企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2016年03月


あの日、そのとき。

 今まであえて取り上げてこなかったのですが、5年という年月が経ったので備忘録として。

 あの日
 午後2時、霞が関。持株会社設立のリリース文書を所管にある二つの記者会に投函。もうひとつの所管に一応報告するかどうか考えているうちに階段で足を挫く。痛いので移動を諦める。日比谷公園を通って地下鉄に乗る。
 午後2時40分頃、勤務先に戻る。自席について間もなく、今まで経験したことのない揺れ。
あのままもう一か所、立ち寄っていたらどう考えても地下鉄の中に閉じ込められたタイミング。
 
 それからあとのことはここで何を書いても、実際に被災した地域の方からみると薄っぺらいものになっってしまいます。

 多少ギクシャクとした人生ではあるものの、実際にあの日を境に生活が激変することもなく、ましてあの瞬間に生命を絶たれた方のことを思えば、自分の人生には震災前も後もないとつくづく思うのです。

 今日は静かに祈るのみ、であります。

 
 


  

拾い読み ビジネス法務 2016年4月号

 週末の日帰出張の移動中にようやく目を通したビジ法4月号からポツポツと。

 特集1「法改正をまるごとカバー 労務はこれだけおさえる!」
 どの記事も示唆に富んでいるのですが、あいにく業務上労務に直接関わっていないので自分の仕事というよりもチェックする側の目線で読みました。ツボだったのは「『ブラック企業認定』のリスク回避策」でした。
 「あの会社、ブラックだよね」ということばが簡単に飛び交うようになりました。何をもってブラックというのか、その会話の前後の意味あいで異なるはずなのですが「ブラック」の一言で何となくレッテル貼りがされてしまう、企業にとっては厄介な時代です。記事にあるように、かつての「就職2ちゃんねる」は確かに話半分以下といった内容がありましたが、最近の口コミサイトを同一視してはならないようで。レピュテーションリスク管理の範囲が拡大しているということですね。

 業務上、職場の揉め事に乗り出さなければならない場面があるのですが、パワハラらしき案件の数が一定してあります。よくよく当事者や周辺の情報を取るとコミュニケーション不全が原因なのですが、それでも売り言葉に買い言葉で退職する従業員がいて、そしてサイトに「パワハラがある」などと書き込まれれば、もうそれだけで。。。現場のマネージャーには職場環境の情報がすぐに世間に晒される時代だということをしっかり理解してもらわなければならないということでしょうか。

 話は少し逸れていきますが。
 コミュニケーション不全といっても、以前は中高年世代のマネージャーと20代、30代そこそこの若手との間の問題だったのですが(これは勤務先の問題だけかもしれませんが)最近は年齢の近い当事者間でも生じています。最近では30代半ばでも様々な事情で就業経験を積めていない人がいます。このような人を中途採用した場合に、生え抜きか生え抜きに近い形でバリバリ仕事をしてきた40歳前後のマネージャーとあれこれ生じてしまうのですね。お互いつい感情的になってという出来事が「パワハラがある」ということになり、そしてクチコミで「ブラック企業だ」ということにもなりかねません。 
 就業規則やコンプラ規則を整備するだけでは片付かないのが、人と組織の問題。(企業にもよるのでしょうけれども)人と組織の問題に法務としてどう関われるかということについて考えるのでした。






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ココカラダシテクダサイ

 地元は昭和30年代から宅地化が進んだ地域なので典型的な高齢社会です。 

 10年近く前の話。
 自宅の門扉を揺すり、路地を通る人がいれば「ここから出してください。助けてください。」と声をかけるお婆さんがいました。認知症が進み、一歩家から出てしまうと迷子になってしまうから、ご家族が止むを得ずとった措置。

 少し前の話。
 自治会や老人会の世話役を買って出て、ときに横柄な振る舞いをする爺さんがいつの間にか認知症になり、自転車で出かけたきり帰れず、遠く西多摩の山あいの道で凍死状態で発見されたこと。

 例の鉄道事故の判決の日として新聞記事などで取り上げられていますがどうしても感情的な傾向になっているように思います。
 当該事件が鉄道を運休させたのではなく、自動車や自転車の運転で死亡人身事故を起こしていたとしたら。当人がとった行動が他人に(結果として)怪我をさせていたら。同居する家族の監督責任を免じるべきとの世論になるでしょうか。世論は移ろいやすいものです。

 とはいえ在宅介護だから家族に監督責任があるといっても、認知症となればプロの介護士でもそうそう簡単にできない仕事です。素人には自ずと限界があります。

 本日(1日)の判決ひとつで今在宅介護で起きている、起きようとしている問題が解決するとは思えません。

 冒頭の事例。庭先の老婆の「ここから出してください」の声は当然ご家族の耳に入っていたはずです。
近所の好奇心や憐みの視線を感じつつ、どのような思いでいたか。
 そしてそれは自分も決して他人事ではないのであります。



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