企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2016年06月


拾い読み Business Law Journal 2016年8月号(1)

 毎度のことながら拾い読みです。
 最近は通勤途中で本を読むことも叶わず…

 勤務先の業態からいって〔特集〕「消費者法対応アップデート」 
 事業者にとって厳しくなることはあっても緩むことはない、と既に納得(諦め) はしていますが、十分なバックオフィス体制が取れない中どれだけのリソースを消費者対応に投入すべきか、という点でアップデートを纏めていただくのは助かるなあというのが第一の感想。
 日々の取引形態はB to B(しかも数次に渡る流通)、製品、役務の利用者は消費者という業態。シュリンクしていく市場で生き残るためには消費者との接点を強化していこう、という旗が振られるとチェックしなければならない事項が増えます。Webサイトを含む広告、チラシ、販売担当者が流通事業者に配布する販促マニュアル、店舗接客マニュアルなどなど。
製造事業者の「消費者対応」といえば、製品クレーム、製品事故とアフターセールスに関するものであったのが、ビフォアーセールスに関しても対応の幅が広がるとなると果たして法務担当者だけで十分業務が回るものなのか、とめまいがします。販促部門の担当者にも理解を深めてもらわないと、と考える次第。

 電機メーカー法務担当者が言及されていますが、要チェックというか警戒しているのが消費者契約法の「勧誘」要件です。継続検討になっていますが、今後機会があれば声をあげたい(あげるべき)事項ですね。

 とりあえず続きも書きます。

 



 

中央線カルチャーの地で法務系LTを(便乗ネタ)

 日帰り外科手術でした。痛み止め服用中です。縫合した部位がチリチリしています。

 今回は便乗ネタです。 
 既に情報が出回っていますが、2年ぶりに法務系LTの企画が進行しているようですね、というかまあその周辺にウロウロしてはいるのですが。昨年末のカレンダー企画に続いてshibaken_law先生が懲りずに世話役を買って出ておられます。本当に頭が下がります。(じゃあ、手伝えよ)

 なぜ開催地予定場所と噂される阿佐ヶ谷ロフトといえば、ロック、映画、芝居などなどメジャー・マイナーを問わず個性的な面々が登場するライブハウス。カウンターカルチャー、中央線カルチャーを発信する空間のひとつです。なぜ、またそんな場所で「企業法務」のイベントをと思われる方がいると思います。丸の内でも大手町でも六本木でも恵比寿でもなく、なぜ??

 阿佐ヶ谷ロフトは、過去にろじゃあ先生✖️やまもといちろう氏による「コンプライアンスナイト」が開催されており、法務系LTは既に会場側にとっても一部の法務担当者・弁護士にとって違和感はないと勝手に思っています。
 ロフトのステージに企業法務担当者が立つことの意味をこじつけるとすれば、やはりメジャーに対するカウンターでしょうか。
 ここのところ「ありのままの法務」や「法務あるある」などメジャー勢力(笑)の企業法務担当者に寄り添う動きが目立ちますが、当然ながらそれなりの風格なり品格を漂わせています。
 この場でわざわざいうまでもなく、生臭い生々しい話がまとわりつくのが企業法務という仕事。「ありのまま」話したらどうなるやらと思う一方、ずっと自分の中に閉じ込めておくにはしんどすぎる、そんな法務担当者も少なくないはず。そんな思いを解放するにはちょっと薄暗い空間の方がふさわしいと思うのです。
「ありのまま」というよりも「むきだし」、そう「むきだしの法務」とでもいいましょうか。

 自分も日程が合えば何らかのネタで参画するつもりですし、そうでなくても裏方にいるやもしれません。
 正式な案内を待ちましょう(だから手伝えよ)

 
 



 
 
 

契約書チェックのツボって何 ビジネス法務2016年7月号から

 拾い読みというには遅すぎるので(来週次月号発売ですからね)
 ほぼ雑感。(いつもだけどね)

 法務系の雑誌の特集記事では定番・鉄板の「契約書チェック」。
 契約書レビュー業務が法務担当者の日常業務に占める割合は高いです。「すいません、明日回答しなくちゃいけないので」と本当は10日位前に相手先から渡されていたのにぼさっとしていた販売担当者が駆け込んでくるなど、重要度はさほどですが(読んでみてわかる)、緊急度が高い業務でもあります。

 「文言が正しいですか。」「文言の確認をお願いします。」という依頼を受けることもあるのですが、
たいていの契約書ドラフトは文言としては整っています。このような場合は問題はそこじゃないよ、と返すところから始まります。本当に君がこれからやろうとしている売買取引や請負、共同検討や開発行為について打ち合わせ通りに反映されていますかい?と、こういう質問の繰り返しであります。法務担当者はプロジェクト業務のようなケースで現場に同席している場合を除けば、契約書ドラフトを通じてしか契約行為の情報を得ることはできませんし、一方現場担当者が法に通じているわけではありません。法律知識や契約法のテクニックを駆使してドラフト修正案だけをぺらっと渡してもそれが先方の現場担当者と通じて法務に渡るだけの可能性がありますから、契約交渉というよりはドラフトの往復だけになる可能性があります。そんな状況になると現場担当者同士では案外「法務って現場のことを知らないからさ」「ウチも同じだよ、堅くて。」などと仲良くお茶をすすっているのです。

 ハンコを押してもらうことのみにはやる営業担当者や、共同開発の成果を焦るあまり地雷を埋めこまれた条文に気づかない技術担当者をなだめすかしながら、話を聞きだし「今の話だとここの条文の規定だと何か変じゃないか」と担当者にも修正が必要なことを納得させながら修正案を作る、というのは理想かもしれません。全ての案件にそんな対応ができるほど人的・時間的に余裕はありませんが、そういう風にもっていければなあと思っています。

