2015年07月11日 15:02

契約の内容って何だろう(2) 新しい潮流をみながら

 更新間隔が空いてしましました。多忙だったわけでなく、ただ寝落ちしてしまう日が多かっただけです。
 不定期の民法改正関連ネタです。とはいえ、自分の周辺(不動産・建築)の話が中心になりますので、ありからず。

 ここ数週間で気になったニュースと少し考えたことを。

 ①6月23日公表
  構造計画研究所・東大・ニフティ:住宅ストック市場活性化に向けた共同事業開発の開始
  国交省「インスペクションによる住宅情報の蓄積・活用推進事業者」に採択。

 ②7月7日
  ソニー不動産、Yahoo!JAPANと業務提携・資本提携
  同じくソニー不動産のニュースでは
 ③7月9日 工事費込みの「リフォームパッケージ商品」をAmazonで提供開始

 不動産・建築業界界隈にもいよいよ大手IT企業が関わってきたということでしょうか。
これまで不動産業界とITというと物件情報のウェブ版といったものしかイメージできなかったのですが
潮目が変わってくるのでしょうか。

 ①は建築・土木・環境エンジニリング、コンサルタント企業ならではのものです。気にはなりますが、今回のエントリーでは紹介するだけにとどめます。

 ②はリリースを読むと、こちらも中古住宅流通とそれに当然伴うリノベーション、リフォーム事業への参入が目的のようですね。首都圏の中古マンション流通を主戦場とするようですね。
あわせて③のとおり従来住設建材メーカー系のFC、家電量販店が取り組んでいる「リフォームパッケージ商品」にも参入します。一部の家電量販店が敵対視するAmazonを通じてということなので、さっそくサイトをみてみました。数百万円のドイツ製のシステムキッチンをサイトでポチっ!とする人がいるのかな現段階ではなんともいえませんが、住宅・建材・設備サイトの先行組(無印商品やアドヴァンなど)がありますからね。ところでAmazonにのせるということは製品や工事の品質の良し悪しをサイト上で評価されることにもなるのですよね。それがフェアで透明性のある評価かどうかはともかく。

 これらと「契約の内容って何だろう」がどう結びつくか、なのですが、もうひとつ、ちょっと時間が空いてしまったけれどもこういうニュースがありました。

 ④6月1日
 ネクスト 不動産の「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験」に向けて(略)

 この発表内容についてネクストが6月29日に開催したセミナーには200人が集まったと業界紙が報じています。


 

 不動産情報がwebサイトに集約されようとも、売買や賃貸の取引にあたって内見と重要事項説明については宅地建物取引士・当事者が直接顔を合わせる機会が必要だったのですが、TV会議システムを使用した重要事項説明が可能になれば、関係者の手間もだいぶ省けるのではないでしょうか。動画配信で内見を省けるかどうかは不明ですが、たとえば最近一定の需要が生まれつつある「田舎の家」の売買・賃貸取引も勢いづくかもしれません。④の実験は当面法人間の取引、賃貸取引で行うようですが。

 で、「契約の内容」です。不動産・建築業界における商売の流れのいわば「川上」に位置する不動産取引業者やリフォーム事業者自身の取引の形が変われば、「川中」「川下」に位置する建材や設備機器関係の業者との取引にも変化が生じないわけがありません。かいつまんで取り上げた事業者とその取り組みが業界の「トップランナー」となっていくなら、彼らに材料や役務を提供する側もこの流れについていかなければ、市場から落伍していくことになるかもしれません。
 スピードをモットーとする大手IT事業者が関わったことで、わずかな期間で環境が激変しても何の不思議もないのですから、改正民法施行予定の3年後にはどうなっているやら。
 従来の取引契約書の内容の精査と改訂だけで用が足りるのだろうかと考えこむのでありました。




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