最近攻めている感のあるビジ法。拾い読み、というのもあれなので今回は巻頭の特別企画「法務の到達点と展望を大観する平成から令和へのメッセージ」の読後感。

 元号についての議論はあるものの、ある一定期間の歳月を括って論じるには便利なものです。ちょうどひと世代にあたる30年というのも区切りがいいですよね。

 自分が法務に異動したのは平成18年の年末なので、それ以前の企業をめぐる事件について法務の視点でどうこういうことはできないけれども「すべては地続きなのだ」と改めて思います。
 社内研修で「CSR(というもの色あせた感がありますが)」「コンプライアンス」を説明する際は平成前半の90年代から00年代に何が起こったのかということを抜きには説明できません。平成は企業が事故不祥事を隠しきれなくなった時代ですね。
 会社法絡みでいうと、それまではなんとなくサラリーマン双六の上がりのような「取締役」「監査役」就任が、各条文を読むともはや役員が「上がり」の役職ではないということがわかるようになったのが大きいですね。本当はその前からだって経営責任は負っていたはずなのだけど、「終身雇用・年功序列のご褒美に与っただけのような役員」っていましたからね。役員研修後に「知っていたら就任しなかった」とぼやかれたこともあります。業歴の長い企業ですら取締役、執行役が現役バリバリの世代に代わっていく事例をみますが、法がそこになんらかの役割を果たしているように思います。
 
 寄稿記事にはありませんでしたが製造業勤務だと「製造物責任法」と「消費生活用製品安全法」のインパクトは大きかったと思います。行政側が「消費者保護」に軸足を移したわけですが、決して消費者を軽視していたわけではないものの製品の設計思想からカタログ、パンフレットの表示やセールストークに至るまで見直すことになりました。個人的には平成19年(2007年)改正消安法施行時の製品リコールが実質的な企業法務デビューのようなものだったので忘れようがないというのもありますが。

 うるさがれようが古いといわれようが次の世代に申し送りしなければならないことはあります。若干総花的な印象はありますが、タイムリーな企画だと思います。
 やや「昭和的」な企画タイトル、何年か前中央経済社にお邪魔したときの応接室の風景を思い出しました。
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