2015年07月19日 12:00

契約の内容って何だろう?(3) 販促物について

 連休の方もお仕事の方も夏休み中の方も、お暑うございます。

 過日、業界団体の分科会の席上で、あるメーカー担当者が「瑕疵が契約内容不適合になると、我々はどこまでやらなきゃならないのだろうね」と半ばぼやき気味でつぶやき、その場にいた者全員で「うーむ」と唸ってしまったのでした。

 建材・設備機器の取引形態は、納品・据付の段階ではB to B、引渡後の問い合わせ、修理・サービス対応は最終需要家が個人の場合はB to Cというパターンです。やや面倒なのがB to Bであっても流通が数次の段階を踏む取引が多いというところでしょうか。これは昔からの取引慣行や需要家の与信問題というところによるものです。(改正民法の個人根保証と関わりが深くなるかもしれません)

 数次にわたる流通段階を当然のものとして、我々は製品の販促に関してはカタログをはじめ様々な販促ツールを準備します。ときに最終需要家向けのプレゼンテーションシートまで作成することもあります。
しかし、それらの内容が果たしてきちんと最終需要家まで伝わっているのか正直いくばくかの不安を感じることがあります。

 改正民法施行後は、製品購入契約の内容とは「カタログほか販促物、プレゼンテーション、取扱説明書、施工説明書等」で説明を受けたものであるということが十分考えられるわけで。

 カタログほか販促物の内容については、すでに過剰・不当表現を規制するものとして景表法、誤使用防止のための警告表示を求める「製造物責任法」があるわけですが、改正民法により「契約内容」たり得る役割も負うことになるのでしょうかね。製品の態様、性能、品質は当然として、保証や免責事項といった従来なら購入したのちに読むことになる取扱説明書や保証書の内容をも契約締結前に説明する必要があるのではないか、これが冒頭のつぶやきであり声にならない唸り声の中身であります。

 前々回のエントリでとりあげたAmazonでのソニー不動産のリフォーム工事販売のサイトを確認してみると、免責事項や追加費用発生の可能性の注意書はあります。商材の説明は十分なものとは思えず、商材に関してはメーカーサイトを確認してくださいということなのかもしれませんが、そうなるとメーカー側のサイトも単なる製品PRではなく「契約の内容」となることを意識したサイトにする必要に迫られるのかもしれません。

 いやはや気の重いことであります。 

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