引き続きビジ法2017年4月号から。
 特集2は「グレーゾーンを克服するビジネス著作権」
日常業務では関わりが少なかったのですが、現場からの問い合わせが徐々に増えてきていますので、気合を入れ直さないと、と思っていたところ(気合だけでどうにかなるものではありませんが)。

 特集は福井健策弁護士の「なぜ『なぜグレーゾーンの克服』か?ーゼロリスク幻想からの脱却を」で幕を開け、骨董通り法律事務所の北澤弁護士、ヤフーの今子氏、中嶋弁護士の記事が続きます。

 福井弁護士はダメだししかしない法務担当者にきつい一発をお見舞いしています。
 Google社と最近ずっこけた日本のキュレーション・メディアを比較、前者をリスクをビジネスコストに読み込み収支予測を立てた先行企業、後者を収支予測を立てなかった「乱暴なだけの後発企業」とし、Google社がグレーゾーンを走り抜くことができたのは、収支に関する鋭敏な感覚を持ち合わせていたという。もっともこれは著作権に限らず、他の法令についても同じことがいえると思います。(景表法などは課徴金の算定方法が明らかになっていますから収支予測できるはず?)
 先行者のいないグレーゾーンを進むことはある種冒険のようなものと思います。未踏の峰を攻める登山家もアマゾンの奥地を行く探検家も出たとこ勝負ではなく入念な準備を行います。ビジネスにおいても同じではないかと思います。登山においての成功が山頂制覇ではなく麓のキャンプまでの生還であるなら、ビジネスにおいては第三者から請求を受けない、課徴金を食らわない、評判を毀損させないということになりますか。それこそ法務担当者の頭の使いどころ、ですね。

 ところで福井弁護士、「東京人3月号 特集これはパロディではない」にも「日本のパロディ文化は阿吽の呼吸で守られている」を寄稿されています。この雑誌に法律家が登場するのは非常に珍しいのですが、こちらでも「著作権を知って、日本のパロディ文化を萎ませない」「炎上を恐れてパロディ精神を萎縮させるのはもったいない」と「萎縮」をキーワードとされているように思いました。

 「萎むな、萎ませるな、ビジネス著作権」という特集タイトルの方が良かったかもしれませんね。