もう来年の1月号かよ、と嘆息。季節感のない人生。

 数年前、某法律雑誌に法務研修に関するコラムを書かせてもらったことがあるのですが、自分で書いた内容がそのままブーメランとなって背中に2、3本突き刺さっています。さらにその刃をズブズブと深く刺し込むようなBLJの特集記事です。

 「法務研修のWAHTとHOW」 。
 冒頭の三浦弁護士(渥美坂井法律事務所・外国法共同)の記事に尽きます。

 法務研修は法務担当者の「アピールの場」「成長の場」でもあることは否定しませんが、それが「目的」ではないわけで。受講者の「腹落ち」のない研修ほど講師・受講者双方に不幸な時間はありません。講師や教材の出来不出来、準備不足(ニーズ、ウォンツの把握不足を含む)によっては「時間泥棒」と謗られても仕方ありません。

 寄稿いただいている各企業の研修プランをみると法務研修に当てられている時間は長くて1日、概ね半日程度のようです。マネージャー研修や販売研修などが泊まり込みプランであるのと比べると「短い」ですね。研修事務局や社内講師を業務としていたこともあるのでいっておきますと、泊まり込みの研修で2日目の朝に前日の内容のおさらいをしてみると、受講者の記憶に残っているのは2割から3割がいいところなのですね。泊まり込み研修であれば2日目に復習ができるのですが、半日から1日の研修ではそれができません。あれも教えたい、これも理解させたいと講師は張り切ると思いますが覚えているのは「2割」なのです。「何を忘れずに持ち帰ってもらいたいか」と考えると、受講者の「腹落ち」が不可欠になります。
 研修カリキュラムの練りこみは当然、さらに受講者の業務上の諸々の情報もある程度必要になると思います。販売研修事務局の頃の話に戻りますが、ある教育コンサルのカリキュラムを導入した際に、同じカリキュラムなのに講師の違いにより受講者の「腹落ち度」に明らかに差が生じた例がありました。コンサルの中でも人気1、2位を競うような講師であっても、受講者の諸々の読み違いがあったのでしょう、結局講師を変えてもらったことがあります。
 我が身に置き換えあたら、本当に厳しい話ですよね。

 じゃあどうすればいいのだということになりますが、法務には法律相談や契約書レビューなどを通じて様々な事業の情報・エピソードが集まっているはずです。それらが受講者に「腹落ち」してもらえるネタ元になると思います。身に覚えがある、どこかで聞いた話というものがカリキュラムに織り込まれていれば、法務研修と聞いて斜に構えている受講者も居ずまいを正して研修に参画するでしょう。自分から参画した研修はきっと記憶に残り職場に持って帰ってもらえる(と、自分はそう期待しています)

 講師の話法、話術の巧拙に研修が左右されるのはいう点も忘れてはいけません。
 少し噛むぐらいはどうということもありませんが、決めのフレーズが「飛んで」しまっては元も子もありません。といって、タブレットやノートに目を落としたままというのもダメです。
マネージャー研修の講師の時は何回もロールプレイングを繰り返しましたし、たとえ1時間の研修であっても前夜ブツブツと一人で練習しています。たかが2割、されど2割。

 最近あまり研修をしていない身であれこれ書くのも気がひけます。背中のブーメランがさらに深く刺さる。

 実務解説「2018年の不祥事を振り返る」は別エントリーをあげます。