企業法務マン迷走記2

 大船ならぬ「酔っぱらった船」に乗ったかのような企業法務担当者の日常

企業再編あれこれ


子会社はつらいよ? 下から目線でなんちゃら8


 不定期シリーズです。

 あらためて上場企業の完全子会社になったことの利点、といえば、あくまで自分個人の感慨ですが【資金調達】に関して苦労することがなくなったことを一番に挙げざるを得ません。
投資ファンド傘下時代の金融機関とのリファイナンスの際の契約条件、金利、フィーに四苦八苦していた頃を思うと比較のしようもありません。
 そうであっても金融機関から借入をする以上、彼らの視線・目線というものを感じていないとねえ、というのが今回の話。

 業績に関する会議や報告会において子会社が親会社から提出を求められる経営指標数値というものがあります。
子会社は、その数値の達成に邁進するわけですが、指標そのものはあくまで親会社の都合で把握したい数値に過ぎません。ただ親子会社が同業種であり、その指標をもって金融機関が親子双方の企業を査定できるのであれば問題はないと思います。
 しかし異業種間親子会社の場合、金融機関が子会社の業種を「査定」する際の指標が、親会社が子会社に対して要求する指標と異なるケースがあると考えられます。融資にあたっては親会社の保証があるといっても、借主はあくまで子会社なのですから業種別の査定項目に沿ってひととおりチェックするはずです。親会社と金融機関とで相反する指標があるとは考えにくいのですが、金融機関が自社の業種をどう視るのかを子会社は把握しておかなければならないと思います。
 とはいっても、金融マンと日々それほど接触があるわけでなし、仮に知己がいたとしても現役の金融マンが手の内を簡単に明かしてくれるわけもありません。
 しからば、、、大型書店の金融コーナーにいくと、融資先査定に関する書籍がけっこう並んでいます。銀行業務はよくはわかりませんが、書籍があるということは一定の需要あるのでしょう。
市販書籍を読むだけで金融マンと同じ感度を持てるわけではありませんが、「査定する側の視点」をある程度知ることはできます。敵を測るとでもいうのでしょうか(敵、ではないけれど)

 そんな必要あるの?だいたい法務がそこまで気にするのか?といわれるかもしれません。
 親子会社の縁をぶっつり切られ、資金で苦労したことがある側とすれば、取り越し苦労であってもいろいろと備えておかないというのが心のどこかに残っているのです。
 それに融資契約やその付随契約のチェック(まあ、ほとんど金融機関のいうことには勝てませんが)が財務部門から回ってきても先方の理屈を知らないと読みようがないですからね。

 本日はこんなところで。なんとなく消化不良気味なエントリーですが。




子会社はつらいよ? 下から目線でなんちゃら 7  

 案の定、不定期シリーズ化してしまいました。
リアルタイムのネタは取り上げないようにしているのですが、最近思う事があったので。

今回は開示について。

 勤務先は様々な経緯と辿って上場企業の100%子会社となっているわけですが、もとはといえば上場企業の一事業部門。 その事業部門に配属されていた人事や経理といった管理部門がそのまま現在の本社部門になっています。上場企業のIRや財務など開示業務に携わったことのある人間が残念ながらいません。
かくいう自分もIPO業務を通じてその端に触れた程度ではありますが、再び上場企業の子会社となった今、「開示」に対する「感覚」を身につけていてよかったと思う事がたびたびあります。

 子会社(自社)のことであっても上場親会社の開示事項に該当すれば、それは「子会社のこと」ではなく「上場親会社」のこと。例えば役員異動(代表者を含む)や事業譲渡、企業再編(自社が売買されることも含む)など自社にとって重要な事項であり、金融機関、販売先・取引先等に契約上・商道徳上一刻も早く通知しなければならないこと、従業員に説明しなければならないことであっても、じっと親会社が証券取引所他で開示するときを待たなければなりません。

 業務上、予め役員から事情を通知されるのですが、「上(親会社)に訊きたいことはあるか?」と尋ねられたときには真っ先に「開示か非開示か、開示するならその日時」と返します。開示の瞬間からがこちらの業務スタート。「準備期間が何日あるか」と「何日秘さなければならないか」ですからね。

 親会社の開示日まで少し間があると「やっぱり事前に話しておいたほうが」と落ち着きを失う役員がいないわけではありません。従業員から「なぜこんな直前の発表なんですか!」、取引先からの「もう少し早く連絡いただけないものですか」と問われることは予想がつきます。役員とてひとりの普通のおじさん、話して楽になりたい気持ちが生じるのはわからなくありません。
とはいえ、親会社周辺がリークするならともかく子会社周辺から漏洩というわけにはいきません。「ダメです」と強くそして厳しく押しとどめるのですが、このあたりが「開示」という業務を抱えたことのない企業の「甘さ」というか「弱さ」とでもいうのでしょうか。
非上場の子会社である限り、この「甘さ」「弱さ」はつきまとうのかもしれません。


 他の従業員に気づかれないよう、機関法務まわりの書類(変更登記がつきまといますからね)や社外通知文書案の作成、某新聞の人事掲載面や記者会えの原稿入稿などをこなすのは「慣れている」とはいえどこか心身に負担がかかります。

 何回経験しても、自社に関する重要事項の公表を自社でコントロールできない切なさというか、やるせなさは消えることはありませんねえ。

 過去いろいろあったので「MSUTさんが暇なときは何も起きていないんだよね」といわれることがあります。だからなるべく「暇そうに」しているのですが、「暇そうに」みせるのは「忙しいふり」をするより大変なんすよ。
 
 第3回法務系LTはいい目くらましになりました。きっぱり定時であがりましたからね。

 
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