2018年11月25日 12:38

Xデー

 自動車メーカーの解任劇。陰謀説から盗人の仲間割れのような見出しが飛び交っていますが、所詮報道は報道という印象が強いので(といったら怒られるかもしれないけれど、最近は特にそう思うので)、違う切り口で。

 良いニュースでもそうでもないものも公表すると決めたら公表日を「Xデー」と設定して具体的な作業を詰めていきます。作業は細心の注意を払って進めるのはいうまでもありません。特にステークホルダーにとって「衝撃的な内容」を含みかつ内密に進めなければならないものは、意図的なリーク以外の漏洩は防がなければなりません。
 仕事は段取り8割だと営業時代からよく上司にいいきかされていましたが公表に関わる仕事はその最たるもの。自動車メーカーの記者会見が用意周到すぎるという声もちらほらありましたが、用意周到が当たり前で、炎上し収拾がつかなくなる会見のほうが問題なのです。
 
 ここ10年ほどで企業広報とりわけ危機管理に関する書籍や情報の数は増えました。記者会見までの準備、記者会見当日の諸注意などそれらを読めば、ひととおりのことは理解できると思います。メディアトレーニングを受ける経営陣も増えたのではないかと思います。
 しかし「公表」の矢面に立つのは経営陣や広報担当者(ときに法務担当者)ばかりではありません。
営業担当者、購買担当者、コールセンター、ときには代理店特約店の担当者も矢面に立つのです。
「公表までの段取り」は当然ですが「公表後の段取り」も重要です。特に㊙︎事項で従業員に対してですら「公表日」 まで伏せていたという場合はなおさらです。こういうと語弊があるかもしれませんが、報道記事はメディアにとって「美味しい部分」あるいは「理解できた部分」の抜粋です。そうはいっても報道=事実と捉える人が大多数でしょう。報道により動揺、疑心暗鬼に陥るのは販売先、取引先だけでなく従業員も同じですが、自社の事情を社外の関係者に正確に伝えるのは従業員の協力をえるよりないのです。
公表直後に(あるいは直前)に少なくとも主だった従業員には説明し理解してもらわなければなりません。
 公表直後にステークホルダーに説明に向かう役職員の担当振り分け、スケジュールまで決めていく必要もあるでしょう。相手によっては契約に関わる話ももちかけられる可能性もあります。「リスク管理」が法務部門の業務であるなら、「公表」直後にスタートする諸々にも目を配りリスクを潰しておくことでしょう。「公表」だけでも大変な業務でそこまでで関係者は気力体力を使い果たしがちですが、そこからが正念場。「Xデー」は完了日ではなく、スタートの日でもあるのです。

 苦しんだリコールの記憶も10年以上経つと細かなところはおぼろげになってきました。
「へえ、知っていたんだ。そりゃ、そうだよね。」と社内のあちこちから微妙な感情をぶつけられた企業再編もひと昔前のことになりました。
 備忘のためのエントリー、でした。
 
 
 


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