企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

2017年08月


読んだ本 ブラック・マシーン・ミュージック

 先月半ばからの体調不良からようやく脱け出したものの、夏季休暇でだらけております。

 白人至上主義者一派とそれに反対する一派の衝突したニュース映像。人ごととして眺めるのか、日本人も有色人種である以上いつ矛先が向けられるかわからないと思うべきなのか。実はすでに向けられているのか、かの国で暮らした事がないのでなんともいえません。

 ジャズ、R&B、ブルース、ソウルといわゆる「ブラック・ミュージック」とカテゴライズされる音楽を聴き散らかしていた時期がありました。その中で聞きなれない「ジャンル」でどうもしっくりこないまま、結局あまり聴いていないもののなかに「デトロイト・テクノ」がありました。初めてこのジャンルを目にしたのは河出書房出版のマイルス・デイビスのムック(2001年初版)ですが、その記事を書いていた野田努氏が同年発刊していた「ブラック・マシーン・ミュージック」が増補新版として復刊したので読んでみました。結構な文章量に加え自分が若い頃聴いた音楽が登場するのはごく一部に過ぎませんでしたから、ときおりYouTubeなどで動画を検索しながら読みました。(法律書もその熱心さで読もうな)
70年代のディスコ、80年代のハウス、そして90年代のデトロイト・テクノとアンダーグラウンドの歴史を丹念に追っています。
 
 さっくり感想。
 本書で取り上げられた音楽そのものはCDや配信、動画サイトで視聴できます。しかしその作り手の動機、心情というものを簡単に理解できるものではないということ。人種対立や差別、そこから生まれる抗争といったものがない社会に生まれ育った人間が、文献や音楽に触れただけでわかったような顔をしてはならないということ。当然といえばそうですが。巻末のディスコグラフィーや参考文献を追うだけでも相当な情報量ですが、それらは理解のための糸口に過ぎません。音楽を含めひとつの社会や文化を理解するには並大抵のエネルギーでは足りませんね。

 ところで肝心のデトロイト・テクノの音楽そのものですが、どうやら聴かず嫌いだったようでおりをみて聴こうかなと思った次第。いい歳をして、ですがデトロイト・テクノの生みの親は自分とそう変わらない年齢なので、まあいいじゃないですか。



  

子会社はつらいよ 拾い読み Business Law Journal 2017年9月号

 暑いし、大型台風は接近しているし、3年後の東京オリンピックはどんな気候のもとで開催されるのでしょうか。あまり想像したくありませんね。

 NHKの大河ドラマ「女城主直虎」で高橋一生演じる家老の小野田但馬守、史実では井伊家乗っ取りをはかった人物として書き残されているようですが本当のところはどうだったか。ドラマの設定では井伊家家老である一方、主家今川から目付役の任務を任されているので、今川家にとってリスクになることを井伊家の面々がやらかそうとすれば今川に報告せざるをえません。そのことで周囲からは煙たがられますし嫌われますし信用されません。いずれ乗っ取りを狙っている人間ならばともかく、そうでない人間だったらただの損な役回りですよね。
 
 実務解説「グループ会社リスク管理のための基本規程の整備と留意点(獨協大 高橋均教授)」。
 平成27年改正会社法、コーポレートガバナンス・コードといった法・制度の要求と実際に子会社発の不祥事が頻発していることから、親会社によるグループ会社管理は厳しくせざるを得ないといったところでしょうか。伝統的な大企業の「純血統グループ会社」だけでなく、買収や事業譲渡(譲受)でグループ化を急いできた企業の中にはグループ会社の管理規程の整備や体制が追いついていないといったところもあるかもしれません。今回の実務解説は、そのような企業のコーポレート部門や法務部門の方にとっては一つの目安になるだろうと思いました。

 自分は現在管理される企業に所属していますので「下から目線」でのコメントになります。
 
 親会社側で規程整備や子会社管理の体制を築いただけでは十分ではありません。
 子会社側にその(忠実な)受け皿となる部門なり担当者を置かないと「管理」業務が回りきりません。上場子会社であれば親会社同様コーポレート部門があるでしょうけれども、非上場の子会社は管理部門はあるものの「コーポレート部門」はないことの方が多いですから子会社の管理部門の誰かが「親会社のグループ会社管理」の業務の一端を担うというのが現実的でしょう。
 この業務、単なる事務連絡にとどまらずリスク発生時の報告業務まで担当すると「こんなことまで報告するのか」「報告はとりあえず保留」といった社内の声と、「重要かそうでないかを子会社が勝手に判断するな」という親会社からの命令に挟まれること間違いなしです。(いやほんとに。)
グループ会社全てに常勤役員を送り込むなり腕利きの人間を出向させることができればよいのですが、人的資源からみて現実的ではないでしょう。板挟みになる本人はしんどいけれども子会社内の目付役を育成するのもグループ会社管理の要点ではないかと思った次第。
 しかしそうであれば監査役の補助使用人のように、親会社のグループ管理業務のための補助使用人という立場でもないと子会社側の担当者がいつか詰んでしまうような気もします。

 ではでは。


 



  
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