2019年01月09日 23:57

拾い読み Business Law Journal 2019年2月号

 あけきりました。松もとれてしまいました。ようやく初エントリーです。
 
   BLJ拾い読み、です。
 もはや伝統となった「法務のためのブックガイド2019」を話題にするには旬が過ぎているということで特集記事とは別に勘所を押さえてくる実務解説から。今回は「企業として押さえておくべき障害者雇用」。

 業容拡大、人員増強と採用を進めていくと後で焦る雇用義務制度。法定雇用率についての中央省庁のやらかしは民間企業としては怒り呆れの連続でしたが、「率」を物差しにすれば分母分子を弄る者が出てくるというわかりやすい事案でした。

 それはともかく。
 雇用側がかなり志を高く持たないと、ハンディキャップのある人を雇用し続けるのは難しいと思うのです。近視眼的に法定雇用率をクリアするためだけに採用し、あてがいぶちのような仕事しか割り振らないというような実態ではいずれ労働者側から就職先として選ばれなくなるかもしれません。ハンディキャップの子を持つ家族の気持ちを考えれば、ちゃんと仕事を続けられてスキルも身につき給料をもらえて納税して年金も収めて、ということが実現できない企業に就職させるわけにはいきませんからね。

 本稿でもあるように肝は採用後の「合理的配慮の提供」をどこまで実施できるかという点にあると思います。
某職場で現場担当者の配慮不足、コミュニケーション不足と推測されることから赤チン災害を発生させたことがあり、企業としての至らなさを思い知らされました。とはいえ、例えば物理的な配慮とひとことでいっても、製造現場では限度があるのも事実。また業務の種類、業務量の調整についても病気や障害について知識や理解が乏しい職場管理者に丸投げするわけにはいきません。労務担当者と専門機関、職場管理者と本人(ケースによっては家族も)と協議を重ねて職場を作り上げていくプロセスは欠かせないでしょう。簡単なことではありません。だからこそ企業に本腰で取り組む意志が必要で、そうでないと「率」を弄るような事態を招くのです。とはいえ業績がおぼつかない状況の企業では人的にも金銭的にも手が回らないという実情もあり…かなしいかな。

 ただ中高年の上の方の年齢に差し掛かると自分が病気や怪我でハンディキャップを負う可能性はありますし、それでもなんらかの形で仕事を続けなければならない状況に置かれるということは十分あります。そう考えると、ハンディキャップ雇用というのは他人事ではないのですよね。

 前述の赤チン災害発生の際に、環境安全担当者とハンディキャップの社員が働きやすい現場は当然健常者にも働きやすいはずと話したのですが、まだまだ何かと課題が多いというのが正直なところ。
 本来の意味のバリアフリーやユニバーサルデザインの思想を企業経営に、といったら大雑把ですが。

 それでは、また。





 
 

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