東洋ゴム子会社の免震積層ゴムデータ偽装の外部報告書、300ページ超の分量ですが目を通しました。後半、249ページあたりから外部委員会の本件に関する分析が始まります。

 不祥事は子会社かつ非主流事業周辺で起こる、ということをまた証明してしまう事件で、同じような境遇・立場にいる人間としては暗澹とした気持ちになります。数年前、サプライヤーから第三者認定機関の認証を取り消された原材料を納入されその対応に追われたことを思い出しましたが、そういえば当該サプライヤーの事業も非主流のものでした。

 外部委員会の分析、指摘は当然厳しい内容です。規範遵守意識の鈍磨を醸成させる企業風土、監査体制、外部報告体制の不備など仰るとおりなのですが、胃が痛んだのは人事ローテーションの未策定や開発技術部門・コンプライアンス体制についての指摘です。再発防止の提言と裏表なのですが。

 固定化した人員配置や脆弱な法務・コンプライアンス体制、というのは非主流事業・子会社についてまわる問題で、人員不足(思うように採用も進まない、あるいは配属されない)という問題、企業規模から間接人員の比率を抑えざるをえない、といった事情があります。指摘と提言はごもっともなことですが、このような状況を子会社だけで解消できるか、というと難しいものがあります。親会社・主流事業から人員を派遣すればよいかというとそう簡単なものではない、というのが経験上正直な感想です。堂々めぐりになってしまいますが。

 「リスクの高い非主力業務の抜本的見直し」という提言があります。トカゲの尻尾切りではありませんが、やはり非主流事業からの撤退か売却という選択肢が現実味を帯びるように思います。ただ売却にあたっては不祥事を起こした事業・子会社がどのように評価されるかという課題がありますので、企業にとって非主流事業(子会社含む)の管理も本気で取り組まなければならないということでしょう。

 切り離された側の人間がいってもあれですが。