。ハヤカワSF文庫から刊行されていたいわゆる「ヴァリス」三部作の新訳版をフラフラと買ってしまいました。 創元SFによるサンリオ文庫復刊版を既に読んでいるのにアホです。帰宅して本棚を眺めてみたら、同じディックの「暗闇のスキャナー」と「スキャナー・ダークリー」と同原作、訳者違いの版が並んでいましたので目眩がしました。反省なし。
 今恐れているのは、S・レムの「ソラリス」新訳(ハヤカワSF)や、既に刊行されている新潮のT・ピンチョンの新訳版の存在。書店で見かけても目を瞑るようにしてその場を去るようにしていますが、この先について自信が持てません。
 出版社はかつてSFに夢中になっていたおっさん層を狙っているのでしょうか。新しい読者を開拓しようとしているのでしょうか。(そういえば自分の傍で二人連れの中学生らしき男子が「アンドロ羊」を手に取っていましたが)

 ちょこっとしか違わないのに某会社法、某商取引法や某租税法を買うのと同じこと、何だって一番新しいのが正しいのだと自分をごまかしています。

 休日なので埋め草的エントリでした。

ティモシー・アーチャーの転生 (創元SF文庫)
フィリップ・K. ディック
東京創元社
1997-02





  

拾い読み Business Law Journal 2016年1月号(加筆)

 月刊誌の世界では既に新年という、今年も押し詰まってきましたね。
恒例の拾い読み、BLJ1月号から。飛ばし読みに近いか。

 特集「法務担当者のための交渉のキーポイント」
冒頭の日立製作所の飯田氏のものを除き、大手法律事務所の弁護士による記事で構成されています。 
企業担当者による匿名記事(生の声)が読めるのが本誌の持ち味ではありますが、交渉先の法務担当者が読んでいる可能性が非常に高いのにノウハウなんて書けないよ、という事情もあるのでしょうか、今回は企業担当者の記事はありません。

 落とし所、と一口にいっても自社と相手側との契約上の立場、強弱、交渉に至る経緯から落とし所というのか、妥協点というのか、泣き寝入りというのか様々だと思います。
 請負(うけ負け)の世界にいると、先方の契約書雛形を丸呑みせざるをえないというケースがほとんどで、せめてマイナスをゼロに近づけるにはどうしようというような協議になります。販売担当者によっては自ら落とし所の位置を下げてしまう傾向もあり、なんというか相手方というよりもまず身内で落とし所を探るようなこともあるようなないような。できれば交渉当事者自ら落とし所を探り出してほしいという気持ちもあるのですが、なかなかそうはいきません。
 落とし所というよりは、丸呑みしつつ何か爪痕を残すような協議書、覚書、議事録を交わすというケースが多いですね。もっともこのようなケースは、先方にも「現実と乖離している」「無理強い」をしているという認識があることが前提となりますが。
 落とし所を見つけるには、自社のビジネスや業界内での地位、相手方との力関係をよく理解しておかないと難しい話。広い視点を持つという意味では法務担当者の事業部門へのローテーションも必要かなと思った次第。




 
続きを読む

切り替えのキレ

 3連休の中日、全国の最小人数法務または兼任法務の皆様、ちゃんと休めているでしょうか。
 午後になるまで今日(22日)が土曜日であると思い込んでいました。
昨日は終日関東地方のとある店舗の移転オープン行事の手伝いに行っていたのですが、それで曜日の感覚がずれたのかもしれません。
 
 仕事の振り分け先のない体制や兼任を続けていてきついなと感じることのひとつに、ある業務の途中別の依頼や相談があるたびに瞬時に思考や作業のスイッチを切り替えるところがあります。

  • 契約書のチェックをしている時に、クレームの相談電話(炎上しつつあることが多い)
  • クレーム処理の検討をしている時に、販促物の文言の相談電話
  • 公印関係の業務をしている時に、広告メディアからの電話
  • まだ社内で伏せておきたい仕事をしている時に、切羽詰まってデスクにいきなりやってくる

