企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2016年05月


拾い読み Business Law Journal 2016年7月号(1)

 拾い読む前に、まずは創刊100号を迎えたということについてお祝いと感謝。

 厳しい状況の出版業界で、特定読者層向け、後発、月刊誌としては安い方ではない価格にもかかわらず
じわじわと読者層の掘り起こしと評価を固めてきた印象です。
 不惑を過ぎてからにわかに法務に異動、しかも一人体制という身にとって社内で教えを乞う存在もない中で、「今現場で起きている事」について記事が組まれる本紙の存在はありがたいものです。
(とはいえ創刊時からの読者ではなく書店のバックナンバーコーナーで発見したというクチなのですが)
企業法務担当者の起稿やコメントが多いことも、企業法務担当者にとって何よりの教材になっているのだと思います。このあたりは企業法務担当者のネットワーク作りのノウハウを確立された編集部の作戦勝ちだと思いますね。本誌読者交流会企画で、それまでネットでしか出会ったことのない人たちにリアルで会うことができたのも個人的には大きな収穫でした。熱い三軒茶屋の夜が懐かしく思い出されます。
 
 最近は広告企画が増えてきているきらいはありますが格好の媒体と認識されたこともあろうかと思いますし、安くはない価格とはいえ装丁、デザイン、紙質からいって広告収入が必要なのではないかと勝手に台所事情を推測しています。出版事業って大変ですからね。
 初期からの「現場の法務担当者目線」を外さず今後も号を重ねていってほしいと思います。

 ということで、記事については次回以降。


 

子会社はつらいよ 下から目線で何ちゃら 16

 えー、不定期エントリーです。

 子会社に対してどうガバナンスを効かせるかについて、または効かされるかについて気の向くまま。
 切り出した子会社と買収した子会社とでは当然異なりますけれどもね。 

1.取締役や監査役を派遣する
 これは考えるまでもありませんね。一人遣わすのか複数なのか、はたまた子会社取締役会の過半数か、親会社の思想が現れるところでもあると思います。ただ、大企業ともなると子会社の数も多く、その全部に常勤役員を派遣するほどの人材がいるとは限りません。非常勤役員とせざるをえず、月に1、2回の取締役会、経営会議等に出席できれば良いほうかと。いや、そうでない企業もあるかとは思いますが、ガバナンスという点では…どうなのでしょうね。監査役補助使用人の設置も云々されることもあるのですが、どのくらいの企業が補助使用人を置いているのでしょうか?あまり話題にならないのですが普通に置かれているものでしょうか。

2.ラインの責任者を送り込む(出向など)
 現場の責任者(事業部長や財務部長など)を送り込む、というのも考えられますね。非常勤役員よりもガバナンスが効くかもしれません。ただこの場合は人選が鍵でしょうね。親会社にエース級・準エース級を送り込む覚悟があるかということ。親会社で冷や飯を食っている人物ではガバナンスとは逆方向に向いてしまうことも考えられます。

3.物理的に一体化する
 手っ取り早くとにかく目の届くところに子会社の本店機能を置く、はやい話が親会社の本店に子会社を移転させてしまう。ある意味では理に叶っている気もします。電話やメール、TV会議などの手段があるとはいえ、子会社社長や役員をその場に呼びつけて直接指示命令、報告させるのに勝るものはありません。原始的とは思いますが。
 本店移転登記や許認可変更届などの手続き(と費用負担)、従業員の転勤、転居はたまた去就、取引先の離反など諸々課題はありますが、そんなものは織り込んでしまえばそれだけの話。
 もっとも同じ場所にいるようになれば、子会社の特に間接部門など親会社のその部門とがらがらぽんする可能性もあります。そういう狙いがあってもおかしくはありません。

 なぜこんなことを書いたかといえば買収されて4年、いろいろ思うことが増えたということで。本当に楽ではありませんねえ。



 

こうなる前に

 週末出張が2週続きました。
 詳細は書けませんが、まあ従業員からの通報、相談を受けて、というあれです。

 世間を騒がすような不正・不祥事につながるものではなく、職場の人間関係、コミュニケーションに原因が求められるもので頭が痛みます。まあ職場の問題は、ほとんどがコミュニケーションなのでしょうけれども。
コミュニケーション不足がやがてガバナンス不在につながることも考えられるのであれこれ対処はするですが、延々上司や部下への不満をきかされるとねえ。
 こうなる前に何かできなかったのかという思いと、さてこれからどうしようかと。
 愚痴なら吐き出して済みますが、通報の場合は何らかの結果を求めているわけですから、こちらの方が考えこむことになってしまいます。

 やれやれ。

 

 

