諸々あって今月初のエントリー。

 タグを民法改正とするか、消費者関連とするか迷います。

 「法学教室6月号」特集「債権法改正後の消費者契約法」を読んでの雑感。
 そもそも企業法務部員対象の書籍ではないのですが、法学徒に対して学者がどのように論じているか関心があったもので手に取りました。
 
 ジュリストでもおなじみ河上教授が約款規定について今回の改正では消費者保護としては不十分と論じているのと、鹿野教授(慶応)が「勧誘」について先のクロレラ広告最高裁の判決を持って明文で改正する必要性が薄れたとサクッと書かれていたのがまず目にとまりました。

 もっとも印象に残った野沢教授(立教)の論文について。
 消費者保護に総がかりになる本特集のなかで、いったん改正民法をグローバル・スタンダードを意識した「契約責任法」として落ち着かせ、そして法における「人」の想定が消費者よりも事業者に近いとして、ゆえに消費者の保護のさらなる充実が必要というものでした。(いいのかな、これで。乱暴かな)
 こうしている間にも、次々に新しい商売(まともなものから詐欺まで)が生まれる時代、基本法に消費者保護を取り込むというよりは消費者契約法のほうで手当てするほうが現実的だとは思います。
 しかしどうしてもしっくりこないのは消費者保護サイドのいう「消費者」。法が保護すべき「愚か」で「弱い」消費者ですが、ほんとうにいつまでもそのような「人」でよいのかという点。ときとして、消費者が「愚か」で「弱い」ままであることを盾にしているような印象を受けることがあります。そんなことはない、消費者教育を推進しているといわれるかもしれませんが、残念ながらまだその姿かたちがよくみえない、というのが日々クレームの相談や事業者団体業務にかかわっている自分の実感。
 法でいうところの事業者・消費者・人と実社会でのそれとの乖離もあるような気がします。

 自分も己の業務を離れれば、愚かで弱い消費者ではありますけれどね。