 で、何が契約書チェックのツボなのだろうということですが、質問力というと使い古された感がありますが、現場担当者からどれだけの情報を引っ張り出せるかということだと思うのです。

 若い法務担当者にとって現場の猛者というのは厄介な相手かもしれませんが、情報を引っ張り出すということはよく話を聴くということでもありますので案外信頼を得られるかもしれませんよ。

 例によってとっ散らかってしまいました。今日は午後から仕事です。

 
 

定義、共通言語あるいはコミュニケーション

 諸々疲れ気味な中高年であります。

 詳細には触れませんが、何事かが発生し複数の社内の人間のヒアリングにあたるという仕事があります。時に弁護士など第三者も入れる場合もありますのでいつも諸々全てを負担するわけではありませんが、心躍る業務でないことは確かです。
 複数の人間の話を何回も聴いていると、同じ語句を使いながらどうも当事者間で一致していない。両者間で説明した、報告した、了解したといいながら 、いざとなると「そういう話とは思っていなかった」などと回答するケースが珍しくありません。不祥事の事実解明では当事者の言い分を突きくずすネタになりますからありがたい?ことではあるのですが、日常業務の報告・連絡・相談でも同じようなことになっているだろうと容易に想像できます。

 不祥事ではないまでも、相談ごととして持ち込まれてくる事柄の発端はコミュニケーション不足であることが増えています。しかし、単に接点(会話)不足であるならよいのですが、どうも他者とコミュニケーションが成立しにくい、例えば他者と一方通行の関係(命令か服従)しか築けないような人が増えてきていて、それが事態を拗らせていると思うのです。これはパワハラらしきもの加害者側だけではなく被害者側にも該当することがありますし。またそのような問題にはならないものの滞りがちな業務の「ボトルネック部分」にそのような「会話の通じにくい」「会話が成立しない」人物がいる、ということもままあります。どうみても「話せばわかる」的マネジメントだけでは状況が好転するとは思えません。
まどろっこしいですが、「これはこういう意味だからね」と時間をかけて共通言語化して意思疎通を図るというようなことが必要なのかもしれません。海外子会社では当たり前だよ、といわれそうですが国内でも同じような状況だと思うのです。コミュニケーションがリスクとでもいいましょうか。
 
 アナログというか昭和のマネジメントで育ったおじさんは、日常業務で交わされる言葉の定義など「面倒」と思うかもしれませんが、もはや「人当たりの良さ」や「会話が得意」ぐらいではコミュニケーションが成立するとは限らないということに気づかないといけませんね。また若い世代もずっと年長の世代と無関係でいられることはありませんし、40代、50代にわたる昭和おじさん世代が概ね同じようなコミュニケーション環境にいたのと比べて、間もなく30代を迎える平成初期生まれとこれから社会に出る学生世代と、同じ平成生まれでも「異なる」と当の平成世代から聞くことがあります。もっともおじさんが余計な心配しなくても問題ないよ、大きなお世話だというのであればけっこうなことですが。

 ところで、日頃、言語・用語・用法に厳しく接している法務部門の人は、部門内コミュニケーションは当然円滑ですよね?

 

拾い読み Business Law Journal 2016年7月号(2)

 いつものことながら間が空いてしまいました。

 業績会議で前月実績の綿密な言い訳資料に対して「死体解剖みたいなことに時間をかけるな」と怒鳴る幹部がいました。言い得て妙、とは思いましたが解剖もやらないとね、と心の中でちょっぴり反論していましたっけ。

 ◆連載「不祥事の解剖学」
 今回は、自分の生息している業界と関わりに深い記事でした。
【事故の発生メカニズム】では以前「独禁法の道標」で取り上げられたアフターセールマーケットの「独禁法上の問題」と、そもそもの昇降機メーカーの基本的ビジネスモデルに言及されています。(もっともアフターセール受注前提のビジネスモデルは他にもありますが)指で数えられるほどしかプレーヤーの数がいない業界でなぜ過当競争になるのかいまだにわからないのですが。
 頭や耳、胃が痛むのは【考察】での「戦略の教条的リスクの実践」や「OJT重視による教育不足リスク」の指摘。新興企業でなくとも、受注拡大に邁進せざるをえない企業はリスク管理を後回しにしがちですし、耳の痛い話をするスタッフは経営の中心から遠ざけらることもあります。人手も時間も足らない現場は、従業員の知識・スキル不足を経験だけで埋めようとします。(それを是としている人間ばかりではありませんが)事故・不祥事が発生してからでは時すでに遅しですが、リスク軽視というよりは「見たくないものは見ない、聞きたくないものは聞かない」というほうかもしれませんね。

 そして【おわりに】での指摘は刺さります。
 事が発生したときに、性急に「悪者」を決めつけようとするのはマスメディアだけではありません。社内でも同様な事が起こります。責任の所在と結論を急ぎたがる経営陣や周囲。社内調査の際に不祥事の当事者だけなく、経営陣も敵(というのが不適切なら無理解者)に回すことがあるのが法務や監査担当者
です。無責任な野次馬的意見を抑え、いかに早く事実確認を重ねていくか。
 そういう意味では法務や監査担当者は些細な事例でも必ず「解剖」を行い、野次馬に負けない胆力の裏付けとして解剖所見をストックしておくことが求められるのでしょう。

 まあ、精神的にはしんどいところがありますが。
 
 


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