 
  

先駆者 冨田勲を悼む

 今年は音楽界の巨星というより一時代を築いた先駆者の訃報が続きますね。
 プリンスのことを書こうとぐずぐずしているうちに冨田勲の訃報が入ってきてしまいました。
 
 テクノポップが流行した1980年頃は、学生でもアルバイトを頑張れば買える価格のシンセサイザーが発売され始めた時期です。当時のシンセサイザー関連書籍には必ず先駆者として冨田勲とこの春亡くなったキース・エマーソンが紹介されていました。二人の写真には必ずモーグの巨大なモジュラー・シンセサイザーの姿が写り込んでいました。今年はポピュラー音楽の世界におけるシンセサイザー普及の立役者を立て続けに失くしたことになります。なんという年なのでしょうか。
 
 冨田氏の音楽はシンセサイザーだけでなく「音場」へのこだわりにも触れておかないと不十分と思います。立体的な音場を再現する4チャンネル方式や2チャンネル(ステレオね)でも同じ音響効果が得られるバイホニック(だったかな)など、本当に斬新で面白いことに取り組まれていました。
近年ボーカロイドと共演していましたが、奇をてらったわけでも若者受けを狙ったわけでもなく単純に「面白い」ことを求められたのだろうと思っています。

 少し法務風味なネタを挟むとすれば、新しくて面白い取り組みの裏で行われたであろう権利関係の交渉ですね。ドビュッシー、ストラヴィンスキー、ホルストといった作曲家の作品が題材でしたから、苦労した交渉もあっただろうと思います。冨田氏がやろうとしたことはスコアや楽器編成の変更といったレベルではありませんからね。兎にも角にもその交渉の結果、冨田版「月の光」「火の鳥」「惑星」などが世の中に出たわけですからその交渉がどんなものだったのか知りたいですね。(昔のLP盤のライナノーツに少し書かれたものがあったような記憶が?)

 冨田版『惑星』のオルゴール音を思い出しながら、合掌。

ホルスト:組曲「惑星」
冨田勲
SMJ
2012-12-05 

 




 

拾い読み ビジネス法務2016年6月号 

 連休のど真ん中。天気晴朗なれど腰痛し。家で燻っています。

 取締役(親会社からの非常勤取締役)が自分の席にやってきました。とあるデリケートな案件で用事があったらしいのですが、その時自分がやっていた仕事を見て一言。「それじゃ何でも屋じゃないか。」
(その仕事は熊本地震対応の事務局だったのですがね)

 ビジ法6月号、特集「1から作る法務部」。
ようやくビジ法も「大企業のがっちりとした法務部」ではない組織に所属する人間向けの記事を組みましたね。(遠い目)

 平林健吾弁護士の「成熟度別組織の作り方・人材採用の秘訣」。前文で「理想的な法務組織の作り方、法務人材採用の秘訣」とことわりが入っていますが、興味深く読みました。

 かれこれ9年、法務という業務にかかわっていますが、1回も「法務部」という部署の所属になったことはありません。「法務部」という部署がなかったからです。
 勤務先は当初大企業から分社した完全子会社。子会社には必要最小人数(つまり独り)の法務担当のみを置き、必要があれば親会社法務や親会社が契約している法律事務所に相談・委託(実費は負担しますが)する「フェイズ」にありました。自分が法務に異動したのはこの「フェイズ末期」にあたります。1年もしないうちに売主と対象会社の関係になってしまいましたのでいきなり頼れる筋を失ったわけです。
 経営不振を理由として売買の対象会社となる企業が間接部門を増強できるわけがありません。以後4年間に何回となく繰り返された組織再編は黙々と司法書士とタッグを組んで乗り越えてきたようなものです。藁ほどのものも社内に頼るものはありませんでしたからね。
 唯一、法務部設立の機会があったとすれば持株会社制をひきIPOに取り組んだときだったと思うのですが、二度目のバイアウトにより再び大企業の完全子会社になってそれも幻。数年かけて一周回ってきただけという感があります。

 自分のスキルや経験が自社の限界ということであってはまずいのは百も承知していることで、だからこそ新しい人材を!とは思うものの、それにはまず自社が社外から見て「働きたい企業・職場」と思われるかどうかという問題がありますし、完全子会社の法務担当の仕事がロー卒や若い企業法務担当者にとって果たして魅力があるのだろうか、という疑問というか不安のようなものも抱いています。
 子会社の組織など親会社のさじ加減ひとつ、というところもあるので自分ひとりで考え込んでも仕方がないところはありますけれど。
 とはいえ、こんな自分であっても次の世代にいくばくか手渡していきたいものはあるのですよ。









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