夏になり長距離通勤の疲れがどっと出ています。毎晩寝落ち。

 ビジネス法務2016年8月号、特集記事「わが社でもできる!贈賄防止プログラムの実践」。
 たまたまオフィスの机の上に置きっぱなしにしていたら、某アジア系企業出身の取締役から「人間がいる限り賄賂は無くならないよ」「贈賄リスクを下げながらどうやってうまく付き合っていくかだよ」と声をかけられました。

 勤務先はほぼほぼ国内事業のみなので、海外での贈賄リスクというものは一見小さく見積もりそうですが、そうでもないなと最近思っています。さすがにこのご時勢、海外での事業活動がゼロというわけではありません。 むしろほんの少ししか海外と関わらない企業の方が贈賄リスクが高いのではないかと思います。現場担当者のみならず、管理者、経営陣も本格的に海外活動に対する準備をしないまま、ちょっと首を突っ込んでしまった、丸腰でアウエーに飛び込んでしまったという企業の方が地雷を踏んでしまうリスクが高いですよね。どう考えても。

 特集記事冒頭の「形式的な禁止から実質重視の判断へ」(麗澤大・高教授)の記事。
企業コンプライアンスの一人者から「形式的コンプライアンス」から脱却せよという趣旨の示唆は軽くないと思いました。
 形式的コンプライアンスというのは、悪くいえば「コンプラ(部門)の、コンプラ(部門)による、コンプラ(部門)のための」コンプラです。現場の人や実情をよく知らない、知らないのに知ろうともしないコンプラ坊主がやりがちな仕事です。「ならぬことはならぬ」の一点張り。「形式的コンプラ上」これが一番リスクを負わない、といえましょう。ただ海外でも事業ともなれば、法令違反リスクは小さくなるかもしれませんが、事業継続のリスクや従業員の生活(生命含む)が脅かされるリスクが増大する可能性があります。そこまで考えて「ならぬ」といいきっていますかね。

 形式的コンプラしかやらないコンプラ部門に対する現場の本音は「現場も見ないで(知らないで)何がわかる」「安全地帯にいる者なら何とでもいえる」です。(これは国内事業でも同じですけれど)その結果、本来コンプラ部門が把握しておかなければならない情報が取れない、そしてある日突然重大なトラブルが!ということにつながってしまうのではないでしょうか。

 実質重視の判断を行うためには、コンプラ部門(法務部門も含む)が「安全地帯」から外に踏み出す必要があり、またそうでなければ現場からも情報は取れませんし、相談や報告もないでしょう。(安全地帯というのは本社オフィスという物理的なことを言うのではなく、コンプラ部門担当者の心理的なもの、行動の基準においてあるものです)
 
 贈賄防止をはじめとする不正防止は、まずそこからだろうと思った次第。(反省も含めて)