今頃になって3月初めのエントリとは。

 かつて「数字は人格だ!」と叱咤していた上司がいましたが、彼がそれと同じくらいいっていたのが「汗をかいた者が成果を手に入れろ」ということ。一つの仕事をとるために様々なアプローチで攻めるのはどの業界も似たようなものだと思いますが、ライバル事業者だけでなく身内の部門ともなぜか争うことがある、そんなときに上司が「誰がこの仕事のために一番汗をかいた?」と突っ込み、整理するのでした。
 BLJ4月号「独禁法の道標」にいわゆる「汗かき談合」が取り上げられていたので思い出したのでした。
 
 公共工事(特にインフラ系)の仕事獲得に取り組むとなると、基本計画、基本設計、実施設計、積算、入札とプロセスを踏むのですが、数年がかりになります。その間、行政機関、コンサルタントに何回もアプローチを行い、技術面の提案、図面の作成などすぐに売上にはならない仕事を繰り返します。その末の工事発注が競争入札によるものですから、最後の刈り取りのために法の領域を侵さざるをえないと考えることになりますし、同業者もライバルとはいえ仕事については共通の理解があるので、まあなんというか記事のようなことになります。汗をかいた者が仕事をとる、汗をかかない者の横取りは許さない。そういうこと。以前「道標」で取り上げたメーカー系列維持管理業者と非系列維持管理業者を巡る不公平な取引についても根っこのところはこの精神です。
 当の担当者は自らの仕事を「必要悪」であるといっていたので、罪悪感があるかはわかりませんが法に抵触していることは承知しているのです。

 自社の場合はかなり早い時期に過分にヒステリックにこの世界に関わりのある事業を取り潰したのですが、副作用というものも当然あります。大きいのは人の問題。「談合」の一点を除けば、公共工事に関わる担当者の営業は人脈構築力、情報収集力、行動力を求められるもので決して「なあなあ」で仕事をしているわけではないのです(中には典型的な寝技師のような者もいますが)。だから担当業務を変えたとしても支障がない場合があります。
 事業は潰しても人まで潰す必要はないわけで、このあたりが企業や法務、コンプラ担当部門の柔軟性を求められるところかなと思います。

 ではでは。