いろいろと議論がヒートアップし、そしてやや鎮まった「企業法務」論。
空中戦を下から見上げていた、というのが正直なところ。
 ビジネス法務10月号で「一人法務の心得」という特集が組まれるあたりが「企業法務」の現実の一面だろう。ただ本特集の執筆陣の顔触れや職歴を拝見しやや偏りがあるように感じた。もっともこれは編集部の取材や執筆依頼に応じることができた企業だと理解しておく。

 企業の一部門あるいは一つの課や係である以上、「法務」も所属企業の置かれた状況に左右されるのはいうまでもない。法務が単独の部門で置かれるか、管理部門の「部」なり「課」にぶら下げられるか、あるいはそもそも「課」でも「係」ですらなく、総務部や経理部の誰かに株主総会や取締役会、変更登記にかかる業務や契約管理、債権管理といった業務を兼務させることにとどまっているかもしれない。日本の企業の大部分を占める老舗の中小企業(上場企業の子会社含む)はこの「兼務」が実態ではないだろうか。兼務している本人が「自分は企業法務の仕事を担っている」と意識しているかはわからない。総務あるいは経理の業務の「一部」として黙々とこなしているのだと思う。他の業務同様「100%やれて当たり前」の仕事のひとつとして、だ。

 飛び交う「企業法務」論、それなりの規模の企業法務担当者や新興の勢いに乗る企業法務担当者、その周囲の弁護士が中心だが、彼らの脳裏に「法務」と名乗らず、しかし分業化の進んだ大企業の経験の浅い法務担当者と比べてもひけをとらずに企業を支えている「兼任者」の姿を少しでも思い浮かべた瞬間があっただろうか。
 
 ここ数日気になっていたのは、こんなことです。