季刊「住む。」(本当は半丸だけどもフォントがないので)について。

 2002年の創刊以来欠かさず購読している雑誌。もう13年余になります。
 発売元は一般社団法人農山漁村文化協会。雑誌タイトルと発売元から住まい・暮らしと農漁村との関わりを想像する方がいるのではないでしょうか。

 最近はいわゆる「田舎暮らし」系の書籍も増えてきていますが、まだどうも地に足がつかないというか、「流行(スタイル)」という印象が拭いきれません。(少なくとも自分には)
「住む。」についても都市から地域に移り住み暮らし続ける建築家やデザイナーが取り上げられる機会が多いのですが、その住まい方や暮らし方についての主義思想を声高に主張するのではなく、毎日繰り返されるごく普通の生活風景といった風で取り上げています。毎号の巻頭特集記事のほかは、林業、漁業のほか様々な手仕事に携わる人々を取り上げた記事です。それもまた余計な思惑や力が入っていなくてよいのです。
 
 声高に自然との共存、環境問題を語る人は数多くいます。この「住む。」と近いコンセプトを持つ住宅系雑誌がもう一種あるのですが「3.11」以降「脱原発」の文字をいれた特集記事を組むときがあります。その主義主張に異を唱えるつもりはないのですが、どうしても「しっくりこない感」を拭えないところがあります。声高な主張は賛同者を集めやすいかもしれませんが、果たしてそれがごく普通の生活のために繋がっているのだろうかと思ってしまうのです。

 自分がこの「住む。」を読み続けているのは、前述の記事編集のトーン、そしてものぐさで手先が器用でない性分である分、手仕事の世界に対する憧れがあるというのが大きいですね。(住宅建築業界の片隅に身を置いている、ということももちろんありますが)
 
 最新号の春号の特集は「よみがえる、古い家。」
地域の木築の民家だけでなく、「古い公団住宅の改修術。」という記事もバランスよく組まれていますし、東京・世田谷区でのある試みも紹介されています。
興味、関心があれば。