こんな状況ってありますよね。

 最小人数体制というのは、依頼側からすれば「他に相談する人がいない」体制であるわけで、ささいなものであっても自分が振り払うわけにはいきません。それは重々承知なのですが日によってはスイッチの切り替えが何回も繰り返されることがあります。以前はそれほど「苦痛」を感じることはなかったのですが、最近はそれがあるのですね。寄る年波のせいか、疲労なのか倦みなのか、とにかく「切り替え」の「キレ」が悪い時があります。ある業務の状況の良し悪しを別の業務に影響させてはまずいのですがねえ。キレが悪い時というのはどうもうまく回らない。

 せめて疲労は取っておこうと、4ヶ月ぶりにマッサージを受けたら「疲れが溜まりすぎていて、身体が強張ったままですね」といわれる始末。一回ぐらいの施術じゃ緩まないですよ、と。

 さて明日は勤労感謝の日。
 勤労者が感謝される日なのか、仕事があることを感謝せよということなのかもはやわかりませんが、良い休日をお過ごしください。


承継 流動化 置換

 頭の中をノロノロと回る言葉をタイトルにしただけです。

 先日、業界団体分科会で送別会を開きました。長らくPLや消費者関連の分科会で活躍されていた同業他社の方の送別です。既に60歳を過ぎ雇用延長されていたのですが、後任の方が決まったようで会社、業界団体から完全引退ということです。なんだかんだで10年以上お付き合いしていました。その間、まあいろいろなことが業界に起こりましたが、その都度要所要所で切り込んでくる姿勢には感服していました。

 ちょっと前に職人じゃなくてデータ管理を導入したら日本酒が美味しくなったとか、何年も職人とする「修行」はナンセンスだとかそんな話がありましたね。
 30年近くサラリーマンをやっていると、その間姿を消していった業務や業務ツールなどというのは結構あるものですが、自分が若いころ苦行のように感じていた業務を今の若い世代が味わっていないからといって問題視はしません。しなくて良い苦労はしないほうが良いのですから。逆に30年近く経った今でも若い世代が自分と同じ苦労をしているとしたらそちらの方が企業として問題だと思いますよ。(あくまでしなくても良い苦労のことですが)
 テクノロジーに置き換えることができるものは置き換えれば良いと思います。企業においても終身雇用制が崩れ去る時代、「個人」に紐付いた業務こそリスクだと思います。

 とはいえテクノロジーに置き換えられない業務とは何か、流動化に向かない業務や人材はあるのだろうかということを考えてしまいます。
 企業法務の業務にはテクノロジーに置換可能な業務も当然ありますし、自分の知り合いの企業法務担当者は現実に何度か転職をされています。流動化に抵抗のない職種なのかもしれません。しかし法務部門に役割が振られていることもある「渉外」という役割はどうなのだろうかとふと思うのです。事案によって個人ユーザー、行政やその出先機関と相手が変わる都度、交渉姿勢を変えて企業の利益を守る又は損失を抑制するという業務は、果たして置き換え可能なのか。将棋や囲碁が譜を残すように渉外も交渉経緯を完璧にデータ化すれば、誰が渉外職についても支障なく交渉が進むようになるのでしょうか。どうでしょうね。

 生身の人間に承継しなければならない業務、従事する人員がたやすく流動しては困る業務、冒頭の業界の先輩ではありませんが「ベテラン」の存在が必要な業務。まあ業界・企業によってもいろいろ事情はあるとは思います。自分も業務の引き継ぎを考える年齢となってきているのですが、「あなたの後継者は人ではありません。データを正確にインプットしておいてください」などということが現実に起こるかもしれませんね。いやはや。

 

出前研修してきました

 いろいろ事情がありまして、グループ会社社員向けの出前研修講師をしてまいりました。
グループ会社といっても、長く資本関係や取引関係があった会社ではありません。異なる企業風土で育った社員さん向けの研修というのはやさしくありませんね。
しかも今回は様々に組まれたカリキュラムの中で、1時間足らずのコマしか割り当てられていなかったので、こちらとしては「少しでも爪痕を残してくる」ということに絞らざるをえませんでした。

 今年は企業の不祥事ネタが多いので話題には困りませんが、それらがいかに自分の身にも起こりうることだと思ってもらうか 、まあ今回は多少無理筋で結びつけましたが受講者の記憶にとどまったかどうか。メモを取っている方も結構いましたので少しは響いてくれたかなと思うのですが。

 短時間バージョンも幾つかネタを揃えておかないといかんなと思った次第です。 
livedoor プロフィール
QRコード
QRコード
アクセスカウンター

    • ライブドアブログ