企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2016年08月


拾い読み ビジネス法務 2016年10月号

 懲りもせずに拾い読み。 
 しかし、もう10月号ですか。無常ですね。

 特集記事「もっと伝わる法務英語」
 勤務先は国内事業のみなので、業務で英語に触れるのは本当に1年に1回もあるかないかです。英語にアレルギーはないけれど、使わないものは後回しにする怠け者なので、こういう記事を読むたび自己嫌悪に陥ります。
 「Plain Engrishで簡潔に」はこれは英語でなくとも日本語にも当てはまると思った次第。
企業法務担当者は学生時代から法律を学んできた方がほとんどですから、法律の条文やガイドライン、弁護士の意見書など難なく読めるし理解されると思いますが、法務担当者だけが理解できればよいというわけではないのはいうまでもありません。いかにビジネスの現場担当者に「これは守ってね」「ここまでは大丈夫だよ」ということを伝えることができるか、という能力を問われると思います。
 できるだけ「簡潔な言葉」というのは簡単なようで難しいものです。
以前、ショールーム店舗の女性スタッフ対象の研修回で「個人情報保護」や「著作権」の講義を依頼されたのですが、条文や法律用語をなるべく使用しないで伝えるということに結構頭を悩ませました。
 日本語の場合でもあらゆる言葉とその意味、用例に通じていないと優れた文章や詩歌が作れないのと同様、Plain Englishも英語に通じてこそのものと絶望的になるのでした。





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近道はない 法務と税務

 法務部門で税にかかるあれこれというとまず契約書などにかかる印紙税。財務経理部門との間でキャッチボールというか、行きつ戻りつします。それと、組織再編。税処理を確認するところから始めていました。
 法務と税務の垣根が低くなっているとはいえ、どうも税務は苦手、金子租税法は厚くて重いし、何か手っ取り早い方法はないものかということで、気になっていた「契約書に活かす税務のポイント」(中央経済社)を手にとってみました。

 メインとなる第2章「契約類型別の税務のポイント」は順に売買>請負>事業譲渡>賃貸借>消費貸借>ライセンス>和解 と類型はカバーしています。
 それぞれで契約書条文例(本当に抜粋です)について法務、税務双方の視点からのポイントを指摘しているわけですが、本書冒頭の「注意事項とお願い」にあるように「あくまで事例」ということで
本書の中の「ポイント」をなぞれば「安心」というわけではないことはいうまでもありません。「税務側(税務調査)が見るポイント」と割り切った方が良いのかもしれません。

 つまり都合の良い近道はないということなのですが、「ちょっと確認」とか「ヒント」のために手元にあると助かるかな、というのが感想です。


 



 

旧商法 古くて新しい課題

 まだ在庫があったのを見つけた「企業会計8月号」。
特集は「蘇る旧商法 会社法世代のためのコーポレートガバナンスの歴史」。

 年齢的には間違いなく旧商法世代に属するのですが、法務に異動したのが2006年12月なので「会社法世代」だよねとひとりごち。法律系雑誌とはまた違う視点があるだろうと思い読みました。会社の中でも、法務と財務の視点は違うことが多々あります。
 
 いろいろと企業再編の憂き目(?)に遭ってきました。
 初夏に本店移転をした(!)ので、取得した閉鎖事項履歴登記と中村直人弁護士の「委員会設置会社制度の発足」の中の〔図表〕平成の商法・関連法改正(本誌P51掲載)を眺めると、法改正を機会にいろいろやられたのだなと思うことしきり。勤務先が分社されたのは平成12年会社分割制度導入の翌年春でしたし、株式譲渡のスキムの中で、自己株取得という方法を取らさせたのも平成15年132号があったからだろうし(株価維持とは目的は違いましたが)。委員会設置会社であった時期もあるのですが、現在の姿を見ると結局何だったのだろうかと思います。

 それはともかく、企業統治と取締役の責任・監督というのは古くて新しい難問であることがわかりますね。会社法では「機関」とされる取締役ですが、機械ではなく生身の人間ですし、経営はその生身の人間がやることですからね。
 最近の法改正やGCなど上場企業の役員が負うものと、非上場、子会社の役員が負うものとの差が大きく、取締役の責任、監査役の責任とひとくくりにはできなくなったと思います。
 とかく「リスク」の温床とされる子会社ですが、子会社の役員については直近の議論から置き去りにされているような気がします。このあたりは親会社のガバナンスの中で詰められていくのでしょうかね。

 今日はこんなところで。



 

拾い読み Business Law Journal 2016年9月号(2)

 続く、といいつつ日が空いてしまったので、エントリ改め。

 各方面で話題の(?)「辛口法律書ブックレビュー」、期待の2回目。
 サクサクと「自腹で買うべき本」の書評を展開されています。世の中には「買ってはいけない」「食べてはいけない」など「〜いけない」系の本なり評論がありますが、さすがにBLJ誌上ではできないと思いますので、「辛口」が限界でしょうね。今月はあと一歩でベスト10的な書籍も紹介されています。本当にいつ読まれているのでしょうか。
 この連載を読んで「読んだつもり」「わかったつもり」になってはならないのはいうまでもありませんが、連載で取り上げられた書籍を全部読んだとしてもそれで法律書の「キュレーター」になれるわけではありません。おそらく自分などとは比べものにならないくらい「スカ」の本も読まれたのだろうと思います。
 江頭会社法、菅野労働法はやはり辞書ですね。

 連載も3回まで進んでいますが関心を持っているのが「損害立証の基礎講座」
なるほどなあと思いながら読んでいるのですが、法務といえど会計や統計とは無縁でいられないということをつくづくと思い知らされますね。もう少し読んでエントリにできればと思います。


 短いですが、一応BLJ拾い読みのまとめということで。(何をまとめたのだか)

拾い読み Business Law Journal 2016年9月号

  時間が経ちすぎた感はありますが、拾い読みです。

 特集記事「紛争リスクの高い労務トラブルへの対応」
 よろず屋のように業務を引き受けることが多いのですが、一線を引いているのが人事・労務系。
アンタッチャブルというかなんといいましょうか。一方で内部通報制度に基づく通報の第一報はこちらに入ってきますので、ハラスメント系の対応はこちらから人事・労務に切りだすことになっています。

 数回にわたる組織再編や資本の移動などがあると、制度の不整合や矛盾などの解消に時間がかかり、それが労務リスクの温床になることがあります。また急ごしらえの組織と十分なトレーニングを受けられないまま管理職になった者がいると、そこでも諸々の労務トラブルが発生します。職場の人間関係の改善さえできていればここまでトラブルに発展しなかっただろうという例がいくつかあります。
 また、所属する業界の商習慣というかビジネスの構造から時間外労働の削減が難しいという面があり、未払い残業代リスクが常につきまといます。
 人事・労務だけに任せていて大丈夫かなと思わないわけではありません。労務トラブルの存在は、隠しきれないものであり(口コミサイトなどの存在)、会社のレピュテーションを下げ、採用難や人材流出に繋がるものであるため、もう少し係わった方が良いのかもと思います。が、何せ最小人数法務体制なので 
思うようにならないというのが正直なところ。
 特集としては執筆陣のバランスが取れた構成だと思いました。

 (追記します)



 
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