過日、地方営業支社の経理担当者から問い合わせがあり。
 ここ何ヶ月かある販売先の売掛金回収に違算が生じている、どうも自社の売上計上日と販売先の買掛計上日とズレがあるようなのだけどもどうしようというような内容。単なる月ズレなのか、販売先の検収買掛の基準に変更があったのか確認してみてねというような会話を交わしたのだけども、あれ待てよ、そんなチャラっとした話で済まないよな、なんか大きな話があったよな?というところで、タイミングよくビジ法2018年3月号特集2の「新・収益認識基準 契約法務の対応」。そうだよ、IFRS。そして「収益認識に関する会計基準(案)」。



 本記事構成は
  1. 早わかり解説「収益認識に関する会計基準」とは
  2. 法務部が主導すべき新基準の契約への適用手順 (以上、片山法律会計事務所 片山智裕氏)
  3. 売買契約書見直しのポイント (弁護士法人L&A  横張清威氏)
  4. 請負・業務委託契約書見直しのポイント (AM&T 中村慎二氏)
の4稿、いずれも弁護士+公認会計士両方の資格を有する方の手によるものです。

 1.の冒頭で今回の新しい収益認識基準が注目される理由として
契約に基づく収益認識の原則を採用したことにあり、会計基準の体系の中核に契約という法律概念が導入されたことは画期的、業際的である。
とサクッと解説されております。
 税務・会計領域と法務領域の接近についていまさら当方がいうまでもありませんが、今回は会計サイドからの「契約書の内容」に対するアプローチということでよいのでしょうかね。これまで取引契約締結の際の経理サイドのチェックというのは、与信と支払・回収条件の確認に重きが置かれていた部分がありますが(あくまで勤務先では、ですが)、本基準の適用に当たって、法務と財務経理と二人三脚で取り組まなければならないということですね。
 留意しなければならないのは「新・収益認識基準」の適用時期。
 上場・非上場を問わず、遅くも2021年4月から始まる事業年度から本基準を適用とありますが、2018年4月から任意で早期適用できるとあります。自社の会計基準の変更を3年後に行うとしたとしても、販売先や取引先が早期適用する場合には、もっと早い時期に「契約書見直しの要請」をされるかもしれません。民法改正対応と会計基準対応と契約書レビューを同時並行で進めるということになりますね。(けっこうきついなあ)

 3、4の記事はどうしても駆け足にならざるを得ないのは理解できるのですが、ちょっと各論に過ぎるかなという感想。欲をいえば、売買や請負を問わず企業取引は商社・代理店や中間取引業者を介した契約の比率が高いので、この場合の適用手順の手ほどきがあればよかったと思います。が、いずれにしろ会計系の専門書籍はちゃんと読まなければなりませんね。