不定期エントリーです。
 リアルタイムなネタを避けつつ。

 グループ会社のガバナンスについて。
 少し前に弁護士が深いところまで知見が持てないということに関して川井信之弁護士や山口利昭弁護士がブログで取り上げられていました。

 実際のところ、当事者である企業法務担当者も「これがグループガバナンスというものです。」と言い切れるものはないのです。自社グループのことしかわからないし、それも親会社側、子会社側のどちらにいるかによっても視点が違います。M&Aを繰り返してグループを形成していった企業と、事業分社という「血統書」付き子会社から成るグループのグループ・ガバナンスが同じ質であるわけがありません

 登記が終わるまでがM&A、グループ・ガバナンスは登記完了と同時に(その前からというのが現実的でしょうけれど)始まるのですが、そんなに容易いことではありません。

 例えば人事労務面。
 某勤務先も企業再編により会社は一つになったものの、当面複数の就業規則、賃金規程が並存ということがあります。組織はシャッフルされますから、出身企業の異なるメンバーで構成される部門も当然生まれます。では、その部門のマネージャーはメンバーそれぞれがどの就業規則・賃金規程に基づいては業務に就いているのか、果たして完全に把握し部門を運営できるかという課題が生まれます。これはけっこう悩ましいものです。しかし時間外労働管理ができなければ、最近話題になった案件のような問題がすぐに起こるかもしれません。
 いやそのために労務DDも実施しただろうといわれるかもしれませんが、そこから導かれるのは統合のロードマップまでで、完全に落ち着くまでは数年かけざるをえないでしょう。(これはあくまで自分の体験ですが。)

 グループ・ガバナンスというのは現場にある大小の差異を埋めていくのが先で、「上からどん!」と落としてなんとかなるというものではないのですよね。
 ここの部分になかなか弁護士がタッチする機会がないのかもしれませんね。

 子会社のつらさ、というのは統合過程からも生まれるのですよ。