企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2016年04月


拾い読み Business Law Journal 2016年6月号

 もう1ヶ月経つのか、と思わざるをえません。
 今回は明るいブルーの表紙。6月なので水を意識したのでしょうか。
 例によって拾い読みです。
 
 〔特集〕「これからの取締役会運営」
 諸々事務局業務を振られていますが、取締役会事務局もその一つ。定時株主総会だけで10回、他に組織再編も何回かありましたので、自分が迎え見送った取締役の延人数は何人にのぼることやら。 親会社(資本の出し手)も3社目。ここまでいろいろあると取締役会の運営方向が左右してしまうのもやむをえないかと嘆息することもしばしば。
 定まりにくいひとつが、まさに柴田堅太郎弁護士の記事の「取締役会付議基準」。
 資本の移動、組織再編、取締役会メンバーが変わる都度、基準を提案しては各部門が揉んでいるうちにまた次の体制になるものでいちからやり直し。そうこうしているうちに、強大な資本の完全子会社となり結局子会社管理規定の範疇に収められてしまいました。
 完全子会社の取締役会というのは親会社の管理方針によるところが大きく、付議される議事の多くは予め親会社の決裁なり内諾を受けた事項の追認、というケースも多いのではないかと思います。取締役会でどうこうというよりも、内諾を受けるまでが大変という(以下自粛)。(そこにすべて法務が絡むかというとそうでもないし。)

 ともあれ改正会社法やコーポレートガバナンス・コードにより上場・非上場(主に子会社)で取締役会事務局に求められる機能の差異が拡大することを実感しております。それは法務担当者のスキルにも影響を与えることにもなるでしょうね。まあ取締役会運営だけが法務の業務ではありませんが。

 3ヶ月に1回の頻度での新連載「企業法務系ブロガーによる辛口法律書レビュー」
 著者にも読者にも厳しい法律書レビュー。期待であります。



 
 

体質・遺伝

 中高年になって、諸々病気やら症候群に悩まされる人もいると思います。自分の場合もそうなのですが、親や親戚と同じ症状が現れてくることがあり、病も含めて体質とは遺伝によるところもあるのだろうと思うよりほかないのですが。

 さて件の自動車メーカーですが、10年ほど前にあれほど問題となりあらゆるリスク管理や重大事故の書籍や小説のネタとなっているにもかかわらず同じことを繰り返すというところに、人の集合体である企業の『体質』を変えることの難しさを思います。

 しかしこの『体質』、粉飾決算やら技術データの偽装というのはそもそも収益力不足や技術力の不足が大きな原因であるので、リスク管理や企業倫理・コンプラ部門 がしっかりすればなんとかなるというものではないでしょう。企業としての力不足を計画的に解消していかなければまた同じことが起こる、そういう気がします。

 いったん力を失うと早々取り戻せない、ということは日々実感してはいますが。



いちからやり直せるかな 企業法務入門テキスト ありのままの法務

  週末は緊急出勤。震災の対応。従業員の安否と所在、設備、調達、物流などわらわらと入ってくる情報の整理。こういう仕事も回ってくるのが法務、リスク管理部門であります。

 某所で取り上げられていた「企業法務入門テキスト ありのままの法務」(編:経営法友会)を購入しました。
 ひとことでいえば、「ありそうでなかった」。
「なんとか法入門」という書籍は数多ありますし、ビジネス法務実務の資格関連書籍もありますが、それは法曹や既に企業法務に就いている人間が対象となったもので、「君、来月から法務に異動ね」とか「配属先:法務」と言い渡される法務未経験者、新人がまず手始めに読む本というのは、実はありそうでなかったと思います。40過ぎて、ろくな引き継ぎもないまま法務に異動したとき、何が困ったかというと初心者(学生は除く)は何を 読んで企業法務を理解すれば良いのだろうということ。営業部門が長かった自分は、法務といえば契約書審査のときしか接していませんからね。異動してみてびっくりでした。(まあ、いきなり応用編ばかりだったということもありますが)

 企業法務初心者、企業法務担当者対象ではないが、読んでみれば企業法務初心者のためにもなる、という書籍の発刊が増えてきたように思います。
 多面的な企業法務という仕事に理解を求めようということか、企業法務の人材確保のためなのか、いろいろ背景はあるとは思いますが、企業法務初心者にとっては恵まれた環境になってきたのではないでしょうか。

 自己流、無手勝流できた自分は、この本を読んだらいちからやり直せるかなと思ってもいるのですが。(中身については今回は書けませんでした、いつもすみません)


 
 

 
 

役員選任案

 コンビニチェーン会長の引退のニュースが波紋を呼んでいましたね。
 あれだけの功績を築いた方が、という声もあったようですが、(創業者ではありませんが)一代で巨大になった組織のトップというのは、なかなか常人では計り知れないものがあるものですよ。
 完全無欠の経営者はいないということですかね。

 ちょうど5月、6月の定時株主総会の準備の真っ只中の時期なので「役員選任案」が騒動の中心だとまた想定問答のネタが、と 思い悩む担当者もいるのではないでしょうか。

 機関法務の仕事といっても、ずっと一人株主の非公開企業なものですから、役員選任案は下から伺いを出し、上から(親会社からということ)非常勤の役員案を提示され、それをミックスしたものを案として作成、というのが実態です。上からの案には異論を挟む余地はありませんが、自社案についても法務からダメ出しをすることもありません。(心の声としてはあるようなないような)。
法務が選任案に直接深く関わる場面というのはあるのでしょうか。上場企業の社外取締役候補者案を作成する際にはありそうですけれど、どうなのでしょうか?

 報道では件のコンビニチェーン企業の企業統治の実態がとやかくいわれていましたが、正面切ってそれを批判できる企業ってどれだけあるのだろうか、そんなことを考えてしまいました。

 


 

 

2日目のコンプライアンス教育 2016年版

 いろいろたてこんで公私にわたり生活がよれよれです。

 今年も新入社員対象のコンプライアンス教育の時間をいただきました。
集合教育のプログラムの一コマです。
 毎年内容を変えるのも一貫性がないので原則昨年と同じ内容。ペーパーを配るとそれを読むのに下を向き寝落ちするというのを避けるため、ペーパー配布は後ほどということにして、板書とトークで2時間。
出張、休日出勤明けなので思いのほか身体にこたえました。

  若い世代、と一括りにはできないものだと思いました。
まあ、採用職種や出身学部などと関係するのかなんともいえませんが、コンプライアンスとかCSRという言葉について「聞いたことがある」にとどまる人が多かったこと。
 昨年は割とお詫び書面を受け取った該当者がいて話を進めやすかった●ネッセの個人情報流出ネタも、今年は該当者がなく、「あれ?」という感じ。
 バイトテロの話題も散々騒がれた後の学生のためか、「ああ、ありましたね」という程度。
こちら側のつかみの話題のブラッシュアップが必要だと感じた次第。
 SNSとの付き合い方については真剣になっていたかなという印象。LINEは全員使用していましたが、twitterやfacebookについてはアカウントを持っていない人もいました。まあ、そうなのかなと。

 まだ仕事についていない人間を対象に下手をすると倫理道徳の講義になってしまいそうなのを、どうやって食い止めるか、毎度悩ましい時間でありました。

 埋め草のようなエントリですみません。



  


 
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