偶然といいましょうか、自分のなかで勝手にシンクロさせていることをつらつらと。
 
【6月21日発売】
 ①季刊住む2015年夏号 特集「時代を住み継ぐ家」
 ②Business Law Journal 2015年8月号
  「法のデザイン 第8回不動産(建物、土地)のリーガルデザイン」
【6月22日】 
 ③野村総合研究所ニュースリリース 「住宅の除却・減築が進まない限り2033年には空家2000万戸超」
 ④読売新聞朝刊の米軍ハウスに関する記事

 「建築ストック」に関する記事・研究ですが、二日の間にばたばたと自分の目に入ってきました。

 ①の特集は昭和の木造住宅や洋館、長屋を住み継いでいく方々の改修工事と住まい方や暮らし方に焦点を当てた記事。改修工事といっても「手仕事系」中心。プロの建築業者を入れるが、住まい手も参画しての改修事例が取り上げられています。
 ③は現在でさえ空家が800万戸以上あるのに、無策だとあと20年もしないうちに空家が2倍以上に膨らむという話。④は以前のエントリでも触れた、FLAT HOUSE STYLEに関連した試みの記事。

 いずれも不動産ストックの利活用に関連したものです。

 住宅行政が「フローからストック」へと旗を振りはじめて、もう何年も経ちますが依然景気指標にあがってくるのは「新設住宅着工戸数」。ストックがあるというのに、着工戸数の増減に一喜一憂する図式は変わりません。そして活路を求めるようにリフォーム・リノベーションと住宅系メディが取り上げてはいるものの、個人的にはいまひとつしっくりこないものを感じています。

 ②の水野弁護士の記事は、隅っことはいえ長らく住宅・建設業界にいるものにとっては多少疑問に思う点もないわけではありませんが、新しい不動産マーケット創造を支える制度なり基準が不十分という指摘はうなずけるものがあります。



 

 
 街並み、景観保存などストック活用のひとつの壁は、やはり防災面でしょう。
地震などの災害の多い日本、例えば古い低層木造住宅街や商店街地域は火災リスクのかたまりです。
バブル期前後に東京の下町(例:大島・小松川・亀戸地区、住吉・毛利地区)で大規模な再開発事業が行われましたが 、これには木造住宅地域の不燃化が目的でもあったわけです。
ストックの所有者または賃借人などの住まい手の工夫にどこまで委ねるか(ソフト)というのは大きな課題でしょう。ストックのリフォームに使用する建材、設備の性能や品質にかかってくるものもあると思います。またJIS、JASなどで新しい規格が設けられるのか、新しい施工方法が編み出されるのか、新しい法・規制の整備は、不動産、建設周辺の事業者にとっても技術開発やマーケット拡大の機会です。
何かと閉塞感漂う話題になりがちな業界ではありますが、ストック活用は転機だと思います。

 ストック活用の住まい手の事例が若い建築家、デザイナー、工芸家などが中心になるのは仕方がない部分があります。彼らに発信力があるからです。
 しかし声高に主張することなく「住み継ぐ」ことを選択する人たちもいるわけで、そういうところにも陽をあてることも必要でしょう。
 
 あれ、リーガルデザインから離れてしまったので、逃げます。