たどり着くところまで行かないと何がどうなるかわからない日大アメフト部の一件。
 話題になったあの記者会見に絞ってのメモ。

 多くの方があちこちで発言しているように、あの記者会見は「危機管理の失敗」「広報の失敗例」として早くも夏以降の法務系・広報系の雑誌の記事として取り扱われるのは間違いないでしょう。そして読者たる我々は思うのです。「こんなヘマはやらかさない。」と。
 しかし書籍で読み、メディアトレーニングを受け、メディア出身者を広報職に据えたとしても、必ずしもうまくことが運ばないのが「事故・不祥事」発生時の広報対応。ここ数年でどれほどの有力企業が記者会見を含む危機対応で失敗したでしょうか。

 事故・不祥事発生時には満足な準備時間など与えられません。トップ、役員、顧客、取引先、株主、業界団体、所管官庁の都合・思惑が入り乱れ追い立てられるものです。それに加え今回は「渦中にある人物」による自前の記者会見(ほぼ告発でしょう)がありました。
 不正の実務と責任を負わされた担当者が「もうこの会社は辞める」「二度とこの仕事はしない」と腹を括り、企業に先んじて顔出しで記者会見したのと同じです。告発者が幸福な未来を手に入れているかという現実を考えるとどうかと思うのですが、事故不祥事発生の際の内部調査やその後の措置次第では自らリスクを増やしてしまうという前例になったと思います。

 あの記者会見についてとやかくいうのは簡単。しかし、法務や広報担当者はそこにとどまってはまずいでしょう。

 過日、まったく偶然ですが本件の利害関係者にあたる人と酒席で一緒になりました。
 謝罪会見にピンクのネクタイをなぜ締めたか、と尋ねるとあれは「スクールカラー」との答え。ああ、そういえばといわれて思い出したのですが、公式の場に出るということであの色のネクタイを締めたのでしょうが「今回はその色は避けましょう」という人間すら周囲にいなかったということなのでしょう。
「わかっていること」「知っていること」と「実行すること」の違いと難しさがわかりますね。