ようやく今年最初のエントリー。

 久々にジュリストの特集から。

 勤務先では営業担当者一人につき1台、公用車を使用させていますので、毎日数百台の公用車が日本中を走り回っています。 そんなわけで交通事故リスクはつきもの。毎月ぶつけました、ぶつけられました、自損しましたという報告を何件か受けます。幸い重大な人身事故というものはないものの、頭の痛い問題であることには変わりません。
 公用車が全て「自動運転」に切り替われば、従業員による自動車事故はゼロになるのか、運行管理責任、使用者責任といったものを考えなくても良くなるのか、そのあたりが気になるところなのですが。

 自動運転というほどでなくても、すでに自動車の大部分はソフトウェア化」しています。吸排気・燃焼系はソフトウェアにより制御されていますので、走り屋系が手を出す「チューンナップ」はまずソフトウェアの書き換えなのですよね。ソフトウェア化と同時にブラックボックス化も進んでいて、ほとんどの自動車はボンネットを開けてもユーザーが自ら整備、点検できる箇所は非常に限られています。オイルチェックすらユーザー自らできないようになっている某高級車もあると聞いたことがあります。

 運転も公道での運行も全てソフトウェア・ネットワーク化した自動車に委ねるときいたときにまず思ったのは「機械は壊れるものだし、ソフトウェアはバグが付きもの」。事故発生の際の責任問題はどうなるのだろうと。今回のジュリストの特集は一括りに報道されイメージづけされそうな「自動運転技術」について主に「民事責任」の視点からの論稿で、公用車を数百台抱える企業のリスク担当者にとっても、いち個人ドライバーとしても非常に面白いものでした。 

 自動運転技術が普及し企業の公用車全てを新型の自動車に変えた場合には、現在発生しているようなドライバーのうっかりミスによる自動車事故はおそらく激減すると思います。仮に事故があったとしても、ソフトウェアやネットワークに起因するものであればドライバー(従業員)や企業の使用者責任も問われることもなくなるでしょう。道交法上の「運行管理責任者」の役割も変わるかもしれません。
ただあくまでソフトウェアやネットワークのバグ、というものを自動車メーカー、ソフトウェア、運行システム側が認めるという前提です。業務システムのトラブルでもこの点についてはなかなか決着がつかないことがありますから、そうそう簡単な話ではないだろうという気もします。
 バグ発生を受けて自動車メーカーやソフトウェアメーカーが修正ブログラムを配信したとしても、ユーザーが確実にアップデートしなかったことが原因で発生した事故の場合はどうなのか。公用車であれば使用している企業の責任になるのか。公用車がリースの場合は自動車リース会社の責任になるのか、懸念事項をあげればきりがなさそうです。
人が自動車を使用する、運転するということについて、自動車産業関係者(ユーザー含む)に従来以上の手間と負荷がかかるかもしれませんね。

 それと、運転技術・免許の点。
自動運転や自動運行が普及したとしても、不測の事態は起こるもの。不測の事態に対応する場合を考えると、人の運転技術についてはより高度なものが求められるのではないでしょうかね。AT限定免許のように「自動運転限定」免許とはできないと思います。

 10数年前か、自動運転・運行システムが確立した近未来社会で、運行システムのトラブルやシステム破壊という犯罪に対して、主人公たちが1970年代のスーパー7、ロータス・ヨーロッパ、ランチア・ストラトスといったハンドリング命のクルマを走らせて解決に当たるというアニメがありました。なんか現実味を帯びてきましたね。

 2気筒、MT車をバタバタ走らせながら思ったことをつらつらと。

 遅くなりましたが本年もよろしくお付き合いくださいますようお願いいたします。