企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

会社法まわり


役員選任案

 コンビニチェーン会長の引退のニュースが波紋を呼んでいましたね。
 あれだけの功績を築いた方が、という声もあったようですが、(創業者ではありませんが)一代で巨大になった組織のトップというのは、なかなか常人では計り知れないものがあるものですよ。
 完全無欠の経営者はいないということですかね。

 ちょうど5月、6月の定時株主総会の準備の真っ只中の時期なので「役員選任案」が騒動の中心だとまた想定問答のネタが、と 思い悩む担当者もいるのではないでしょうか。

 機関法務の仕事といっても、ずっと一人株主の非公開企業なものですから、役員選任案は下から伺いを出し、上から(親会社からということ)非常勤の役員案を提示され、それをミックスしたものを案として作成、というのが実態です。上からの案には異論を挟む余地はありませんが、自社案についても法務からダメ出しをすることもありません。(心の声としてはあるようなないような)。
法務が選任案に直接深く関わる場面というのはあるのでしょうか。上場企業の社外取締役候補者案を作成する際にはありそうですけれど、どうなのでしょうか?

 報道では件のコンビニチェーン企業の企業統治の実態がとやかくいわれていましたが、正面切ってそれを批判できる企業ってどれだけあるのだろうか、そんなことを考えてしまいました。

 


 

 

子会社はつらいよ 下から目線でなんちゃら 15

 不定期エントリです。
 カテゴリーが会社法まわりでよいのか、だんだんわからなくなってきました。

 どの企業にも創業の精神というものがあると思います。ときに創業者の精神論というか教えといいましょうか、成功譚に過ぎないのかもしれませんが。
 子会社、特に買収された子会社というのは、親企業グループの一部門でありながら元々の企業風土を抱えています。そうそう簡単に同化できるわけではありません。
 そこでときとして親会社による研修が実施され、まず親企業の創業の精神やら創業者の成功譚を教え込まれる、ということがあります。

 子会社になったときの戸惑いというのは、ほぼ業務の進め方、決裁のやり方の違いなのですが、その違いの根となるものは、親企業の創業期や成長期における創業者や当時の社員の苦労・苦心だったりするわけです。
 新参者が共有するのは難しいところですね。
 創業者が健在の場合は、創業期の話は「昔ばなし」ではありませんしね。

 企業再編やら事業売却のニュースが続いています。自分の勤務先とは比べものにならない歴史や規模を誇っていたはずの企業やその部門が別の大企業グループの傘下になるわけですから、その従業員の気持ちたるや。
 経営や事業の安定を得る代わりに捨て去るもの、新たに身にまとわなければならないものがあります。

 一従業員としてそこを割り切れるか、というのが最初の選択でしょうかね。
 


 

子会社はつらいよ 下から目線でなんちゃら 14

 不定期エントリーです。
 リスクは子会社ばかりにあるのか、という話。

 ビジネス法務の連載記事「グループ会社における役員責任の分析」などを読みながら思ったことです。
 
 親会社役員の親会社に対する善管注意義務が子会社を含む親会社グループの利益のため、と考えられることについて、それには頷けるものはあるとしても果たしてその通りにできるものなのかと思う瞬間があります。

 明らかな利益相反取引はさすがにないでしょうけれど、親会社が決定した方針に基づき子会社が実施する施策が、結果的に子会社の経営にボディブローのように効いてくる(悪い方にね)ことがないわけではありません。親会社の方針決定が議論を尽くされたものなのか、トップの独断によるものなのかいずれにしろ、子会社の役員が決定に関与する機会は限られたものでしょうし。
 一方で親会社の指示命令に従ったことであっても、それをもって子会社の役員の責任が免ぜられるものではない、という論がありますが、そうであれば子会社・子会社役員にとって親会社に原因があるリスクが存在するのではないでしょうか。しかも回避することが非常に難しいリスクとして。

 そのリスクそのものを取り除くのも親会社役員の責任だというのは簡単ですが、企業買収によって異なる業態、企業文化を持つ会社が親子会社関係になるのが当然の時代。そううまくいっているものなのか実態はわかりませんよね。

 案外「親会社リスク」を抱えている子会社はあるかもしれません。

 

子会社はつらいよ番外編 役員変更は突然に

 不定期ネタです。番外編としてよいのかな。

 突然の役員変更、ということがあります。
 100%子会社の役員人事というのは、子会社側の意向だけではままならないことはいうまでもないのですが、それでもだいたい定時株主総会の時期にあわせて行うものだと思います。例外、はあるかもしれませんが滅多にないものだと普通は思いますよね。
それが2年連続してあると、会社をとりまく全方位から「?」という反応が起こるのは当然のことで。
 
 親会社の決定はもう覆しようがないですから、限られた日程で諸々準備しなければなりません。(それがたとえ2週間程度だったとしても)
 変更登記にかかる事務日程と必要書類の段取り、外部公表日程とリリース原稿や多少のQ&A。ひとつひとつはそれほど作成時間がかかるものではありませんが、最小人数体制だと一気にくるので、日常業務とバランスを取りながらいかに時間をへつりだすか、というところ。今回は2年連続なので社外説明をどうまとめるかというところが少し時間がかかりました。

 これまで色々な目に遭っているためなのでしょうか、このような事態となっても驚きがなく、淡々と事務日程表や書類、原稿を短時間で作成してしまう自分はどこか感性が鈍くなっているのか、壊れているのではないかとふと思うのでした。

 さて登記が終わるまでが役員変更です。今日も淡々と仕事をします。
 
 

 

 

子会社はつらいよ? 下から目線でなんちゃら13

カテゴリー分けが難しいのですが、前回エントリーの余談。

 役員研修について「そんなものなのか」と思ったことが過去にありまして。
 上場会社に買収されてまだ日も浅いころだったと思いますが上司(取締役)が役員勉強会を企画し、親会社から派遣されていた取締役に打診したところ、「完全子会社の取締役は、出先の部門長に過ぎないのであまり余計な心配はするな」というようなことをいわれてしぼんでいたことがありました。
 一理あるような、ないような。

 最近では事故不祥事のリスク発生源として扱われる子会社(特に非主流・異業種)、改正会社法でも子会社管理責任が強化されていますので、子会社の役員研修については親会社の手によるものが筋なのでしょう。「出先の部門長」という位置づけであればそうなりますよね。
 親会社からは部門長扱いの一方、法的責任は負うという、完全子会社の取締役というのは板挟み的な存在ではないですか。
 あまり論じられるところをみたことがないのですが、子会社はリスクの温床というのであればもう少し子会社の取締役という存在について、触れられてもいいのではないかとも思うのでした。企業グループによって色合いが違うかもしれませんしね。

 本当に余談レベルでした、すみません。

 
 




 
  
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